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ぞくぞく公開! 話題の「オマージュ映画」

タランティーノ最新作に和製ウエスタンetc.
9月に公開される話題の「オマージュ映画」

 “おたく”気質をアピールする監督も少なくない昨今の映画界。そんな中、ホラーやSF、ファンタジーをはじめ、ジャンル、あるいは時代にオマージュを捧げた映画は珍しくなくなった。軽味にあふれたパロディから重厚な大作仕立てまで、作り手の想いの強さは共通。この9月にはなんと4本のオマージュ映画が登場する。

 まず9月1日にはクエンティン・タランティーノひさびさの監督作『デス・プルーフinグラインドハウス』が公開される。アメリカでは、この作品と9月22日に公開されるロバート・ロドリゲスの『プラネット・テラーinグラインドハウス』の2本をパッケージ。趣向を凝らしたフェイク予告編をあわせた1本の作品『グラインドハウス』として公開されている(日本でもこの夏に1週間の緊急限定で公開された)。

 タイトルにある“グラインドハウス”とは、アメリカの大都市周辺で刺激的なエクスプロイテーション映画(セックスもの、女囚ものやブラック・ムービー、カンフー映画、カーアクション、血まみれスラッシャー映画などセンセーショナルな題材を売り物にした映画)を専門に上映する映画館のことを指す。そうした映画館をこよなく愛したタランティーノが親友のロドリゲスと組んで、“グラインドハウス”体験を再現しようとつくりあげた、イベント・ムービー企画。アメリカ国外ではそれぞれ再編集しなおし、2本の作品として公開されることになった。
 
『デス・プルーフ in グラインドハウス』
公開:9月1日
配給:ブロードメディア・スタジオ
監督・脚本:クエンティン・タランティーノ
出演:カート・ラッセル、ゾーイ・ベル、ロザリオ・ドーソン
© 2007 The Weinstein Company


『スキヤキ・ウェスタン ジャンゴ』
公開:9月15日
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
監督:三池崇史
出演:伊藤英明、佐藤浩市、伊勢谷友介
© 2007 Sukiyaki Western Django film partners


 もちろん、単に当時の作品を真似るだけのものではなく、それぞれの個性が遺憾なく発揮されている。『デス・プルーフ〜』ではタランティーノが挑発的なエロチシズムのなかに殺人鬼の手に汗握るサスペンスを貫き、後半は度肝を抜くカーチェイスに突入する趣向。タランティーノ独特のオフビートな会話も披露されるなど見どころ満載だ。しかも出演がカート・ラッセルを軸にして、ゾーイ・ベル、ロザリオ・ドーソン、ヴァネッサ・フェルリトなど美女が居並ぶ。

『プラネット・テラー〜』の方はゾンビ映画にジョン・カーペンターのアクションを融合させたような近未来ホラー・アクション。生物化学兵器によってゾンビ化した感染者と人間の壮烈な戦いを、ロドリゲスがデジタルとCGを駆使して、ブラックユーモアとサスペンスいっぱいに描き出している。テレビシリーズ『チャームド?魔女3姉妹?』で人気者となったローズ・マッゴーワンをヒロインに、ブルース・ウィリス、マイケル・ビーンなどが出演する豪華版だ。

 こうしたオマージュ映画は日本でも製作されている。9月15日公開の『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』だ。60年代に一世を風靡したイタリア製ウエスタンにオマージュを捧げながら、黒澤明に代表される往年の娯楽時代劇の精神を継承。21世紀にふさわしい、まったく新しいアクション・エンターテインメントをつくろうとの試み。三池崇史の弾けた演出のもと、伊藤英明をはじめとする豪華な出演者が胸のすくアクション世界を披露してくれる。ガンと刀が交錯し、時代劇の宿場とウエスタンのサルーン(酒場)が共存する。この異世界には、はまる。

 加えて9月22日には『さらば、ベルリン』が公開される。第2次大戦終結直後のベルリンを舞台にしたジョゼフ・キャノンの同名小説の映画化だが、監督のスティーヴン・ソダーバーグはあえて年代もののレンズを使った白黒映像にこだわった。撮影手法ばかりでなく、各シーンが『第三の男』や『カサブランカ』の名場面をほうふつとさせる徹底の仕方だ。出演者では神妙に演じるジョージ・クルーニーはもちろん、ヒロイン役のケイト・ブランシェットがマレーネ・ディートリッヒっぽい台詞回しをみせるなど、俳優たちも40年代スター的な演技に徹してみせる。いかにもソダーバーグらしいフィルム・ノワールのオマージュ作品となっている。


     

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