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NHK『平清盛』現状打開へ 今後は映像と人物関係を明瞭に

 NHK大河ドラマ『平清盛』が、4月22日放送の第16回「さらば父上」で第1部が完結。主人公・清盛の出生の秘密から始まり、平氏の血筋ではない清盛を嫡男として手厚く育ててきた忠盛が、死期を悟って次期棟梁に、清盛を正式に指名したところまでが描かれた。同29日の第17回「平氏の棟梁」から始まる第2部では、平氏の棟梁になった清盛が保元・平治の乱を経て、武士の頂点に立つまでを描いていく。

4月29日放送『平清盛』第17回「平氏の棟梁(りょう)」のワンシーン。棟梁となった清盛(松山ケンイチ)を朝廷にお披露目する歌会が開かれる(C)NHK

4月29日放送『平清盛』第17回「平氏の棟梁(りょう)」のワンシーン。棟梁となった清盛(松山ケンイチ)を朝廷にお披露目する歌会が開かれる(C)NHK

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 第16回までの平均視聴率は14.5%と伸び悩む中、第2部の製作状況や見どころをチーフプロデューサーの磯智明氏は「野球で言えば3回の表裏が終わったところ。清盛のドラマはこれから。よりわかりやすい時代に入っていきますので、娯楽作品として楽しめるようになっていくと思う」と今後のみどころを語った。

 今回の『平清盛』では、平安末期の荒廃したホコリ臭い時代を表現するため、『龍馬伝』(2010年)にならってコーンスターチの煙をたき、細部までこだわった演出を敢行。ところが、初回放送直後に、物語の舞台の一つである兵庫県の井戸敏三知事が「画面が薄汚れている」と苦言を呈したのをはじめ、視聴率低迷の原因と一つとして「映像が見にくい」とたびたび取り沙汰されてきた。

 磯氏は「リアルさを残しつつ、映像上の明暗のコントラストなど、演出とは別に調整できる点は技術的に改良を重ねている。清盛らの服装面でも、平氏の家のランクが上がってきたことで、身なりも綺麗になってきている。第1回と第16回を比較しても、だいぶ映像的に見やすくなっていると思う」と善処していることを強調。

 また、この時代の登場人物だが、一般的に馴染みが薄く、人間関係も複雑でわかりにくいという点についても「問題点として認識している。番組の冒頭に1分間の解説コーナーつけて対応。途中から観る人のためにも、主要な登場人物の名前もテロップで入れたり、配慮していく」と、今後も工夫していく考え。

 「平家物語」のアンチヒーローのイメージが強い平清盛に、新たな光をあて、 躍動感とエネルギーにあふれるヒーローとして、そのサクセスストーリー描くと言っていたわりに、これまでの放送では、松山ケンイチ演じる清盛の存在感が薄いと指摘する声もある。

 磯プロデューサーは「第2部の保元・平治の乱を乗り越えて、清盛がたったひとりの勝者になっていくところを描くために、さまざまな人間群像を丁寧に描いてきた」と弁明し、「今後は、清盛を中心に一つの線にまとまってきて、いろいろなことが腑に落ちてくる展開になるだろう。第2部では堂々とした棟梁ぶりで風格も出てきているし、清盛像と松山さんらしさが発揮されていくのはこれから」と、今後の展開に自信をのぞかせた。

 また、松山に対しては「(視聴率低迷の)責任は感じていると思うが、ドラマを引っ張っている棟梁でもあるし、一生懸命ですよ。現場に若い役者が増えている中、ムードメーカーになって前向きにやってくれている」とねぎらった。

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