ミュージック インタビュー&コメント

ミュージックライブレポート
2009年12月02日
LIVE REPORT
清木場俊介
男だらけの“男祭”で魅せた熱すぎる夜

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清木場俊介と男たちが拳を突き上げ鳴らす、新しい戦いのゴング
 ここはプロボクシングの内藤大助vs亀田興毅戦の試合会場か?と錯覚を起こしそうになるほど見渡す限り、ずずずい〜っと男だらけ。が、彼らが羽織る赤と黒の“男祭”Tシャツを確認して、間違いなく清木場俊介のライブ『男祭 2009 初陣』の会場だと思い直す。この日、東京・赤坂BLITZに入場を許されたのは、取材陣、スタッフも含めて中学生以上の男性のみ。絶対女人禁制。当然、開演を知らせるウグイス嬢の声も太くて可愛げがない。客入れBGMのキャロル・ナンバーに混じって届く、妙なざわめきに気付いて周りを見渡すと、全員鋭い目つきで舞台を睨み付けていた。そして待ちきれないといった感じで野太い清木場コールが始まる。

 緊張した空気を切り裂くように、クイーンの「We Will Rock You」のイントロ。血を沸かせる<ズンズンチャ>に乗って、スカジャン姿の清木場が登場。試合開始のゴングに代わって、彼がドラを打ち鳴らし、祭りはスタートした。幕開けの「悲しきRock’n Roll」からフルスロットル状態。ペース配分なぞ知ったこっちゃねぇ、と言わんばかりに強いパンチを繰り出すのだが、挑戦者の観客もまた熱を全身で受け止め、拳を突き上げ続ける。続く「愚説」「さよなら愛しい人よ…」という男臭い曲が弾ける汗に照らされてやけに光っている。それは清木場の表情も同じく。あとで「ひさしぶりに10代の頃を思い出した」と話していた彼だが、愛しきすべての若き野郎どもと過ごすこのひと時が嬉しくて堪らないといった様子だ。

 MCタイムに入ると、「すげぇ…」と笑顔を浮かべながら、半ば呆れ気味に呟く姿も印象的。途中「サル」を作った理由について話していたけれど、下ネタもまたフルスロットル状態だったことを記しておこう。後半は怒涛のロックンロール大会へ突入。「祭りの後」「五日間……バックレよう」「唄い人」と熱いパフォーマンスが展開されていく(清木場のシャドウボクシングのポーズもビシッと決まっていた)。

 とにかく会場中に熱い握り拳がいっぱいで、宙を切り裂くたくさんの音が耳に飛び込んでくるのだ。懐かしい、これは確か遠い昔に見た祭りの光景…そんな感覚に浸っていると、エンディングの「クサレ…俺」が始まった。マイクなしで会場に向かって叫ぶ清木場。その心意気に応えるように、観客たちが大合唱を返す。ステージの幕に書かれた“魂とは叫び!魂とは唄い屋!”という想いを体現する清木場の芸に、みんな酔いしれていた。

 アンコールでは「やばいね、これ病み付きになるぞ」と話し出し、「40歳ぐらいには男だけで武道館だ。俺も頑張って辿り着けるようにする」と力強い宣言も飛び出した。そして「人間じゃろうが!」「今。」という強力な2曲で祭りは閉幕。締めはスタッフ全員がステージに現れて“ロック最高!”コールが行なわれた(そのあと清木場1人が登場してもう1回)。終演後、背中から湯気を昇らせながら会場を後にする野郎どもが、ヤクザ映画を観終えたあとみたく颯爽としていて、やけにカッコよかったっすよ。
(文:桑原シロー)
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