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沖縄返還を実現させた「核密約」を初ドラマ化

 太平洋戦争中、日本で唯一の地上戦を経験し、長年アメリカ領土とされた沖縄が日本に返還されたのは1972年(昭和47年)5月。時の総理大臣・佐藤榮作の“非核三原則”によるアメリカとの交渉実現は世界から評価されたが、実は返還が実現した最大の要因は両国間で取り交わされた“核密約”だった。長年に渡り隠されてきた史実がスペシャルドラマ『総理の密使 〜核密約42年目の真実』(2月21日・後9時〜 TBS系)として初めてドラマ化されることが26日、わかった。ドキュメンタリーを織り交ぜた同作は主演に俳優・三上博史を起用。秘密合意文書を取り交わした国際政治学者・岩泉敬を軸に、知られざる沖縄返還の「本当の歴史」が明らかになる。

主人公・若泉敬を演じる三上博史 (C)TBS系 

主人公・若泉敬を演じる三上博史 (C)TBS系 

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 1960年代の冷戦時、旧ソ連と核開発競争中のアメリカにとって、核兵器の貯蔵庫として“基地”的役割を担っていた沖縄。だが、佐藤総理が“核兵器を作らず、持たず、持ち込ませず”で知られる「非核三原則」を提唱し、72年に日本領土へと返還された。その功績は世界に認められ、74年に佐藤総理はノーベル平和賞を受賞。しかし、裏側では佐藤総理とアメリカのニクソン大統領の間で「有事に際しては、沖縄へ核兵器の再持ち込みを認める」という密約が交わされ、返還実現に奔走した密使・若泉敬の存在があった。

 昭和という時代を生き抜き、歴史の中に埋もれていくはずだった闇の史実を書籍化し白日の下にさらした若泉敬という人物をドラマ化するにあたり、同局では1996年に他界した若泉の関係者に取材を敢行。秘密交渉の軌道と若泉自身の葛藤や苦悩を時代背景とともに浮き彫りにしていく。北朝鮮の核開発疑惑などによって、より切迫したものとなっている日本の危機管理。そして返還後も普天間基地問題に見られるような沖縄の負担など、外交戦略なき今の日本に一石投じるドラマとなりそうだ。

 今回のスペシャルドラマは「TBSテレビ特別企画 シリーズ激動の昭和」の1つ。過去にビートたけし主演の『あの戦争は何だったのか 〜日米開戦と東条英機〜』や『最後の赤紙配達人 〜悲劇の“召集令状”64年目の真実〜』など、昭和史のさまざまな局面を放送し世間から高い評価を得てきた同シリーズ。今回も日本政府のタブーに触れる作品なだけに、どのような波紋を呼ぶのか放送後の視聴者の反応も気になるところだ。

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  • 主人公・若泉敬を演じる三上博史 (C)TBS系 
  • 総理大臣・佐藤榮作には津川雅彦(右)と三上 (C)TBS系 

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