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若手作家の起用で広がる可能性「演歌・歌謡曲」の新潮流

 ここ最近の演歌・歌謡曲ランキングには、若手作家を起用した作品がちらほらと増えている。それも、若手からキャリアのある歌い手まで様々な楽曲を手がけている。一方で、歌い手として活躍しながら、自身も作家として作品を提供する若手も増えているようだ。

レーモンド松屋は、作詞・作曲した「夜明けのブルース」(FSEより12年4月25日発売)を五木ひろしに提供。累積11.4万枚のヒット作となった

レーモンド松屋は、作詞・作曲した「夜明けのブルース」(FSEより12年4月25日発売)を五木ひろしに提供。累積11.4万枚のヒット作となった

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 演歌の新たな創り手として期待される人材のなかには、新進の作詞家・作曲家の他に、現役歌手も含まれる。原譲二こと北島三郎吉幾三五木ひろしらの実績については今さら言うまでもないだろうが、最近では五木に「夜明けのブルース」を提供したレーモンド松屋が注目を集めている。

 同曲では「レーモンド色がいい具合に出ており、五木の歌声とぴたりとハマった」(ファイブスエンタテインメント 生田新一ディレクター)ことから従来の五木ファンに加えて若い層の支持も獲得、ヒットの要因となった。五木は続く「博多ア・ラ・モード」でも、レーモンド作品を取り上げており、その起用が五木に何をもたらし、また作家としてレーモンドが今後、他の歌手にもどのように作用していくのかも興味深い。

 先に名を挙げた4名の他にも、近年は藤あや子が、小野彩として冠二郎や祭小春に曲を提供しており、作家としての実績を着々と重ねているし、他の歌手への楽曲提供は行っていないものの、大沢桃子や紅晴美のように、演歌・歌謡曲の分野でシンガー・ソングライターとしての活動を続けるアーティストも台頭して、注目と期待を集めている。

 大沢は今年2月発売のデビュー10周年記念曲「ハマギクの花」に関し、『ORIGINALCONFIDENCE』13年2月25日号の取材で「節目を飾ることよりも、今歌いたい想いを込めることを考えて作りました」と話しているが、自ら詞や曲を書き歌うからこそ、作品にメッセージを込めやすいのだろう。こうした作品との距離感もまた、シンガー・ソングライターの利点の一つだとすれば、今後ほかの歌手への作品提供が行われた場合に、どのような効果を生むかといったあたりも楽しみになる。
(ORIGINAL CONFIDENCE 13年7月22日号掲載)

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  • レーモンド松屋は、作詞・作曲した「夜明けのブルース」(FSEより12年4月25日発売)を五木ひろしに提供。累積11.4万枚のヒット作となった
  • なかむら椿というペンネームで、シンガー・ソングライターとしても活動する大沢桃子
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