ミュージック インタビュー&コメント

ミュージックライブレポート
2011年10月11日
LIVE REPORT
モーニング娘。
鳴り止まない“愛ちゃんコール”……高橋愛モーニング娘。卒業コンサート

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笑顔と涙の高橋愛 卒業ライブ「みなさんと過ごした時間は私の宝物」
 2011年9月30日、日本武道館にてモーニング娘。のツアー『モーニング娘。コンサートツアー2011秋 愛 BELIEVE 〜高橋愛 卒業記念スペシャル〜』のファイナルが行われた。同公演はリーダー・高橋愛の卒業ライブで、武道館には8500人ものファンが詰めかけた。その中には、高橋とラジオ番組で長年共演する明石家さんまや、辻希美後藤真希などモーニング娘。OG、ハロー!プロジェクト内外の現役アイドルたちの姿もあった。

 ライブの幕開けは、「Mr.Moonlight〜愛のビックバンド〜」から。これは、高橋をはじめとするモーニング娘。5期メンバーのデビュー曲であり、高橋自身も「大切な曲」と語る特別な1曲だ。舞踏会風の王子の衣装で颯爽とステージに現れた高橋は、男役パートをひとりで担う。その伸びやかな歌声と華麗なダンスはいつも通りキレがよく、大観衆を瞬時に魅了。さらに最新シングル「この地球の平和を本気で願ってるんだよ!」と、カップリング曲「彼と一緒にお店がしたい!」を披露。新旧のヒット曲を織り交ぜて、モーニング娘。の“いま”を示して見せた。

 続いて、高橋愛リーダー時代の代名詞である“かっこいいモーニング娘。”路線を決定づけた「リゾナント ブルー」を歌唱。さらに、10月12日発売のアルバム『12, スマート』から、「この愛を重ねて」を高橋と新垣里沙の二人が歌い上げる。

 「ガキさんとまた歌えて幸せです」「私もです」と噛み締める同期の二人は、視線を重ねると「せんぱーい!」と叫んだ。次の曲は5期メンバー(当時は4人)のために書かれた思い出の曲「好きな先輩」だった。スクリーンには、デビュー当時にライブで同曲を歌った時の映像が映し出された。先に卒業した小川麻琴紺野あさ美の映像をバックに歌う二人は、心なしか声が震え、涙ぐんでいるようにも見えた。

 続いてドレス姿に着替えた高橋が「電話でね」を可愛く歌う。そして、再び全員がステージに。「SONGS」、「Give me 愛」を次々と披露したり、「Only You」、「まじですかスカ!」と近年のヒット曲で畳み掛けていく。本編ラストは、明るくポジティブなメッセージが胸を打つ「ブラボー」。観客は総立ちでメンバーと共に大合唱し、その拳を天に突き上げていた。

 メンバーたちが退場すると、すぐさま特大の“愛ちゃんコール”が武道館に響き渡った。暗闇の中で高橋のイメージカラーである黄色いサイリウムが揺れる。やがて、ひとりステージに戻ってきた高橋は、その想いのたけをつづった手紙をゆっくりと読み始めた。

 「2001年8月26日に『LOVEオーディション21』に合格して、モーニング娘。に5期メンバーとして加入してから10年と1ヶ月が経ちました。今思うと、あっと言う間だったな…」

 なかなか個性を確立できずに悩んだ日のこと。初めてソロパートをもらい、嬉しかった日のこと。素朴な言葉で語られる思い出の数々が、ステージで誰よりも輝けるようになった今の高橋を支えていた。

 「今年の1月に卒業を発表してからは、今まで以上に時間が経つのが早くて。卒業に向けての最後のお仕事が増える度に切なくて…。もっとモーニング娘。を好きになりました。モーニング娘。になれて本当によかったです」

 ここまで気丈に振る舞っていた高橋にも、ついに涙が。プロデューサーのつんく♂、メンバー、そして何より、これまで自分を支えてくれたファンへ感謝の気持ちを伝える。

 「いつもコンサートに来てくれてありがとう。私たちの曲をたくさん聴いてくれてありがとう。みなさんと過ごした時間は私の宝物です。この宝物があれば、これからも頑張れると思います。本当にありがとうございます!そして、最後にひとこと言わせて下さい。……みんな大好きです!!」

