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【編集長の目っ!】Hemenwayという名の可能性
■Hemenwayという名の可能性
最近、良いバンドが増えてると思いませんか？90年代にデビューした先輩バンドや、もっと前にデビューした偉大な大先輩方の活躍が、しばらくのあいだ目立っていたけど、ここ数年、明らかに次世代のバンドが勢力を増し、シーンが盛り上がってきている。夏フェスも、そんなバンド達が火花を散らし、切磋琢磨する図で盛り上がっている気がする。
新人バンドのライブをチェックしに行くと、最近のバンドはみんなそこそこのクオリティで、それぞれ個性的で、イイ音を聴かせてくれる。正直しんどいバンドもたまにいるけど、それは“荒削り”という、そのバンドの良さを決して消さずに、可能性を感じさせてくれる言葉を“感じる”ようにしている。そんななか、先日、渋谷CLUB CRAWLというライブハウスで、久々に新人バンドのライブを観て“たまげた”。
Hemenway（ヘメンウェイ）。去年の11月にデビューして、そのウワサは聞いていたけどなかなか観る機会に恵まれず、遅ればせながらの初ライブで“たまげた”。上手すぎる！が第一印象。誰かの音だけが抜きん出て上手いのではなく、全員が圧倒的なテクを持っていて、それがひとつの音になって襲い掛かってくるから、その疾走感と存在感ある音にビックリした。ライブハウスでは収まりきらない感じ？それぐらい圧巻だった。
Hemenwayは、米・マサチューセッツ州ボストンの、バークリー音楽大学出身の4人組。Toshi(トシ)はドラムを、Charm(チャーム)はギターをそれぞれ大学で専攻し、ボーカルのIssac(アイザック)はソングライティングを、ベースのOgaching(オガチン)はベースとジャズコンポジションを学び、新人ながらそのポテンシャルの高さは誰もが認めるところ。2008年に卒業後、アメリカで音楽活動を続けていた韓国系アメリカ人の IsaacとCharmは、ジャパニーズ・ロック＆ポップスシーンに大いに影響を受け、日本での活動を目指し2010年に来日した。そこで大学の同級生だった日本人のToshiとOgachingと再会。Hemenwayを結成。バンド名は、大学近くの実在するストリートの名前で、4人とも大学時代にその周辺に住んでいたことからネーミングされた。
分厚くて、疾走感がある音に、切ないメロディが彼らの真骨頂。切ないメロディはやはり、日本のロック＆ポップスシーンの影響を色濃く受けたからか、非常にキャッチーだし耳馴染みがいい。そのメロディと言葉を、正確無比のリズムを刻み、かつ豪快なドラムと、重厚かつはっきりとした輪郭を描くベース、聴く者すべての耳を奪う超絶テクのギター、そして凛とした佇まいのなかから情熱がほとばしるボーカルとで、聴く側の心に届けてくる。アメリカで吸収した音楽の良いところはもちろん、そのままでも日本のマーケットにしっかりと対応した振り幅の広さというか、“何がやりたいのか”をはっきりと示してくれる器用さとクレバーさも持ち合わせている。
“バークリー出身で、超絶テク”とか書くと、どんなにストイックなバンドかと思うかもしれないけど、ライブではあまりの熱演に、その熱気で曇ってきたギター・Charmのメガネを、ボーカルのIssacが拭いてあげたりと、そんな笑いを誘うシーンもあったりする。
昨年11月にリリースしたデビューシングル「Listen」は、同曲の英語バージョンが海外14ヶ国で配信され、日本のバンドのデビューとしては異例だ。日本語、英語、韓国語の3ヶ国語を操る4人が見据える先は、アジアはもちろん世界であることは間違いない。当然、メロディに国境はないし、そのスケールの大きさと演奏力の高さには、大きな可能性を感じる。
そんな彼らの3rdシングル「Escape」が5月23日にリリースされた。この作品はMBS・TBS系アニメ『エウレカセブンAO』のオープニングテーマに起用されており、疾走感が心地良く、広がりを感じさせてくれるサウンドと、Issacの伸びやかなボーカルは、まるで広大な大地に差す光のような“希望”、“期待”といった前向きさを感じさせてくれる。
カップリングのアコースティックナンバー「ここにいない君へ」では、一転して美しいハーモニーを聴かせてくれたりと、バンドとしての器用さと表現力の幅の広さを感じさせてくれる。さらにCharmの超絶ギターが唸りまくる「Escape」のギターバージョンを収録し、しっかりとそのワザをアピール。このバンド、ただ者じゃないという感じが1枚を通して漂っている。
活況を呈すバンドシーンに現れた新星。そのポテンシャルの高さをライブでぜひ体感して欲しい。
