俳優・阿部寛主演の映画『麒麟の翼　劇場版・新参者』（土井裕泰監督、2012年1月28日公開）の製作報告会見が都内で行われ28日、新垣結衣、溝端淳平ら主要キャストが出席した。同作は人気ミステリー作家・東野圭吾の作品に登場するキャラクター・加賀恭一郎が活躍する小説シリーズの一作を映画化。2010年の連続ドラマ『新参者』、2011年1月3日放送のスペシャルドラマ『赤い指』（ともにTBS系）に続く、“阿部寛×加賀恭一郎”シリーズ第3作目となる。

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　事件の真相を探る刑事の加賀を演じる阿部と、容疑者の恋人役でシリーズ初参加の新垣は、2005年のドラマ『ドラゴン桜』（TBS系）以来約6年ぶりの再共演。新垣が「私のことを覚えていてくれたのが、嬉しかったです」と話すと、阿部は「本当にすっかり立派に成長されて…、芝居もね、上手になったなって。難しい役どころだったと思うが繊細に表現されていましたね」としみじみ。溝端が「なんだか父親のようですよ」と茶々を入れると、新垣が「前は先生だったんですよね」とフォローしていた。

　ドラマシリーズから3作連続出演の溝端は「阿部さんが何を考えているか、背中でわかるようになった。今日の背中は『溝端、俺は幸せだぞ』と語っていた」と阿部を慕うと、阿部も「常に見ているんですよね。加賀と松宮の関係みたいになってきた」と相思相愛ぶりをみせた。

　「阿部さんの役に対してのアプローチの仕方とか、現場への入り方とか、言葉でアドバイスするのではなく、背中で勉強しろと言ってくれているような気がして…」とさらに熱くなる溝端を、阿部が「かゆいからやめてください」とさえぎり、溝端が「僕が褒めるとかゆいっていうんですよ。でも、この辺でやめておきます」と素直に引き下がり、名コンビっぷりを見せつけていた。

　中井貴一演じる被害者の長男・青柳悠人役で出演する松坂桃李も「阿部さんや中井さんから学ぶものがたくさんあった。現場での立ち姿とか、役への取り組み方とか、見習わなければいけないな、ありがとうございます」と、阿部のほうを向きながら丁寧に話した。阿部は「これはかゆくない。心がこもっているから」と溝端に背中を向けてコメントし、会場の笑いを誘った。

　完成した作品について阿部は「家族を大事に思っていても、歯車が狂って、それが伝わらない事は多々あると思う。そんな誰にでも起こりうることから事件は起きます。みんなで力を出し切って作り上げた極上のミステリーを楽しんでほしい」と自信たっぷり。

　溝端は「去年の夏ですが、親父と喧嘩してしまったことがあった。何か伝えたいことがあると話しかけてきたが、恥ずかしくて聞かなかったんですね。今回の物語はそんな自分と重なる部分があって、ちょっと考え方が変わった。今年の正月は親といっぱい話をしたいと思います」とホロリとさせたが、阿部には「年賀状出せよ」と諭されていた。

　会見にはほかに山崎努演じる加賀の父・隆正を看取った看護師・金森登紀子役の田中麗奈、新垣演じる香織の恋人で、今回の事件の容疑者・八島冬樹役の三浦貴大、悠人の中学時代の後輩で、現在消息不明の吉永友之役の菅田将暉、土井監督が出席した。