徳永英明が女性アーティストの楽曲ばかりをカバーした最新アルバム『VOCALIST 3』が最新オリコンチャートで1位を獲得して話題となったが、この夏、とても興味の引かれるユニークなカバーアルバムを見つけた。平井堅の王道バラードばかりをポルトガル語でカバーした実にレアな作品だ。
ブラジルで定評のある女性ボーカリストたちがポルトガル語で歌ったオムニバス・アルバムで、タイトルは『平井堅SONGBOOK BRASILIAN DIVAS』。発売元のB.SUNレコードによると「訳詞は極力もとの詞に忠実。ポルトガル語を常用している在日ブラジル人の方々に、平井堅の原詞の素晴らしさをアピールできるよう最大限努力した」という。全体の作風としては、ボサノバであったりジャズ風であったりと大人テイスト。ヒーリング的な要素もある聞き心地のよさだ。作品としては、あえて平井堅を前面に出さずとも、秀逸な女性ボーカル曲のアルバムに仕上がっている。
そもそもなぜこんなユニークなCDが企画されたのか。もともと良質なブラジルの音楽を広く日本に紹介していきたいという志で立ち上げたB-SUNレコードのスタッフが、愛知県下のブラジル人コミュニティなどでリサーチしたのがきっかけだった。在日ブラジル人は日系含めて現在約30万人と推計されるが、カラオケ店などで結構J-POPが歌われている。なかでも平井堅の王道バラードは人気が高いらしい。ただ、残念なことに日本語歌詞の意味をよく理解できないので、そうなるとやはり歌っていても十分感情移入できない。歌の意味が分からないのは、カラオケで盛り上がってもなにか物足りなかったらしい。であれば、日本で人気アーティストのポルトガル語カバーは必ずニーズがある。というのが目のつけどころだった。
日本のアーティストのオリジナル曲を海外のアーティストが外国語でカバーするCDのなかには過去にヒットした例も少なくない。小田和正のヒット曲をクリストファー・クロスらがカバーした『ラブ・ストーリー〜小田和正ソングブック』(03年)や、中島みゆきをアル・ジャロウ「時代」やジャニス・イアン「ヘッドライト・テールライト」がカバーした『中島みゆきトリビュート Yourself Myself』(03年)をはじめ、松任谷由実、竹内まりや、松田聖子、CHAGE&ASKAらの例がある。ただ、英語訳がほとんどで、今回のポルトガル語訳というのは珍しいケースといえる。
『平井堅SONGBOOK BRASILIAN DIVAS』
07/08/22[アルバム]
【収録曲】
01.思いが重なるその前に…
02.even if
03.瞳をとじて
04.hug
05.バイマイメロディー
06.Ring
07.Gaining Through Losing
08.LOVE OR LUST
09.style
10.Miracles
11.KISS OF LIFE
12.アオイトリ
13.Love Love Love
14.signal
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