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アイドル映画にイノベーション 映画『もしドラ』田中誠監督

 昨年一番売れた本『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(岩崎夏海著、ダイヤモンド社刊)を、今をときめくAKB48前田敦子主演で映画化。“企画ものでは?”という記者からの問いに、田中誠監督は「人気絶頂のアイドルが主演する映画ということで、作品の方向性に先入観を持つ映画ファンもいるかと思うけど、そこはいい意味で裏切ってみせます」と答えた。映画は、あす6月4日(土)より全国で公開される。

映画『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』の田中誠監督 (C)ORICON DD inc.  

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 弱小野球部のマネージャーになった女子高校生・川島みなみ(前田)が、経営学の父と呼ばれるドラッカーの名著『マネジメント』に出合い、“甲子園出場”という目標に挑む物語。映画では「真摯に、ひたむきに」というセリフが何度も繰り返されるが、「『マネジメント』は単なる経営書にとどまらず、人がどう生きるべきかを語っていると思う。日本で受けている理由もそこにある」と田中監督。

 公開日までのスケジュールがタイトで撮影日数が限られていたことと、真冬の1月、2月に“夏服”で撮影する厳しさはあったものの、主演の前田に対しての不安はなかった。

 「彼女の映画デビュー作『あしたの私のつくり方』(市川準監督、2007年)を見ていたので、お芝居はできる子だと確信していた。特別扱いは一切なし。初日から容赦なくハイペースで撮りましたけど、本人も全く動じていませんでした」という。

 劇中、みなみがバッターボックスに立つシーンがある。「撮影上の都合で、右のバッターボックスに立って欲しいと注文した。あっちゃんは左利きなんだけど、『バットを握ったことがないので、右でも左でもどちらでもいいです』って。ほんの数時間、素振りの練習をしただけで、元高校球児の中山光一カメラマンが『うまいね』と納得するところまで持って行っちゃう。瀬戸康史くんもピッチャーになりきっていたけど、やはり芸能界の第一線で活躍するコたちは違いますね」。

 野球映画として、甲子園を目指す地方大会の模様も臨場感たっぷりに描いた。「みなみに影響されて、やる気のない部員たちや監督が変化し、成長していく姿は、物語の重要な要素。一人ひとりが自分の役割を真摯に考えて行動すること、身の回りレベルからイノベーションを試みていくことが大事だと、ドラッカーの『マネジメント』は教えてくれた。それは、大震災を経験した私たちが、今、学ばなければいけないと感じていることでもあるし、野球部員たちがケースワークとして実践して見せることで、観客一人ひとりが“自分にもできる”と思ってもらえたら嬉しい」。

 「原作をリスペクトして、真摯に向き合うことに努めたら、映画のセオリーからはちょっと外れた風変わりな構成になった」と田中監督。「“映画なんだからいいでしょ”と、ストーリーを勝手にねじ曲げ、ルーティーンなヤマ場を作ったり陳腐な恋愛シーンを入れたりせず、原作の中のいいシーンだけを生かしてつないでいった。イノベーションを狙っていたわけではないんですが…、けっこうな冒険をしている」と笑う。

 それだけでなく、「あっちゃんとみいちゃん(峯岸みなみ)の2ショットシーンもきちんと作りました。ファンから期待されているものもある程度見せないと」と言える程の余裕もある。「冒険していることを観客に覚られずに、新鮮な感動を与えることができたら、この映画は大成功」と語っていた。

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  • 映画『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』の田中誠監督 (C)ORICON DD inc.  
  • (C)2011「もしドラ」製作委員会 
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