2011年08月20日 16時21分
『第35回モントリオール世界映画祭』に参加した映画『アントキノイノチ』主演の岡田将生と榮倉奈々、瀬々敬久監督
岡田将生&榮倉奈々が「ボンジュール」 モントリオール映画祭で記者会見
カナダ・モントリオールで開催中の『第35回モントリオール世界映画祭』で現地時間19日午後(日本時間20日午前)、ワールド・コンペティション部門に正式出品の映画『アントキノイノチ』の瀬々敬久監督、主演の
岡田将生、
榮倉奈々が記者会見およびプレミア上映会に出席した。フランス語で「Bonjour(ボンジュール/こんにちは)」とあいさつした榮倉は「すごく緊張していますが楽しんで帰りたい」と笑顔。現地記者からの鋭い指摘にも堂々と自分の意見を返していた。
同作の海外版タイトルは『Life Back Then』。シンガー・ソングライターのさだまさしが2009年に発表した同名小説が原作。過去のある事件から心を閉ざしてしまった若い男女が、“遺品整理業”という命と向き合う仕事を通して、生きる勇気を取り戻していく物語。プレス向けの試写会では、カナダにはない“遺品整理業”という仕事や、同作が描く孤独や死についての考え方に興味を示す声も聞こえた。
会見では、岡田と榮倉に対して「今までの日本のドラマを見ると言葉が多く、言葉でいろいろ伝えようとしているように思えるが、本作ではあまり言葉を使わず、言わないことで何かを伝えようとしているように見えたが、苦労したのでは?」という鋭い質問も浴びせられ、岡田は「僕自身も言葉にすればすぐに伝わるのにと思っているのですが、今回は言葉に出せない役柄で、とても苦労しました。僕の表情で伝わっているのか、毎日毎日監督に確認していました」。
榮倉は「確かに言葉で表してしまえば伝わりやすいし、言葉での切り返しが多い子供や家族で楽しむコメディドラマはひとつのエンタテインメントとして私自身も大好きです。でも、やっぱり自分たちの生活の中では、育った環境や今ある状況によって同じ単語でも違った意味に伝わることはあると思いますし、言葉や行動がすべてではないと思っています。だからたくさんの人に伝えるのはすごく難しいと思いました」と答えた。
記者から「モントリオールのイノチ」(モントリオールの人々を引き付けるという意味で)と称賛された瀬々監督は、「2000年代に入っての最大の悲劇には9.11があると思います。最近では日本でも津波という大きな災害がありました。それは、僕たちの誰が悪いわけでもないのに、突然起こった災害でした。僕たちはこういう世の中に生きているのだと考えています。そういった厳しい現実、暴力的な世界がありますが、そういう中でもより良く生きたいと常に思っていますし、実際に生きていこうと思っているのが人生だと思います。これからは憎しみの連鎖が繋がるのではなく、命が繋がっていくことをテーマにしたいと思いました」と作品に込めた思いを語っていた。