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長澤まさみ、無愛想貫き“ミスキャスト”の汚名返上 『コクリコ坂から』完成披露会見

 スタジオジブリのアニメーション映画最新作『コクリコ坂から』(7月16日公開)の完成披露会見が4日、横浜・ホテルニューグランドで行われ、声優を務めた女優の長澤まさみV6岡田准一、宮崎吾朗監督、鈴木敏夫プロデューサーが出席した。制作中は進行が遅れに遅れ、「どうなるのか本当に心配だった。完成して、披露できて心より喜んでいます」と安堵の表情の鈴木プロデューサーは、「まさみちゃんも最初はミスキャストだと思った」とポロリ。長澤は苦笑いし、「私に求められたことは無愛想(な声)でした」とアフレコ時の様子を語った。

映画『コクリコ坂から』の完成披露会見に出席した長澤まさみ (C)ORICON DD inc. 

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 同作は、東京オリンピック開催の前年1963年の横浜を舞台に、まっすぐに生きる高校生の少女・海(うみ)と少年・俊が出会い、心を通わせていく青春物語。1980年に少女マンガ雑誌『なかよし』(講談社)に連載されていた高橋千尋、佐山哲郎による同名マンガを原作に、シナリオを吾朗監督の父・宮崎駿が書き下ろした。

 会見の冒頭、「小さいころからジブリの作品が大好き」という長澤は、「まさか自分がジブリの作品の、それも主人公の声を担当できるとは。びっくりしたし、楽しんで海を演じることができたなと思っています」と笑顔であいさつ。ところが、アフレコ時には「あまりにも張り切り過ぎて、声を張ってセリフを言っていたら、監督から『そんなんじゃない』と言われてしまった…」と痛烈にダメ出しされたことを告白。

 半日ほど悩んだ吾朗監督は長澤に「普通にしゃべってみて」と要求。長澤が普段しゃべるようにセリフを言ったところ、監督は「これだ!」と思ったという。「テーマもキャラクターも手探りで、ずっと確信を持てないでいたが、長澤さんのぶっきらぼうな感じの声を聞いた瞬間に、海ちゃんができた。岡田さんが演じた俊くんも同じで、2人がいなかったら今の形にならなかった」と吾朗監督。

 長澤が「どんどん無愛想でやってくれと。私に求められたことは無愛想でした」と複雑な表情を見せると、岡田も「海ちゃんが無愛想なので、俊くんは不器用な感じでと、求められた。高倉健さんみたいな感じでって(笑)。CMで『不器用』と言っていただけで、高倉さん自身が不器用ってわけでもないだろうから、途中で混乱した」と苦労話に便乗した。

 鈴木プロデューサーはそんな生みの苦しみを語る長澤たちを微笑ましそうに見ながら「女性は本来、愛嬌を振りまくものじゃない。無愛想なほうが魅力がある。男性も小器用にいろんなことやるもんじゃない。不器用に何とか伝えようとするほうがいいってことがよくわかった」と満足げに話していた。

 出来上がった作品を観て、宮崎駿監督は「もっとオレを脅かしてみろ」と言ったという。それを伝え聞いた吾朗監督は、「僕は思わず、『死ぬなよ』って答えてしまった」。父・宮崎駿について吾朗監督は「父はすごい人なので、追いつけない。延々と追いつかないんだろうな。映画がほぼ完成に近づいたときに思ったのは、父が描いたポスターの海ちゃんは、理想の女の子なんだ、と改めて思った。でも、僕が描くと(どこかに)いそうな女の子になる。僕に向いているのはそういう世界なんだろう。普通の人が主人公の作品をまた作れればと思った」と話していた。

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  • 映画『コクリコ坂から』の完成披露会見に出席した宮崎吾朗監督 (C)ORICON DD inc. 
  • 映画『コクリコ坂から』の完成披露会見に出席した鈴木敏夫プロデューサー (C)ORICON DD inc. 

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