女優の浅丘ルリ子（70）、倍賞美津子（64）、山本陽子（67）が6日、都内で行われた映画『デンデラ』（天願大介監督、6月25日公開）の完成披露試写会で舞台あいさつを行った。今年の1月から2月にかけて、記録的な豪雪に見舞われた庄内地方で撮影していた作品。浅丘は「撮影に入った1月10日はマイナス11度でした。寒いというより痛かったです。約100人のスタッフと、女ばかり50人の出演者と、この撮影に参加できたことは幸せなことでした。（撮影が終わって）やってよかったといま、しみじみ思っています」と万感の思いを語った。

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　同作は、天願監督の父で映画監督の故・今村昌平さんが監督し、カンヌ国際映画祭で最高賞のパルム・ドールを受賞した『楢山節考』で描いた姥捨山（うばすてやま）伝説の、その後の物語。姥捨山に捨てられた女性たちが生き伸びて、“デンデラ”と呼ばれる集落で助け合いながら暮らし、それぞれの生をまっとうする姿を描く。浅丘が演じるカユは70歳を迎え、姥捨山に捨てられたばかりの“新参者”。賠償は89歳のマサリ役、山本は85歳のヒカリ役にそれぞれ扮した。

　浅丘は「監督のカットの声がかかると5、6人のスタッフが寄ってきて、私のことを暖めてくれた。皆さんの温かい気持ちもいただいて、ちっとも寒くなかった」と、真冬の大雪の中での撮影を振り返って感謝。今となっては、「皆さん、カイロを貼るのが上手になって。最多は草笛光子さんの20個以上だったかしら」（賠償）、「私は寒さに強い人なので5、6枚で大丈夫でした」（山本）と、笑い話と自慢話になるばかり。撮影中、総勢50人の女優陣が使用したカイロは約2万5000個に及んだという。

　熟女トークはさらに盛り上がり、浅丘は「クマと殺陣のようなことをするシーンも、自分でやりました。皆さんも、3食しっかりお食べになって、誰も風邪も引かず、すごいパワーでした」。賠償は「夜の撮影は雪景色がライトアップされて、本当にキレイだったんですよ。プロフェッショナルな女優たちに囲まれて嬉しかった」。山本も「撮影の合間、テントの中で、しりとりをやったり、過酷というより束の間の喜びと、自然の美しさ、普段見られない世界を見ることができて大満足です」。

　こうした過酷な撮影を敢行した“張本人”の天願監督は、女優陣の話を隣りで聞きながら「女の人はすごいなって思いました。僕は寒かったです」とタジタジだった。

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