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老若男女の心をキャッチ〜怒髪天、ファン層拡大の理由

 ここ最近、結成28年目の4人組バンド・怒髪天が話題を集めている。単独ライブは回数を重ねるごとに規模が拡大。10代から60代という幅広い層からファンを獲得しているという。テイチクエンタテインメントの佐々倉弘美氏は、ライブそのものをプロモーションツールとしたことで、様々なコラボが実現できたと語る。

老若男女の心をキャッチする怒髪天

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 桃屋のCMに3作連続で起用されたことなどから、結成28年目にして一般への認知度が急上昇している怒髪天。平均年齢45歳にして、年間90本ものライブを行うほか、様々な企画に参加するなど、彼らの動きはめまぐるしい。この数年、アーティスト担当として怒髪天を支えてきたテイチクエンタテインメント宣伝部・佐々倉弘美氏に現状を聞いた。

「ライブそのものがプロモーション材料になるほど、ライブを重視して活動しています。たとえば「Neo-JAPANESE STANDARD」という3デイズでは、3日とも会場を替え、それぞれ日本のロック・流行歌・キャバレーと内容のコンセプトも変えたことで話題を集めました」

 その3デイズはアーティスト側からのアイデア。怒髪天の軽やかなフットワークと様々な活動には、5人目のメンバーとも呼ぶべき事務所のチーフマネージャーも大きな役割を果たしているのだという。

「彼は様々なアイデアを私たちに投げてくれます。ライブ会場のスケジュールを含めて少なくとも2年先のことまで常に考えていますね。レコード会社的には、既成概念にどうしても囚われてしまう面もありますが、より自由な発想でコンセプトを練ることができています」

 どんなに突飛なアイデアでも“これはないよね”で終わらず、常に代替案や突破口を探しながら実現の可能性を探る。そこからユニークな活動=コンテンツが増えていくという。

■触れた人々を巻き込んでいく“人間力”の高いバンド

 ライブDVDを映画館で上映する有料イベント“フィルムギグ”は、昨年テイチクエンタテインメント内に新設されたクロスマーケティング室からの提案。「怒髪天とそのファンならおもしろがってくれそう」という読み通り、イベントは大成功だった。シングル発売日に合わせてニコニコ生放送でアルバムの試聴会を行えば数千人単位で視聴されるなど、話題は尽きない。ライブには20〜30代の男女半々を中心に、10代から60代まで幅広い層が集い、バンドにとって理想的ともいえる状況だ。

「次の課題はパッケージ売上へのリンク。売上はゆるやかな右肩上がりのカーブですが、確実にファン層が広がっている実感はあります。最新アルバムは、そうした新しいファンも一緒に歌えて、長く聴いてもらえるような粒ぞろいの楽曲群を凝縮しています」

 ラジオ・雑誌のインタビューはもちろん、地方でのインストアなども細かく動き、ひたすら丁寧に対応し続ける。その誠実な姿勢とライブパフォーマンスの力強さに感銘を受ける業界関係者、レコード店スタッフ、若いバンドも多い。桃屋のCMを手がけた箭内道彦氏もそのひとり。

「桃屋のスタッフや広告代理店の方がライブに来て常連になってくれることも。怒髪天は触れた人たちを巻き込んでいくパワーというか、厚みのある人間力のようなものを備えているんだと思います」

 予習なしにたまたまフェスで観た人々を、いつのまにか固定ファンに変えてしまう。ゆるやかな右肩上がりのカーブがどこまで高く伸びるのか。楽しみながら見守りたい。

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