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東映映画2作品大幅値下げ、1000円均一料金で公開

 映画配給大手の東映が、6月25日(土)公開の『デンデラ』(天願大介監督)、7月16日(土)公開の『大鹿村騒動記』(阪本順治監督)の2作品を、通常の入場料金1800円から大幅に“値下げ”した1000円均一料金で劇場公開することを決定した。シネコンのTOHOシネマズが4月以降、一部の店舗で新料金をテスト導入するのに続いて、東映も映画料金に対する施策を打ってきた。

映画『大鹿村騒動記』(左)と『デンデラ』は、1000円均一料金で劇場公開される 

映画『大鹿村騒動記』(左)と『デンデラ』は、1000円均一料金で劇場公開される 

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 今回1000円興行を実施する2作品は、『デンデラ』が浅丘ルリ子倍賞美津子山本陽子草笛光子、『大鹿村騒動記』が原田芳雄、大楠道代、岸部一徳といった、ベテラン俳優を中心にしたキャスティングで、大人向けの完成度の高い作品になるものと期待されている。

 この2作品の制作会社・セディックインターナショナルが、“生きる”という共通のテーマをもつ両作品のセット配給及び宣伝を東映に持ちかけたところ、具体的な施策として動員の中心に想定されるシニア層のみならず、30代、40代、50代の観客にも訴求する1000円興行のアイデアが浮上。東映側がこれを受け入れ、大幅値下げの決定に至った。

 こうした背景には、ヒット映画が出にくく、市場そのものが拡大しているとはいえない厳しい現実がある。2010年は過去最高の2200億円超の興行収入を記録し、“活況”といわれた映画興行界だが、156億円の『アバター』をはじめ、100億円超のメガヒットが3作品もあり、若者に支持されたイベントムービーといわれる超大作・話題作がマスとしての観客動員を稼ぐ傾向が目立った。昨年公開された邦画408本のうち、興収10億円超のヒット作は29作品で、前年より5作品減。しかし、興収の合計は847億円で前年より14億円増えており、40億円以上の大ヒット作が支えたかっこうだ。

 一方で、往年の名画を特集上映する『午前十時の映画祭』(TOHOシネマズ)の試みは、シニア層を呼び込んで一定の成果をあげ、2月5日より2シーズン目に入る。今後の市場動向を考える上で、東映側は「若者をターゲットにした作品だけでなく、シニアを含む大人に向けた良質な作品を提供するなど、サービスとプログラムの拡充に努めることが急務」と考える。

 『デンデラ』は、貧しい村の口減らしのため老人を山に棄てる姥捨山伝説をベースに、棄てられた老女たちが、過酷な環境下で生き永らえ、強くたくましく生きる姿を描く。復讐を誓う者、静かな暮らしを願う者、移住を望む者など、棄てられたことで自由を手に入れた老女たちの“青春”群像劇だ。また『大鹿村騒動記』は長野県の奥深い山村、大鹿村に伝わる伝統の村歌舞伎を題材にして、悲喜こもごもの物語が軽妙なタッチで描かれる。

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