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これが売れなきゃクビ…崖っぷちバンドの“平凡ソング”

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ミュージックビデオ「ハローワーク」

 結成8年を迎える4人組ロックバンド・アンダー ザ カウンターが29日に発売したニューシングル「ハローワーク」が、動画投稿サイトなどで静かな話題を呼んでいる。ストレートな楽曲タイトルそのままに、バイトと2足のワラジを履かざるを得ない日々。泣かず飛ばずの崖っぷち、所属レーベルからも「これがヒットしなければ契約打ち切り」と後がない。彼らが最後に綴った“何の変哲もない日常”は、ミュージックビデオを提供している動画投稿サイトでも共感コメントがずらりと並ぶ。

UNDER THE COUNTER 

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 何が悪いわけでもない、けれど特筆すべき点もない。チャンスにも恵まれない。それを“運”でひと括りにしたら希望がない。明確な勝ち負けの基準もない。世の中はそんな“才能”であふれている。メジャーデビューして2社を渡り歩いても「食っていけない」彼らが最後に書いた曲が、そんな人々から自然と共感を集めた。

 2002年に結成し、05年にメジャーデビュー。日本クラウンからシングル3枚、アルバム2枚を出して昨年、ユニバーサルミュージックに移籍。間もなく1年が経とうとしているが、状況は変わらない。ボーカル兼ギターの関谷謙太郎は酒屋、ギターの吉村洋平はレストランの皿洗い、ベースの大隅知宇はレンタルビデオ屋、紅一点のドラム・山脇祐湖は事務手伝いで生計を立てる。

 山脇が「バンドを組んでからデビューするまで、またデビューしてからも状況には凄く恵まれていた」のに結果を残せていないと自分たちへの歯がゆさを口にすれば、関谷が「仕事中レジを打ちながら、段ボールを潰しながら、時々ふと『いつまでこの生活続くんだろな』と正直思ったりもします」と本音をのぞかせながら詞を書き上げた。

 吉村は「正直、必死です」と力を込めたあと、「夢や理想を持つことは素晴らしいことだけど、それだけでは上手く行かないのも現実」と冷静な分析を続けた。悲観ばかりでは前に進めない、追いかけるだけの夢があれば進むしかない。バンドリーダーの大隈は、自分達の置かれた状況や日々頑張る人たちに対し「辛くてたいへんなこともあるけど、まんざらでもない日々」を“泣き”のメロディに託した。

 8月26日にはニューアルバム『DON’T LOOK BACK』を発売。最後の最後で火がつきつつある、彼らのラストチャンスだ。


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