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廉価ブルーレイ作品、なぜ2500円?

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 高画質・高音質・大容量が売りのBlu-ray Disc(以下BD)。4月中旬にソニー・ピクチャーズ エンタテインメント ホームエンタテイメント(SPEH)がBD作品の価格を、同社の通常の4980円から2500円に大幅に下げた。時を同じくして、ワーナー・ホーム・ビデオも新作BDはDVDとセットにして3980円、準新作以降のBD作品は2500円の新価格で発売するようになった。20世紀フォックスホームエンターテイメントも7月2日より旧作から準新作まで59タイトルを2500円で販売する。なぜ、2500円なのか。SPEH社セールス・マーケティング本部マーケティング部笠井高志統括ディレクターに聞いた。

タワーレコード新宿店ではBD商品棚がこの半年あまりで3倍に増えたという (C)ORICON DD inc. 

タワーレコード新宿店ではBD商品棚がこの半年あまりで3倍に増えたという (C)ORICON DD inc. 

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 メーカーにとってはDVDの売り上げが減少する中で、BDは救世主と言っていい存在だ。しかし、BDの市場はBDハードの普及に比べるとBDソフトの、特に旧作の作品に関しては、伸び悩んでいるのが現状。同社が独自に実施したユーザー調査によると、「BDハードを持っていながら、DVDとの価格差の問題と、実際に買ったことがなく、その品質の差がよく分からないという理由でBDではなく、DVDを買っている人が非常に多い、ということが分かりました」(笠井氏)。

 いまや1本1000円前後で安売りされているDVDに対し、5000円ちかいBDはそもそも高すぎた…ということ。厳しい経済環境の中で、消費者は商品の価格に対してシビアにならざるを得ない。同じ調査では「BDとDVDの価格差が1000円の差であれば買いたいという人が45%。500円差であれば買いたいという人が80%という回答を得ました」とのこと。メーカーが考える適正価格と消費者が望む適正価格のせめぎ合いの末、はじき出された価格がどうやら2500円だったわけだ。

 「今回のキャンペーンは、“単なる値下げ”や“低価格競争の幕開け”ではなく、“BDの高画質高音質の魅力を多くの人に広め、BDを選んでもらいやすくし、手元に置いておきたい”と思っていただけるものを提案していくというのが最大の目的。景気の面では、ビデオ(VHS)からDVDに移行した当時は、期間限定で価格が安いというだけで衝動買いをするユーザー比率も高かった。しかし今は、欲しくても買えない時代です。加えて、コンテンツを楽しむスタイルも大きく変わりつつあります。リビングで映像を楽しむという、これまでの決まったスタイルだけでなく、PCや携帯電話など、色々なデバイスでエンターテイメントが楽しめる状況になっています」と楽観はしていない。

 4月16日に第1弾として、『ターミネーター4』『天使と悪魔』など人気旧作85タイトル、オリコンのBDランキングで50位以内に5タイトルがランクインするなど、まずまずの成果を見せている(4月26日付・集計期間4月12日〜18日)。5月26日には第2弾として、『アイアンマン』『スパイダーマン3』『バイオハザードIII』などの作品を含む39タイトルを発売した。

◆タワーレコードではメーカー問わず厳選500タイトルを2500円均一で販売

 ソフトメーカーばかりでなく、販売店も独自に値下げキャンペーンを行っている。音楽・映像ソフト販売大手のタワーレコードでは、6月22日から同社が選んだ名作ブルーレイ約500タイトルを2500円(税込)均一で販売するキャンペーンを行う。今年に入り『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』(1月27発売)や『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破EVANGELION:2.22 YOU CAN (NOT) ADVANCE.』(5月26日発売)など、BD版の売り上げ好調なタイトルが続出。「BDのハイクオリティを体験したお客様に、旧作BDを手に取りやすい価格で提供し、BDの普及を加速させたい」(新宿店・福田慎治さん)と意気込む。

 「ブルーレイハードの普及率も年内に25%程度と言われています。地デジ化に伴ってハイビジョン映像の高画質を楽しめるテレビやレコーダーへの買い替えが進めば、レコードがCDに入れ替わったような感覚で、DVDではなくBDが当たり前の時代になると思います」(同)と本格的なBD時代の到来を確信する。『タワレコ、ブルーレイ宣言』キャンペーンは8月29日まで実施。

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