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福士誠治、戦争映画は「役者として通る道」 『日輪の遺産』に出演

 『鉄道員(ぽっぽや)』『地下鉄(メトロ)に乗って』などの作家・浅田次郎原作の映画『日輪の遺産』(佐々部清監督)が27日(土)より公開される。「マッカーサーの財宝を秘密裏に隠匿する」という歴史に隠されたミステリーから始まる物語に登場する3人の軍人の一人、東京帝大を主席で卒業した大蔵省のエリート・小泉中尉を演じた俳優の福士誠治。「日本人に生まれ、役者をやっていく以上、戦争映画は確実に通る道だと思っていた」と話す。

映画『日輪の遺産』に出演する福士誠治 (C)ORICON DD in 

映画『日輪の遺産』に出演する福士誠治 (C)ORICON DD in 

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 1945年8月、敗戦前夜。帝国陸軍が奪取した時価200兆円にも及ぶ マッカーサーの財宝を極秘で隠蔽する任務を命じられた軍人たちと、そうとは知らずに作業に呼集された20人の少女の運命を描く。

 「戦場で兵士たちが戦っていたり、戦車や戦闘機が出てくるような戦争シーンはほとんどなくて、戦争に巻き込まれた人たちを描いた作品。台本を読んだり、撮影現場にいた時よりも、映像からみんなの気持ちがあふれ出ていて、途中からずっと泣いていました」。

 映画の冒頭で描かれるのは、現代の日本。年老いた当時の女学生の一人・久枝が「今まで隠してきた」過去を回想する形で進められる。知られざる、戦争に巻き込まれた人たちが何を思い、どう生きたか…。それは、原作者の、映画の作り手側の、観客の“想像”にすぎないのかもしれないが、“悲劇”だけではすまされない、「日本の未来のために」という強い思いが心に応える。

 福士も「戦争がいいか悪いかではなく、史実として、歴史の中に確かにいた人々の生き様を、映画というものづくりを通して伝えることに意義があると思いたい。今も戦争は終わっていないはずだし、今回の大震災も忘れてはいけないことだし。人間の生きた証、生きることを諦めちゃいけない精神を、映画を通して、伝えられるなら伝えていきたい」と話す。

 佐々部監督の『チルソクの夏』で映画デビューし、今年10年目。「ゼロの状態の自分を知っている監督なので、『変わっていない』と言われたらどうしようと、緊張した」と冗談交じりに言う。今回はメインキャストの一角を担う。佐々部監督が小泉役に「直線的でまっさらな感じが出てくれればいい」と福士の起用を熱望し、年も若い設定に変えた。「監督の期待を一つでも二つでも超えることができたらと思っていたら、現場が楽しくて仕方なかった」と振り返る。

 「デビュー作で佐々部監督に出会ったことがファインプレーだった。ものづくりに対する真面目さ、現場の楽しさ、監督に教えてもらったことが、今の自分の根底にあって、この10年、腐らず役者を続けてこられた。最近、ますます役者が面白くなってきた」。

 同作では七三分けに丸メガネ、インテリ軍人姿がよく似合う。「見た人が似合うと言ってくださるのは光栄。顔つきも役作りで変わるけど、見た目からでも感情移入してもらえると嬉しいですね。ま、もともと、顔が昔顔なんですが」と笑った。

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  • 映画『日輪の遺産』に出演する福士誠治 (C)ORICON DD in 
  • 終戦間近、帝国陸軍の真柴少佐(堺雅人)、小泉中尉(福士誠治)、望月曹長(中村獅童)の3人にある重大な密命が下る 
  • 極秘任務遂行のために招集された20人の女学生たち (C)2011「日輪の遺産」製作委員 
  • 女学生を引率する教師・野口役で出演するユースケ・サンタマリア (C)2011「日輪の遺産」製作委員 
  • 20人の女学生の一人・久枝(八千草薫)が孫(麻生久美子)に封印してきた当時のことを語りだす(C)2011「日輪の遺産」製作委員 

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