ミュージック インタビュー&コメント

ミュージックライブレポート
2010年6月15日
LIVE REPORT
AKB48
“選抜総選挙” 完全レポート!!

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AKB48    
絶対的エースの陥落から、新たな高みへと道を切り開く
 週間ランキングで1位を連発!いまや国民的アイドルグループとなったAKB48が、8月リリースの新曲を歌う選抜メンバーをファン投票で決める『17thシングル選抜総選挙「母さんに誓って、ガチです」』を開催。妹分のSKE48や研究生を含む、総勢104人の熱き争い……。6月9日に行われた開票イベントでは、最後に大きな波乱が待っていた。

「今回の総選挙でいろいろな方にAKBをアピールできました」(宮澤佐江
「どこに行っても選挙のことで注目されて」(河西智美
「うちのハムスターも“がんばるんだチゥ”と言ってくれた気がします」(宮崎美穂

 オープニングのトークは軽いノリ。むしろ会場のファンのほうが緊張しているのを、メンバーたちがほぐすように進行していく。ミニライブでは、初動50万枚越えで週間ランキング1位となった最新シングル「ポニーテールとシュシュ」、メンバー7人よるチームドラゴンが歌うアニメ『ドラゴンボール改』エンディング曲「心の羽根」の初披露、SKE48による公演の人気曲「ピノキオ軍」と、いつも通りハツラツと歌い踊った。

 だが、開票結果発表を前に、司会の徳光和夫と木佐彩子から1人ずつ会場に呼び込まれたメンバーたちは、みな表情がこわばり気味。第三者機関で厳正に集計した運命の投票結果が入ったアタッシュケースが、警備員に伴われ運び込まれると、ステージ前のメンバー席では、祈るように両手を合わせる姿も目についた。

 まず、カップリング曲を歌うアンダーガールズとなる40〜22位を発表。名前を呼ばれるごとにステージに上がり、檀上の席についていく。31位まででは研究生から石黒貴己(40位)、山内鈴蘭(36位)が選ばれ、ともに「ビックリしてます」と声を詰まらせた。昨年は圏外だった梅田彩佳(32位)は「ステージに立てて皆さんの顔を見られるのが嬉しい」と、ガッツポーズ。

 続いて22位までが発表され、研究生最高の28位につけた島崎遥香が「大事なチャンスを自分のものにしたい」と涙声で話した。去年と同じ26位で、速報・中間発表とも25位だった平嶋夏海は「安定感はバッチリです。ポッチャリ体型をスレンダーにして、来年こそ選抜入りを目指します」と笑顔で宣言。

 一方、選抜入りをあと一歩で逃した22位の多田愛佳は「アンダーガールズのセンターは嬉しいけど……やっぱり選抜に入りたかった」と泣きじゃくるなど、早くも悲喜こもごも。ちなみに、昨年は1位の前田敦子が4630票だったが、今年は24位の大矢真那SKE48)で4634票と上回り、1年を経て投票総数の大幅アップ=AKB48の凄まじい人気上昇が明確に数字に現れた。

 いよいよ選抜メンバーとなる21位以上の発表に移る。20位でコールされたのは、これまで選抜入りしたことのない仲川遥香。「去年は悔しくて、私はAKBにいられないんじゃないかと思って。でも、毎日一生懸命、輝こうと思いながら公演をやってきました」と喜びの涙。昨年は大健闘の8位で初の選抜入りを果たし、脚光を浴びた佐藤亜美菜は18位。「せっかく皆さんがチャンスを与えてくれたのに、その後は1回も選抜に入れなくて……」と悔しげ。だが、会場から「18位もすごいよ」と声が掛かると「ですよね。私は前向きじゃないところがいけない。今度こそチャンスを逃さないようにがんばります!」と切り替えていた。

 同じく順位を落とした小野恵令奈(15位)も「未熟でバカで鈍感だしお寝坊さんだし……大変な子ですけど、きれいな女性になりたいんです。そのときはAKBでセンターになれるくらいに」と飛躍を誓う。逆に、昨年の23位から13位へ躍進した高城亜樹は「去年は裏でずっと泣いていました。「ポニーテールとシュシュ」で初めて選抜に入っても、本当は認められていないと思っていたから、こんなにたくさんの投票をいただけて本当に嬉しいです」と目頭を押さえた。なお、この高城からは1万票台に突入。

 12位より上は新曲を歌うだけでなく、テレビ出演などプロモーション活動を担い、事実上AKB48の“顔”となるメディア選抜。11位には松井玲奈、10位には松井珠理奈とSKE48の2トップが続いた。昨年の29位から大きく上がった玲奈は「モヤシみたいな私に投票していただいて……」と涙を流しながら「1位を獲りたい、じゃなくて“おまえが1位になれ”と言われるような人になりたい」と叫んだ。

