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高畑勲監督、古典的名作アニメ『赤毛のアン』の思い出を語る

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 1989年に制作された劇場版『赤毛のアン〜グリーンゲーブルズへの道〜』のデジタルリマスター版が上映されることになり12日、東京・赤坂のカナダ大使館で特別試写会が行われ、高畑勲監督が舞台あいさつに登壇した。

劇場版『赤毛のアン〜グリーンゲーブルズへの道〜』の高畑勲監督 (C)ORICON DD inc. 

劇場版『赤毛のアン〜グリーンゲーブルズへの道〜』の高畑勲監督 (C)ORICON DD inc. 

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 同作は1979年にテレビ放映された『世界名作劇場・赤毛のアン』の全50話から1〜6話を高畑監督が再編集したもの。当時は正式な公開には至らず、知る人ぞ知る名編集版と言われた。テレビシリーズは、若き日の高畑監督が演出、スタジオジブリの宮崎駿氏が画面構成、故・近藤喜文氏が作画監督、故・井岡雅宏氏が美術監督で参加し、後の日本のアニメーション界に牽引する逸材が携わった古典的名作。

 高畑監督はテレビシリーズの制作時を振り返り、「1週間にアニメを1本作るというのは、とてもすごいこと。だんだん後ろにずれこんで、真っ白なフィルムに向かってアフレコしたり、効果音を入れたり。放映で初めて出来上がりを観るような綱渡りになっていった。仕事がしにくいと悪名高い作品だったんです」と懐かしそうに話した。

 1908年に出版されたカナダの作家ルーシー・モード・モンゴメリの小説をアニメ化した同作は、「セリフ中心の原作を忠実にアニメ化するのが大きな挑戦だった。脚本も手がけた高畑監督は「アンは表情豊かで饒舌で、そこが魅力の女の子。日本語でしゃべっていてもおかしくないようにするのがとても難しかった」と述懐。「日本人は万葉の時代から、視覚的な言語と音声的な言語を組み合わせることに長けてきた。例えば、“恋”の歌の中で、『孤悲』と書いて『こい』と詠む感性がある。アンは、自分の名前を『e』の付いた『Anne』と呼んでくださいという場面があるが、彼女独特の感受性は、日本人なら共感できると思いました」と話した。

 20年ぶりに劇場公開に至った『赤毛のアン〜グリーンゲーブルズへの道〜』デジタルリマスター版は、東京・三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー作品として、17日(土)より東京・渋谷シネマアンジェリカほかにて上映。

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