ミュージック インタビュー&コメント

ミュージックライブレポート
2009年12月04日
LIVE REPORT
桑田佳祐
AAAで繰り広げられた約3時間41曲、エンターテインメント性の高い魅惑のステージ!

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AAAの今年のテーマは『映画音楽』!
 音楽業界を中心に、エイズに対しひとりでも多くの人に関心を高めてもらうこと、正しい知識を持ってもらうことを目的に、93年よりスタートした啓発活動AAA(Act Against AIDS)。開始当初から、この活動に積極的に関わり続けていている桑田佳祐。96年以降は、ほぼ年に1回のペースで、パシフィコ横浜にて実にさまざまな趣向を凝らしたコンサートを行ってきた。ファンや音楽関係者の間では年末が近づくと、今年の桑田のAAAのテーマは何なのかが話題になるほど。

 そして今年も11月30日から12月2日までパシフィコ横浜国立大ホールで『桑田佳祐 Act Against AIDS 2009“映画音楽寅さん チャラン・ポランスキー監督・脚本・主演「男はしたいよ」”』が行われた。今年のテーマとして選んだのは『映画音楽』。“なるほど、こう来たか!”と思わせるテーマ設定。毎年、テーマに沿って非常に幅広い選曲と音楽性で観る者を感服させてくれるが、映画音楽というとより一層幅が広がり、映画で使われていれば映画音楽と称されるわけだから、音楽的なジャンルは関係ない。約3時間、41曲にわたって繰り広げられた魅惑のステージは、ジャズあり、ロックあり、フォークあり、ミュージカル音楽あり、さらにステージ上には、フルオーケストラありと、縦横無尽の音楽世界に包まれたのだった。

 そのすべてがとにかく素晴らしいものだったのだが、なかでもやはり白眉だったのはフルオーケストラをバックに演奏した曲の数々。007シリーズから「ロシアより愛をこめて」「ゴールドフィンガー」「死ぬのはやつらだ」のそれぞれテーマ曲。ミュージカル映画の最高傑作と目される「サウンド・オブ・ミュージック」の冒頭を飾った「The Sound of Music」、そしてゴッドファーザー「愛のテーマ」、さらにはこれは今回のタイトルならお約束の「男はつらいよ」。こんな名曲の数々を生演奏で、しかも桑田佳祐の歌で聴けるとはなんたる贅沢だろうか!桑田をはじめとして40人にもおよぶミュージシャン1人ひとりの演奏力はもちろんのこと、アンサンブルのアレンジの素晴らしさにも脱帽。そして、そんな音楽をさらに引き立たせる映像・照明といった演出の妙。これでもかと思わせる、総合芸術、エンタテイメントは圧巻。

 こんな文字数では語りつくせない、ものすごいステージを観てしまった、というのが偽らざる感想なのだが、感動ばかりもしていられない。他の先進国から取り残されつつあるというわが国におけるAIDSを取り巻く状況の悪化をこのイベントで知らされた。この素晴らしいショーに参加したことをきっかけに、自分もこの病気についての意識をしっかり持つこととしよう。
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