「日本のお母さん」と親しまれてきた女優の池内淳子さん（享年76）の『お別れの会』が4日、都内ホテルで営まれ、発起人の女優・長山藍子（69）、赤木春恵（86）ら約800人が故人を偲んだ。「気配り上手」で、肺腺がんを患っていたことをあまり口外しなかったという池内さんとの突然の別れに、涙する俳優仲間も多く、舞台で夫婦役を演じた宇津井健らも報道陣の前で目頭を押さえた。以下は参列者の主なコメント。

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宇津井健（79）
付き合いは、57年くらいかな。『渡る世間は鬼ばかり』の第8シリーズで会ったのが最後。舞台では、（上演前に）お茶をたてて『旦那様』と言って持ってきてくれて、演じる前から夫婦の気持ちにさせる気遣いをしてくれた。とにかく美しい方だった。所作や動作、言葉使い、心もキレイ。爽やかな方だったけど、爽やかにお別れしたよう。長山藍子さんには『お父ちゃんは池内さんと愛し合ったことはないの？』って言われたことがありましたけど、親友でした。池内さんとはずっとお話ができる間だった。安らかに。お疲れ様という気持ちでいっぱい。辛いですね。年下の人を見送るのは、たまらんです。

浅丘雪路（75）
私が20代の頃からご一緒していた。池内さんのお芝居は自然で、一番の憧れだった。物すごい着物が好きな方だった。ああいう素晴らしい方が、次々にいなくなって寂しくて。私なんか弱虫だけど、池内さんは強い方だった。演技が素晴らしい方がいなくなって、寂しい。

三田佳子（69）
池内さんの人柄を感じられる会だった。よくお食事したり、お芝居を観に行った。私も過去に病気（子宮がん）を経験したりしたので、池内さんは「三田さんの方がもっとひどかったから、私も頑張る」と言ってたので、信じていたので、ショックが大きいです。悔しいです。毅然としていて、素晴らしい方だった。私も生きている限り、池内さんのように毅然と生きていきたい。
高橋英樹（66）
（お別れの会は）声がお写真から聞こえてきそうだった。舞台に復帰されて、元気になったのかと思ったけれどね。何度かご一緒して、我慢強い方だなと思った。意思が強くて、尊敬していた。ご一緒して楽しい方でした。だから、寂しいし、昭和というものが、またどんどん遠くなっていく。お疲れ様でした。最後までお仕事をやり遂げられたのは大変なご苦労があったと思う。感謝の言葉しかないです。

沢田亜矢子（61）
また一緒に（共演していた）『三婆』をやりましょうねと言ってたので、本当に残念。また機会があるかなと思ってました。最後に会ったのは1年くらい前でしたけど、ご本人は常に全開で、まだまだ生きるつもりだったと思う。最後まで気使いされる、ある意味、強い女優さんだった。お手本になる女優さんがいなくなるのは寂しい。

石田ひかり（38）
まだ信じたくないです。全然病気のことを存じてなかったけど、復帰されてすっかり元気になったのかと思っていましたので、残念です。NHKの『ひらり』でお世話になって、私がNGを出しても本当に優しく『何回でもやりましょう』と言って下さった。あんなにお優しい方は、あまりいないです。