 “女性アイドル初のイケメンガール襲名”をマニフェストに掲げて9位に当選した宮澤佐江は「思い切り髪を短くして、男の子よりカッコよくなっちゃおうと思います!」と、まさに“男らしく”キッパリ宣言した。8位には柏木由紀。チームBのキャプテンとなり、ソロで多くの雑誌の表紙も飾って大躍進も期待されたが、順位的には昨年から1位の上昇に留まり、上位7人の顔ぶれは前回と変わらないことがほぼ確定した。やはり“神の7人”の牙城は鉄壁。残る興味はこの7人内での順位変動に移り、大きな波乱はないと思われたのだが……。

 7位、小嶋陽菜。6位、高橋みなみ。いずれも去年より順位を下げた。あまりの可愛さに“CG”と言われ、選挙戦で“CGレボリューション”を掲げた渡辺麻友が5位。渡辺は2万票越えをしたものの、昨年より順位がひとつ下がり、「うれしいです」と始めた挨拶も、途中から「でも悔しいです!絶対絶対次はもっと上の順位に入りたいです!」と、涙ながらに正直な想いを吐露した。

 変わって昨年の7位から4位に上がったのが板野友美。「不安でいっぱいだったけど、握手会でファンの方たちが“僕たちを信じて”と言ってくれたから、信じ続けていました」。3位は昨年と変わらず最年長24才の篠田麻里子。ポーカーフェイスがウリの彼女が嗚咽を漏らしながら「めったに緊張しないのに昨日は眠れなくて、朝のテレビの生放送に遅れて……。本当に5年やってきて良かったと思います」と語る姿は感動的だった。

 そして、ついに2位の発表。ここですべての順位が明らかになる。「第2位……3万851票……チームA所属、前田敦子!」。その瞬間、会場から大きなどよめきが沸き起こった。常にセンターを張ってきたAKB48の絶対的エース。昨年も、今年の速報と中間発表でも1位を保ち続けた彼女がついにトップから陥落……。

「負けず嫌いなので、正直悔しいです。でも、少しだけホッとしている自分がいます。私は1位という器ではないと思います。昨年1位をいただいて、AKBを引っ張って行かなきゃいけないと思ったけど……私にはうまくできなかったみたい」

 淡々と話す彼女に、会場から「そんなことないよー!」「あっちゃんがんばれー!」と声援が飛ぶ。
「今年はこの順位でがんばって行こうと思います。もしリベンジできるなら、もっとたくさんの方に認めていただいて、次は胸を張って堂々とメンバーを引っ張って行ける存在になりたいです」
 悔し涙をこらえながら話していたが、2位の席に座り、隣りの席の板野に肩を抱かれると涙が溢れ出した。

 会場が一種異様な空気に包まれたなか、1位の発表。「3万1448票、大島優子!」と呼ばれると、今度は大きな拍手が沸き起こる。深々とおじぎをして応える大島。万年2位だった彼女が、ついにトップに躍り出た。

「ウソのようです。秋元(康)さんにはいつも“おまえは期待値が高いから、それ以上のものが生まれてこない”と言われてきて。じゃあ、どこを伸ばせばMVPを獲れるのか、ずっと考えてきました。いつも2位としてやってきて、今年は下がるだろうと思っていたら、こんなに投票してもらって……」

 言葉に詰まりながら、抱えてきた思いを語っていく。確かに演技力、トーク力、スタイル……と屈指のものを持ちながら、あと一歩突き抜けなかった今までの彼女。だが1位を獲って「去年のように“背中を押してください”とは言いません。ついてきてください」と静かながら力強く言うと、割れんばかりの拍手と歓声でいっぱいに。その声援を受けて期待を噛みしめるように「AKB48が日本一のアイドルグループとしてずっと輝いていけるように、全員でもっともっと前に進んでいきます!」との宣言も飛び出した。

 昨年の初の総選挙では、アンダーガールズを含め選ばれたほぼ全員が喜びを口にした。しかし今年は、順位を下げて悔しさを率直に口にするメンバーが目立った。檀上でプロデューサーの秋元康氏も「大島以外の全員が悔しいはず。その気持ちを次のエネルギーにして、みんながんばって欲しい」と語っていたが、それこそがこの過酷な総選挙を行う意味だろう。押しも押されぬトップアイドルになったAKB48が、新たなセンターに大島優子を据えて、さらなら高みへと道を切り開いていくはずだ。
(文:斉藤貴志)
【過去の特集&インタビュー】
■シングル「ポニーテールとシュシュ」インタビュー
 『ポニーテールで夏ソング!水着撮影はハプニングも!?』(2010/05/26)

■特集『神曲たち』&横浜アリーナライブレポ
 『語り継がれるはず“伝説の神曲たち”&元気にハジケた横浜アリーナレポート!』(2010/04/07)

■シングル「桜の栞」特集
 『詩的な表現と合唱で卒業式のスタンダードに!?』(2010/02/17)

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