日本最古の歌舞伎劇場である京都・南座で16日、7月スタートの新作アニメ『有頂天家族』の先行上映イベントが行われた。同所でアニメの催しがあるのは初めて。花道やせり出しから主演の櫻井孝宏をはじめ人気声優たちが浴衣姿で登場すると、3階席までぎっしり埋まった約1000人の観客から黄色い声援が上がった。

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　同アニメは、森見登美彦氏の同名小説が原作。京都を舞台に、狸と天狗と人間が入り乱れて繰り広げる波乱万丈のコメディーで、狸界の頭領であった父・総一郎が狸鍋にされてしまった下鴨家の四兄弟と母の家族愛を描く。

　出席したのは、主人公・下鴨一家の三男である矢三郎役の櫻井、長男・矢一郎役の諏訪部順一、カエルの姿をした次男・矢二郎役の吉野裕行、四男・矢四郎役の中原麻衣、妖艶な美女・弁天役の能登麻美子ら声優陣。原作者、吉原正行監督、アニメ制作会社P.A.WORKSの堀川憲司代表ら制作陣。『京都国際マンガ・アニメフェア（京まふ）』などで、マンガ・アニメでの地域振興をはかっている京都市の産業観光局長・白須正氏と、京都府のPRキャラクター・まゆまろも駆けつけてイベントを盛り上げた。

　第1話の先行上映後、森見氏は「アニメ版を観て、京都の町が美しく、作品の中に引き込まれました」と賛辞を送り、「学生の頃、京都にいたのですが、たまたま狸が走っていったのを見て、いずれ書きたいなと思っていたんです。自分の青春とはかなり違いますが、他の作品と比べて特別な作品なんです」と感慨深げ。

　吉原監督は「原作を読んだ時に思ったのは『これアニメにするの？　大変だな』と。原作ファンとの共有できる画面をどう作ろうかと考えて、１ヶ月くらいロケハンして、取材写真は１万枚を超えたと思います。期待してください」と呼びかけていた。

　『有頂天家族』放送情報。TOKYO MX、KBS京都、サンテレビ（7月7日スタート、毎週日曜　後10：00）、BS11 （7月9日スタート、毎週火曜　深0：00）、キッズステーション（7月10日スタート、毎週水曜　深0：00）、KNB北日本放送（7月10日スタート、毎週水曜　深1：58）、バンダイチャンネルにて配信もあり。