2010年度の『プロ野球ドラフト会議 supported by TOSHIBA』（新人選手選択会議）が28日、東京・グランドプリンスホテル新高輪で行われ、今ドラフトの目玉の1人としてその行方が注目されていた早大・斎藤佑樹投手の契約交渉権を北海道日本ハムが獲得した。東京ヤクルト、千葉ロッテ、福岡ソフトバンクとの4球団競合の末『交渉権確定』のクジを引き当てた藤井純一球団社長は右腕を力強く突きあげた。その瞬間会場には、詰め掛けた1000人のファンと関係者のどよめきが鳴り響いた。

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　「信じられない・・・」。“恋人＝斎藤投手”との交渉権獲得に藤井球団社長は興奮を隠し切れない。クジがなかなか開かないという場面もあったが、これを「ハラハラドキドキしました。周りが違う（外れ）ということだったので、もしかしたら僕かなと思いドキドキしました」と振り返り、「（斎藤投手は）高校時代から素晴らしい投手ですし、北海道道民のみなさまから喜んでもらえると思っています」と、満足そうに語った。

　また梨田昌孝監督（北海道日本ハム）は、斎藤投手を迎えるにあたって「楽しみ。大学の時のも見てるからね。なんかドキドキ、ワクワク。照れくさい気もするね」。その魅力を「三振が取れるところ。スライダーもあるしね」と語った。また甲子園を沸かせた東北楽天・田中将大投手との名勝負が同一リーグで再現されることも期待されるが、これには「無理してぶつけはしないけど、たまたまそうなればね。あとは星野監督に聞いてよ」と答えていた。

　また155キロの速球を武器に“大学球界NO.1ストッパー”の呼び声が高い早大・大石達也投手は、6球団（横浜、東北楽天、広島、オリックス、阪神、埼玉西武）から1位指名を受け、埼玉西武が交渉権を獲得した。昨年（競合の末に菊池雄星投手を獲得）に続き、強運ぶりを発揮した渡辺久信監督（埼玉西武）は「本当に信じられないです。怖いです」と大喜び。「入団してくれたあかつきにはしっかり育てていきたいです」と力を込め、昨年は「運命」と答えていた“現在の心境”を、今年は「衝撃です」と語った。

　MAX157キロを誇り即戦力として期待される中大・澤村拓一投手は巨人が単独1位指名。かねてより“相思相愛”と伝えられている両者の願いが結実した。原辰徳監督（巨人）は「いいドラフト、いいスタートを切ることができましたね。うまい具合にというか、単独指名の状況を願っていた。（球団関係者）全員が、歓喜に包まれましたね」と充実の表情。澤村投手については「オーソドックスに体全体を使って投げて、バランスが取れたいい選手」と評価し、「なんだか縁を感じるね。（本人が単独指名に）感激してたって？ 相思相愛で入れる選手もそういないので、その感激を宝物に頑張ってほしい」とプロ入り後の活躍に期待を込めた。なお今シーズンのセ・リーグを制した中日も単独1位指名で、佛教大・大野雄大投手との交渉権を手中に収めた。

◆以下は全12球団の1位指名選手（※交渉権確定）

中日：大野雄大投手（佛教大）、阪神：榎田大樹投手（東京ガス）、巨人：澤村拓一投手（中大）、東京ヤクルト：山田哲人内野手（履正社高）、広島：福井優也投手（早大）、横浜：須田幸太投手（JFE東日本）

福岡ソフトバンク：山下斐紹捕手（習志野高）、埼玉西武：大石達也投手（早大）、千葉ロッテ：伊志嶺翔大外野手（東海大）、北海道日本ハム：斎藤佑樹投手（早大）、オリックス：後藤駿太外野手（前橋商高）、東北楽天：塩見貴洋投手（八戸大）