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【編集長の目っ!】“なるほど!”の、ガルネクのベスト盤

 どの曲を聴いても、耳馴染みがいい、キャッチーなメロディーが印象的で、“懐かしさと新しさが同居している”ところが、共通点――girl next doorの初のベスト盤『SINGLE COLLECTION』を聴いた第一印象だ。ということは“いい曲”が多いということだ。

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 ガルネクは2008年に“Produced by avex trax”という名のもとに、ド派手なデビューを飾った。会社全体でプロデュース、大プッシュするというそのド派手な売り方に、「強引な売り方だ」とか、批判的な声があったのも確かだ。でも会社を挙げて売ろうと思わせたのは、やはり3人の才能に大いなる可能性を感じ、会社を本気にさせたからだろうし、デビュー曲の「偶然の確率」は純粋にいい曲だったと思う。食わず嫌いじゃないけど、色々な情報を耳するにつけ、先入観だけでガルネクの音楽、ハウスサウンドは嫌い、そう判断、断定して聴いてないという人も多いのではないだろうか?

 そこで、冒頭の文章につながる。

 先入観なしで聴いてみたほうがいい。メロディメーカーの鈴木大輔が作るメロディは、どこか“懐かしい”肌触りを感じさせてくれ、でも新鮮さも忘れてはいない。新鮮さを感じさせてくれる大きな要因になっているのが、ボーカル千紗の声であり、ギター井上裕治のアグレッシブな中にも温かさを感じさせてくれるギターなんだと思う。

 倖田來未や東方神起ほか、数多くのアーティストのヒット曲を作り上げているメロディメーカー、そしてきちっと歌って踊れるボーカリスト、スタジオミュージシャンやライブサポートの経験を持ち抜群のテクニックを誇るギタリスト、この3人が文字通り“偶然の確率”で出会い、それまでにはなかった新鮮なガルネクの音楽が完成するわけだ。

 ガルネクの顔・千紗(Vo)が書く、等身大の詞もガルネクの曲には欠かせない。エイベックス20周年の節目の年に、会社を挙げて取り組んだ大型ユニットのボーカルにいきなり抜擢された……そう聞くとシンデレラストーリー的な、ラッキーガールのようなイメージがあるかもしれない。違う。彼女は非常に苦労している。ダンサーを夢見て、必死にレッスンを重ね、オーディションに何度も落ち、でも夢をあきらめずに来る日も来る日もレッスン。アルバイトをしながらレッスン。長く辛い道のりを歩んできてるからこそ、伝わる言葉だと思う。それは彼女のダンスもそうだ。決して付け焼刃ではない、継続してきたからこそそれが力となった本物のダンスだ。そして天真爛漫、素晴らしい笑顔で歌う千紗。夢をあきらめずに人一倍努力してきたからこその“説得力がある笑顔”だ。

 そう考えると、プロ中のプロが集まったユニットであり、『SINGLE COLLECTION』に収録されている曲が、どれもクオリティが高いこともうなずける。そしてライブパフォーマンスの評判が高いことも同様にうなずける。

 現在ガルネクは、“Best Collection”と題したライブハウスツアーを敢行中だ。どこかで一度は耳にしたことがある彼らの作品ばかりを、ライブハウスで聴けるというのはちょっと贅沢だ。

 観に行ってみよう。

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