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三谷幸喜、来年1年間に新作7本 50歳の節目に「恩返しのつもり」

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 脚本・演出家の三谷幸喜が22日、都内で会見し、2011年に自ら手掛ける作品ラインナップを発表した。来年の誕生日(7月8日)に50歳の節目を迎える三谷は、来年1年間を“三谷幸喜大感謝祭”と銘打ち、舞台4本、ドラマ1本、映画1本、小説1冊の計7本の新作を世に送り出す。舞台、ドラマ、映画はすべて脚本・演出両方を手がけ、小説は20年ぶりの書き下ろし。「たまたま、重なった」と聖徳太子のような同時進行ぶりだが、「自分がこれまでに影響を受けたテレビや映画、舞台や本への僕なりの恩返しのつもり」と話した。

「お誕生日会みたいなものは苦手」と言いつつ、生誕50周年記念スペシャル企画を発表した三谷幸喜 (C)ORICON DD inc. 

「お誕生日会みたいなものは苦手」と言いつつ、生誕50周年記念スペシャル企画を発表した三谷幸喜 (C)ORICON DD inc. 

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 舞台は来年1月7日に東京芸術劇場で初日を迎える舞台『ろくでなし啄木』を皮切りに、『国民の映画』、『ベッジ・パードン』、『90ミニッツ』の4本。いずれも「コメディではなく、人間の本質に切り込んだ作品をやってみたい」という意欲作。

 『ろくでなし〜』は石川啄木の素顔を探る文芸ミステリーで、俳優・藤原竜也、中村勘太郎、吹石一恵が出演。『国民〜』は三谷が長年温めてきた映画のプロデューサーを題材にした企画で、ナチス政権下のドイツ舞台に、理想の映画を作ろうとする宣伝省の大臣ゲッベルスとドイツの映画人たちの物語。『ベッジ〜』は狂言師・野村萬斎が出演する現代劇。英ロンドンに留学した後の文豪・夏目漱石の引きこもり生活を題材にした作品で、女優・深津絵里が共演。『90ミニッツ』は、『笑いの大学』(1996年、1998年)の西村雅彦、近藤芳正のために新たに書き下ろす二人芝居。まだ構想の段階だが、「一切のお笑いを封印し、手に汗握る緊迫した90分間を作ってみたい」と話した。

 一方、映像作品のドラマと映画ではコメディの本領を発揮する。WOWOW開局20周年ドラマ『ウォーキング・トーキング』は、山道で迷ったある夫婦が麓の駅まで歩く道中の会話劇。「演劇と映像のドッキング。1ヶ月しっかり稽古して、本番一発撮りの冒険をしてみようかな」と手法、内容とも新たな可能性を探る。映画『ステキな金縛り』は、人生のどん詰まりに立たされた弁護士(深津)と落ち武者幽霊(西田敏行)の奇妙な友情を描くファンタジー・法廷サスペンス・コメディ。現在、撮影の真っ最中で来年秋に公開される。

 20年ぶりの書き下ろし小説『KIYOSU』は、本能寺の変の後、織田信長の後継者を決める清洲会議の全貌を描いた歴史モノ。三谷は「武将版『十二人の怒れる男』。いずれ、これが映画になるといいな」。

 こうした新作ラッシュに三谷を駆り立てたのは、50歳という節目が大きく影響している。「今後、何歳まで自分が仕事を続けていけるかと思うと不安にはなるし、すごく焦る。書けるうちにいっぱいやっておこうと、年々そう思う」と話したのは、本音だろう。しかし、1年間に他分野にわたって7本もの新作を発表できる作家がそうそういるわけではない。三谷もその幸運を受け止めながら、「同じ事の繰り返しをやっているという思いがある反面、ここまでブレずにやってこられた自負、誇りがある」と力強く話した。「自己顕示欲は強いほうでない」と言いながら、イラストレーターの和田誠が手がけたロゴマークを用意して、やる気満々だ。


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  • 和田誠によるロゴマーク 

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