 そう結ぶと、力強い歌声でソロ曲「自信持って 夢を持って 飛び立つから」を熱唱する。<自信持って 諦めないで 輝け!未来>というフレーズを体現するかのような、熱いパフォーマンスで魅せた。既に号泣者続出の観客も、割れんばかりの大声援で彼女の心意気に応えていた。

──曲が終わり、とうとう別れの時が近づく。モーニング娘。のメンバーひとり一人から、去りゆく高橋へ贈る言葉が伝えられていく。その中には、前日に加入したばかりの10期メンバーや、足の怪我で療養中の光井愛佳の姿もあった。最後に高橋の前に立ったのは、同期として10年間連れ添った新垣里沙。

 「愛ちゃんはリーダーになってから、自分のことよりもみんなのことを第一に考えてきたから。明日からは、自分のために前に進んでいってほしいなって心から思います。愛ちゃんとの10年は、本当にひと言やふた言じゃ収まりきらなくて、色んな感情が溢れてきます。全部、私にとって大切で素敵な時間でした。私たちも愛ちゃんに心配かけないように、負けじと頑張っていきたいと思います!」

 抱き締め合う二人。時折声を詰まらせながら、極力笑顔を作っていた新垣も、この時ばかりは大粒の涙を流した。苦楽を共にした新垣の労いの言葉に、高橋もついに号泣。リーダー、サブリーダーとしてモーニング娘。を牽引してきた“愛ガキ”の強い絆に、大きな拍手と歓声が贈られた。

 ここで切ないピアノのイントロが鳴り、ラストの曲「友(とも)」を光井や10期も含めた全員で熱唱。卒業公演は終わったかに思えた。しかし“愛ちゃんコール”は鳴り止むどころかますます大きくなり、武道館を揺らす。……すると、それまで行ってきたツアーのセットリストにはないはずのダブルアンコールが!高橋愛がモーニング娘。として歌う本当の本当に最後の曲は、「涙ッチ」。モーニング娘。の10枚目のアルバムに収録されている、切なく美しいヴァースと、アップテンポなサビが交錯する名曲である。会場は今日何度目かの爆発を迎えた。

 卒業をゴールとして走りきるのではなく、あくまでその先を見据えて、このツアーを走り抜けた高橋愛。

 実に、4年4ヶ月。モーニング娘。史上最も長くリーダーを勤めた彼女は、最後まで凛々しく気高かった。公演終了のアナウンス後も、一向に鳴り止まない“愛ちゃんコール”は、やがて「愛ちゃん最高!」「娘。最高!」の大合唱へと変わる。その歓声は会場内外で、名残を惜しむようにいつまでもいつまでも続いていた。

『モーニング娘。コンサートツアー2011秋 愛 BELIEVE 〜高橋愛 卒業記念スペシャル〜』
9月30日(金)セットリスト@日本武道館

01.Mr.Moonlight〜愛のビッグバンド〜
02.この地球の平和を本気で願ってるんだよ!
03.彼と一緒にお店がしたい!
04.リゾナント ブルー
05.やめてよ!シンドバッド
06.My Way〜女子校花道〜
07.シルバーの腕時計(田中れいな&鞘師里保 Rap新垣里沙)
08.この愛をかさねて(高橋愛&新垣里沙)
09.好きな先輩(高橋愛&新垣里沙)
10.電話でね(高橋愛)
11.SONGS
12.Give Me 愛
13.【メドレー】情熱のキスを一つ(高橋愛&新垣里沙&田中れいな)〜笑顔YESヌード〜もっと愛してほしいの〜グルグルJUMP
14.OK YEAH!
15.Only you
16.まじですかスカ!
17.ブラボー!
EN1.自身を持って 夢を持って 飛び立つから(高橋愛)
EN2.友(とも)
WEN.涙ッチ

■■アルバム『12,スマート』2011年10月12日リリース
[初回限定盤]DVD付
品番:EPCE-5809/10 3,780円(税込)
[通常盤]初回仕様:フォトカード2種
品番:EPCE-5811 3,150円(税込)
収録曲等の詳細はこちら⇒初回限定盤通常盤

(文:鷹羽健介(short cut))
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