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【インタビュー前篇】“ベネチア新人賞”で注目の若手女優・二階堂ふみ「受賞はグリコのおまけ」

 鬼才・園子温監督の最新作『ヒミズ』(公開中)でヒロインを演じた注目の若手女優・二階堂ふみ(17)が、初のフォトブック『進級できるかな。』(講談社)の発売にあわせてORICON STYLEのインタビューに登場した。昨年に同映画で日本人初のベネチア映画祭新人賞を受賞し、大々的に取り上げられた“海外で日本人初の快挙”は果たしてどんな変化をもたらしたのか? 思春期真っただ中を生きているからこその率直な“大人”への気持ちを明かした彼女が、危うさと瑞々しさから放つ“内側”に迫る。

ベネチアでの受賞は「グリコのおまけ」と語った、二階堂ふみの真意とは? (C)ORICON DD.inc

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 「大人ってやだな。そうはなりたくはないなと思いました」。受賞から数ヶ月が経ち、周囲の変化を尋ねられると、二階堂は淡々と話しはじめた。「私にとってベネチア(の受賞)は有り難いことの1つだけど、“グリコのおまけ”のような、ご褒美みたいなもの。むしろ園監督の現場に行けたことがすごいんです。あの映画を見て『何を感じたか?』という話を聞ける方が、何倍もうれしいのに……。大人からの質問はその賞に関してばかり」と、受賞当時のいささか偏った取材に少し困惑気味だった胸の内を吐露する。

 「とある雑誌はそれまで私にまったく興味が無かったのに、受賞の後で急に『興味があります』と言われて。そういうの嫌だなって率直に感じました。けど、みんなそうなんだろうな」と、自分を取り巻く環境の変化を、怒りでもなく悲しみでもなく、1つの事実として静かに語った。

 しかし、撮影現場で得たものは大きかったようだ。「現地では海外の記者に(東日本大)震災のことを聞かれたりして、映画は社会性のある作品ではないけれど、あの非日常の中でもがき続けたモノだったり、爆発させた“何か”を感じ取ってもらえたんだな。それを知る事が出来て感動しましたし、素晴らしい経験になりました(笑)」。未熟さと無垢さゆえに傷ついているばかりではなく、彼女がいう“大人”たちが考えるよりも、はるかに心の深い部分で作品と関わり、また冷静に自分を見つめているようだ。

 女優として今後も映画の現場に参加し続けたいという想いを明かす二階堂は、「こう見せたいとか、ああ見せたいとか『見せ方』にはこだわってますが、『見られ方』にはこだわりません」とキッパリ。その一方で「感謝の気持ちは忘れないです。忘れたくない。園監督が話して下さった『謙虚で志は高く』という言葉とその意味を忘れずに、心からそうありたいなって思っています」と笑顔をのぞかせた。

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  • 【インタビューカット】
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  • 初のフォトブック『進級できるかな。』(講談社)を発売した二階堂ふみ (C)ORICON DD.inc
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