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『R-1』王者あべこうじ、優勝時“号泣”の本当の理由とは?

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 ピン芸人日本一を決める『R-1ぐらんぷり2010』(フジテレビ系)で、悲願の初優勝を成し遂げたお笑いタレントのあべこうじが、このほどORICON STYLEのインタビューに応じた。舞台上では“ウザ芸”でお馴染みだが、優勝が決まった瞬間、人目もはばからず大粒の涙を流したあべ。その涙の裏には、いったいどのような想いが隠されていたのだろうか? “ウザキャラ”を封印し、R-1への想いやピン芸人としての生き方を真摯に語ってくれた。

涙の訳を明かすあべこうじ (C)ORICON DD inc. 

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 悲願の優勝からしばらく経ったが、改めて今回のR-1について聞いてみると「ようやく実感している感じですね。(優勝が)決まった瞬間はまったく憶えてない(笑)。憶えているのは、決勝の1回戦で2位に滑り込んだ事が本当に嬉しかったということです。とにかく2本ネタをやりたかった。『漫談が面白い!』っていうのを見せたい気持ちもあったんですけど、それよりもせっかく作ったネタをもう一本見せたいという気持ちの方が強かった」と振り返る。

 決勝大会では、上位3名が最終決戦に進み、もう1本のネタで勝負し優勝を決めるというシステムが今大会より導入された。最終決戦にはあべの他に、同大会2連覇を成し遂げたザ・プラン9のなだぎ武、前回準優勝のエハラマサヒロが進出。2度目のネタ披露の前はさぞや緊張したかと思いきや、意外に冷静だったというあべ。「もちろん緊張はしていたんですけど、フワフワしてましたね。優勝のイメージは全く無かった。だから、最終結果で『あべ』の字が出たときにはもう泣いてました。後輩からも「早っ!」って言われましたね(笑)。多分、今映画とかで泣く役とかオファーが来たらすぐ泣けますね!」

 優勝した喜びももちろんあったが、それよりも嬉しかったのは“過去の自分”を超えられたことだったというあべ。「06年大会、博多華丸さんが児玉清さんのモノマネで優勝したとき、ボクは2位だったんですけど、自分の中で最高のネタだった。ある種燃え尽きてしまったんですね。だから07年は決勝に行けなかったんです。08年に決勝へ行けたのは凄く嬉しかった。でも、どうだ凄いだろ!っていう思いで見せたネタが5位で凄く悔しかった。メチャメチャ悔しかった。そのときも泣いたんですけどね。だからR-1で泣いたのはその時の悔し涙と、今回の嬉し涙の2回(笑)」と“涙の意味”を明かす。「自分では06年を超えていると思っていたけど、全く超えていなかった。なにより楽しくなかった。決勝に行っても苦しいだけだった。だから09年大会からは楽しいものをやろうって。凄く初心に戻った気持ちでやって、同じ5位だったんですけど、楽しかった。08年の5位と09年の5位は全く意味が違うんです。僕の中では」。

 さらに今大会での“変化”は、漫談のスタイルにも現れた。「漫談って、ボケながら話を進めなくてはいけなくて、さらにお客さんが笑ったと同時に突っ込んでないといけない……。難しいことをやりすぎてもついてこないし、簡単なことをやっても笑ってはくれないんです。僕の場合、冒頭で『若干ウザイ』と『ハッピー』っていうことを入れる。そこがキャラなんです。『ここから観てください』というラインを1回引いておけば皆さん分かりやすいんですけど、今回は一回も言ってないんです。衣装も普通のスーツでしたし、自分の中で“小道具”を捨てたんです」と明かす。「ようやく自分を出せたなっていう想いは凄くありますね。今までは色々な周囲の目を気にしてやっていたと思うんですよ……。でも、ちゃんと自分で納得いくやりかたで楽しんで出来ないと、もしかしたら優勝できなかったのかもしれないですね」。

 一度掴んだ自身のスタイルを変えるのは相当な覚悟が必要だったに違いない。「苦労しましたねぇ(笑)。ピンだと“間”が怖いんですよ。話すのが早いのもそれが理由。今はこれでも少し遅くなったけど、前はもっと早かった。お客さんの“笑い待ち”もしませんでしたから。給水所を置かずにひたすら走っていた感じです。『話が早いね』とか『噛まないね』とか言われて、どんどんテクニックに走ってしまったのがいけなかった。(第3回大会で)ほっしゃん。さんが優勝したネタは、その前の大会で1回戦で落ちてるネタなんですよ。でも、自分が面白いと思ったネタだから自信を持って楽しんでやりきった。ピン芸人はヘタな小細工したら絶対に勝てないだってやっと分かったんです」と真剣な表情で語る。

 見事“過去の自分”に打ち勝ち、R-1優勝者の称号を手に入れたあべだが、芸能界には多くの“漫談の怪物”たちが待ち構えている。「(笑福亭)鶴瓶さんとか(明石家)さんまさん、(島田)紳助さんはもちろん、今田(耕司)さん、東野(幸治)さんとか“巨人”が一杯いるからもうイヤになっちゃう。もうね、“5重の塔”みたいなもの。1階のボス倒したら2階にさらにボスがいてみたいな(笑)。ボクはとりあえず塔に入れる“通行証”を貰った段階ですね」と語る。「ボクの座右の銘が“夢、現実へ”なんです。夢を夢で終わらせるんじゃなく、必ず現実にさせるという。R-1を獲ったことによって、絶対に夢が広がるんだよっていうところをピンの後輩に見せてあげたい。獲ったらこんな良い事あるんだよって。それが今のボクの役目ですね」。

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