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筒井康隆の「“時をかける少女”は金を稼ぐ少女」に主演・仲里依紗が苦笑い

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 青春映画の“金字塔”と言われ、実写とアニメあわせて4度目の映画化となる女優・仲里依紗主演の映画『時をかける少女』(谷口正晃監督)の公開を記念して27日、東京・新宿ピカデリーで新旧3作品を一挙上映する『時かけ映画祭』が開催された。上映前には仲(20)と谷口監督(43)、原作者・筒井康隆氏(75)、さらには1983年に最初に映画化した大林宣彦監督(71)が顔を揃えてのトークショーも行われた。3倍年の離れたSF小説と映画界、ふたりの巨匠の貫禄に終始、気圧されそうな仲は、筒井氏の「『時をかける少女』は私にとっては金を稼ぐ少女。映画化されるたびに本がバカ売れする」というブラックジョークに苦笑いするのがやっと。筒井氏は「4度目の映画化だが、川端康成の『伊豆の踊り子』の6回には及ばない」と今後のさらなる映画化に期待を寄せていた。

映画『時をかける少女』公開記念『時かけ映画祭』のトークショーに出席した仲里依紗 (C)ORICON DD inc. 

映画『時をかける少女』公開記念『時かけ映画祭』のトークショーに出席した仲里依紗 (C)ORICON DD inc. 

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 『時をかける少女』は1965年に筒井氏が発表したティーン向けSF短編小説が原作。1983年に大林監督が女優・原田知世主演で映画化して大ヒットした。1997年には角川春樹氏が監督を務め、中本奈奈主演で再映画化。2006年には細野守監督がアニメーションで映画化した。実写版としては3度目となる谷口監督の最新作には、原作の芳山和子の一人娘・あかりが主人公として登場。仲が演じる2010年の現代に生きるあかりが、母の初恋の人・深町一夫に会うために1970年代へタイム・リープ(一種の時空移動現象)して、出会うはずのなかった人との淡く切ない恋を描く。

 2006年版のアニメ声優に続いて、今度は実写『時かけ』の主人公を任された仲は「2回連続でヒロインをやることになって、自分はすごく嬉しかったけど、『時かけ』ファンにどう思われるのか、不安でしたが、がむしゃらにやりました」と完売御礼となった満席の観客の様子をうかがった。さらに、「大林監督の『時かけ』は自分の両親の青春映画。アニメ版、2010年版と毎回ヒロインは違うけど、それがこの作品の魅力なのかな。原作は1つなのに、どこにでもどんどんストーリーが広がっていく。いろんな想像を膨らませることができてすごい」と語り、「懐かしい感じもしつつ、すごく新しい。昔からのファンにも、初めて『時かけ』を観る人にも楽しんでもらえる作品になったと思う」と自信をのぞかせた。

 『時かけ』映画の原点を作った大林監督は、実に13分間にわたって一気に自らの思いを語りつくし、「角川春樹さんから原田知世のために1本映画を作ってくれと依頼され、筒井さんの原作を渡された。タイトルがいいなと思いましたね。でも、僕はSFの要素をそぎ落として、大変革させた物語にしたつもりだったが、それが本格になってしまった」と27年前を振り返った。

 さらに、「僕の『時かけ』は米国で大ヒットした『ある愛の詩』(1970年)という映画と同じ構図で作った。その当時の若者が笑ってバカにしそうなほど、世にも古色蒼然とした(愛に殉じるという意味で)“殉愛”物語の中に、あの時代が戻ってきたらという切実な願いを呼び起こして泣いてもらえるようにしたかった」と同作のノスタルジーを解き明かすヒントとともに、谷口監督の最新作を「私の『時かけ』も含めて映画にしてくれた。作品のオマージュというよりパロディ。笑いながら涙が出た」と絶賛した。

 谷口監督は「ビックタイトルの作品にかかわれて光栄の極み。(過去の作品の)ファンの方たちの宝物を傷つけないよう、丁寧に大事に思って撮りました。前作をリスペクトしたい気持ちと、2010年版ならではの魅力もった作品にするチャレンジ、両方を持って作りました」と緊張気味に語っていた。

 仲里依紗主演の映画『時をかける少女』は3月13日より全国公開。

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  • 映画『時をかける少女』公開記念『時かけ映画祭』のトークショーに出席した仲里依紗 (C)ORICON DD inc. 
  • 映画『時をかける少女』の公開記念『時かけ映画祭』に出演した(左から)谷口正晃監督、仲里依紗、SF小説家・筒井康隆氏、大林宣彦監督 (C)ORICON DD inc. 
  • 仲里依紗のトークの模様 (C)ORICON DD inc. 
  • 映画『時をかける少女』の公開記念『時かけ映画祭』に出演した(左から)SF小説家・筒井康隆氏、大林宣彦監督 (C)ORICON DD inc. 
  • 映画『時をかける少女』の公開記念『時かけ映画祭』に出演した谷口正晃監督 (C)ORICON DD inc. 

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