⇒ 『編集長の目っ！！』過去記事一覧ページ
最近、良いバンドが増えてると思いませんか？90年代にデビューした先輩バンドや、もっと前にデビューした偉大な大先輩方の活躍が、しばらくのあいだ目立っていたけど、ここ数年、明らかに次世代のバンドが勢力を増し、シーンが盛り上がってきている。夏フェスも、そんなバンド達が火花を散らし、切磋琢磨する図で盛り上がっている気がする。
新人バンドのライブをチェックしに行くと、最近のバンドはみんなそこそこのクオリティで、それぞれ個性的で、イイ音を聴かせてくれる。正直しんどいバンドもたまにいるけど、それは“荒削り”という、そのバンドの良さを決して消さずに、可能性を感じさせてくれる言葉を“感じる”ようにしている。そんななか、先日、渋谷CLUB CRAWLというライブハウスで、久々に新人バンドのライブを観て“たまげた”。
Hemenway（ヘメンウェイ）。去年の11月にデビューして、そのウワサは聞いていたけどなかなか観る機会に恵まれず、遅ればせながらの初ライブで“たまげた”。上手すぎる！が第一印象。誰かの音だけが抜きん出て上手いのではなく、全員が圧倒的なテクを持っていて、それがひとつの音になって襲い掛かってくるから、その疾走感と存在感ある音にビックリした。ライブハウスでは収まりきらない感じ？それぐらい圧巻だった。
Hemenwayは、米・マサチューセッツ州ボストンの、バークリー音楽大学出身の4人組。Toshi(トシ)はドラムを、Charm(チャーム)はギターをそれぞれ大学で専攻し、ボーカルのIssac(アイザック)はソングライティングを、ベースのOgaching(オガチン)はベースとジャズコンポジションを学び、新人ながらそのポテンシャルの高さは誰もが認めるところ。2008年に卒業後、アメリカで音楽活動を続けていた韓国系アメリカ人の IsaacとCharmは、ジャパニーズ・ロック＆ポップスシーンに大いに影響を受け、日本での活動を目指し2010年に来日した。そこで大学の同級生だった日本人のToshiとOgachingと再会。Hemenwayを結成。バンド名は、大学近くの実在するストリートの名前で、4人とも大学時代にその周辺に住んでいたことからネーミングされた。
分厚くて、疾走感がある音に、切ないメロディが彼らの真骨頂。切ないメロディはやはり、日本のロック＆ポップスシーンの影響を色濃く受けたからか、非常にキャッチーだし耳馴染みがいい。そのメロディと言葉を、正確無比のリズムを刻み、かつ豪快なドラムと、重厚かつはっきりとした輪郭を描くベース、聴く者すべての耳を奪う超絶テクのギター、そして凛とした佇まいのなかから情熱がほとばしるボーカルとで、聴く側の心に届けてくる。アメリカで吸収した音楽の良いところはもちろん、そのままでも日本のマーケットにしっかりと対応した振り幅の広さというか、“何がやりたいのか”をはっきりと示してくれる器用さとクレバーさも持ち合わせている。
“バークリー出身で、超絶テク”とか書くと、どんなにストイックなバンドかと思うかもしれないけど、ライブではあまりの熱演に、その熱気で曇ってきたギター・Charmのメガネを、ボーカルのIssacが拭いてあげたりと、そんな笑いを誘うシーンもあったりする。
昨年11月にリリースしたデビューシングル「Listen」は、同曲の英語バージョンが海外14ヶ国で配信され、日本のバンドのデビューとしては異例だ。日本語、英語、韓国語の3ヶ国語を操る4人が見据える先は、アジアはもちろん世界であることは間違いない。当然、メロディに国境はないし、そのスケールの大きさと演奏力の高さには、大きな可能性を感じる。
そんな彼らの3rdシングル「Escape」が5月23日にリリースされた。この作品はMBS・TBS系アニメ『エウレカセブンAO』のオープニングテーマに起用されており、疾走感が心地良く、広がりを感じさせてくれるサウンドと、Issacの伸びやかなボーカルは、まるで広大な大地に差す光のような“希望”、“期待”といった前向きさを感じさせてくれる。
カップリングのアコースティックナンバー「ここにいない君へ」では、一転して美しいハーモニーを聴かせてくれたりと、バンドとしての器用さと表現力の幅の広さを感じさせてくれる。さらにCharmの超絶ギターが唸りまくる「Escape」のギターバージョンを収録し、しっかりとそのワザをアピール。このバンド、ただ者じゃないという感じが1枚を通して漂っている。
活況を呈すバンドシーンに現れた新星。そのポテンシャルの高さをライブでぜひ体感して欲しい。
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2012/05/23
