2011年4月から9月にかけて全25話が放送されたアニメ『TIGER＆BUNNY』。完全オリジナル作品でありながらアニメファンから一般層まで厚い支持を受け、いよいよ劇場版『TIGER＆BUNNY-The Beginning-』がきょう22日、全国公開された。

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　メインキャラクターのワイルドタイガーこと鏑木・T・虎徹役の声優・平田広明も「企業広告を背負って戦う社会人ヒーローという異色の設定で、これ面白いんじゃないかなと思ったけれど、ここまで受け入れてもらえるのはびっくりでした」と話す。

　テレビで放送された時期も東日本大震災直後、放送形態も地上波ではMBS（毎日放送）とTOKYO MXの2局のみの深夜枠で、USTREAMでの同時ネット配信の試みも「夜中にネットでアニメを観るの？と半信半疑だった」と平田。蓋を開けてみれば、ネット上の口コミで視聴者が加速度的に増加し、初回の総視聴者（ユニークユーザー）は約3000人だったところ、最終25話はなんと10万人近い総視聴者数を記録した。

　平田は「放送が始まってから何が起きたのか、いまだに分析しきれていないところはありますね。作り手側には絶対に面白いものになるという思いはあったので、人気が出てホッとしましたし、ちょっと盛り上がり過ぎじゃない〜。嬉しいことではありますが、ここまでの人気は想像つかなかったですね」と語る。

　物語の舞台は、さまざまな人種、民族、そして「NEXT」と呼ばれる特殊能力者が共存し、その能力を駆使し街の平和を守る『スーパーヒーロー』が存在する都市シュテルンビルト。この街でヒーロー達は、スポンサーロゴを背負って、企業のイメージアップとヒーローポイントを獲得するため、事件解決や人命救助に奔走している。

　平田が担当するワイルドタイガーもその中の一人。5分間だけすべての身体能力が100倍になるハンドレッドパワーの持ち主。現在ではピークが過ぎたと世間に評価され、徐々に人気が衰えていく中、ついには自分と全く同じ能力を持った新人バーナビー・ブルックスJr.（声・森田成一）とコンビを組まされる羽目になる。

　舞台版『TIGER ＆ BUNNY THE LIVE』でリアルに虎徹を演じた平田は「虎徹はとても真っ直ぐで、誤解されることもあるが、根本的に天性の人から愛されるキャラ。小細工なしに、虎徹になった気になってセリフを言うだけで、虎徹になれました。『ワイルドに咆えるぜ!!』という決めセリフも心地いいが、僕もギャグが好きなので、くだらないことを言ったり、やったりしている時が一番虎徹らしくて、演じていても気持ちがいい」。

　仕事も私生活も崖っぷちのベテラン・タイガーと有能だが扱いにくい新人バーナビー、好対照な2人が対立しながらも悪に立ち向かうストーリーは、バディヒーローアクションとしての普遍的な面白さが満載で、誰でも肩の力を抜いて楽しめるのが魅力。

　近々公開される劇場版は、テレビシリーズ第1話・第2話をベースに大幅な新作カットを投入し、テレビでは描かれなかったストーリーを織り込んだハイブリッドエピソードで、初めてのファンには入門編として、テレビからのファンには新たな発見のあるイベントムービーとして楽しめる内容となっている。

　平田は「何も考えずに観てもらえれば、きっと何かしらはまる要素はあると思う。劇場版からご覧になった方は、後できっとTVシリーズのDVDを観たくなっちゃうと思うけどね〜。劇場版第2弾（2013年公開）の話につながる予告的なものがあるのかないのか。劇場でお待ちしております」とアピールした。

　劇場版『TIGER＆BUNNY-The Beginning-』は9月22日より全国公開。