女優の前田敦子（22）が時代劇で初ヒロインを演じることが17日、わかった。9月19日にスタートするNHKの時代劇新シリーズ第1弾『あさきゆめみし〜八百屋お七異聞』（毎週木曜　後8：00、全10回）で、有名な「八百屋お七の放火事件」のお七役を演じる。

【写真】その他の写真を見る

　初恋の人・吉三を救うため、自ら罪人となる悲劇のヒロインを演じる前田は「お七という女の子は自分の気持ちに素直に生きている女の子なので、その一途な想いというものをまっすぐに表現出来たらいいなと思います」と意気込み十分。「『八百屋お七』を知らない若い人達にもぜひ観てほしい」と時代劇の復興のために一役買う。制作統括の小松昌代氏も「可憐なお七が、愛を知り、女性として変わっていく様を今までに見たことのない前田敦子さんで見たい」と期待を寄せている。

　井原西鶴の『好色五人女』に取り上げられたことで広く知られることとなった「八百屋お七の放火事件」。八百屋お七の悲しい恋物語を題材に、今作の脚本を手がけるジェームス三木氏は「放火事件は冤罪だった」という創作や脚色を加え、わが身をかけて純愛を貫くお七を切なく、狂おしく描く。

　演出は大河ドラマ『天と地と』（1969年）、『大地の子』（1995年）、『海峡』（2007年）などの岡崎栄氏（83）に任せ、前田との年の差61歳のタッグで平成のお七を作り上げる。共演は吉三役に池松壮亮、父・喜兵衛役に中村雅俊、母・お房役に竹下景子が出演。

　NHKでは、大河ドラマと双璧をなす娯楽時代劇を長年放送してきたが、2011年3月をもって総合テレビ（地上波）での放送が終了。同年4月からBSプレミアム（衛星放送チャンネル）の『BS時代劇』枠で新作の制作、放送を続けてきた。『BS時代劇』の作品が総合テレビで放送されることはあったが、新作時代劇シリーズが総合テレビに登場するのは約2年半ぶりとなる。