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ウォークマンとCD登場!音楽が若者に不可欠となった80年代!

 80年代は若者のライフスタイルと音楽の関係性が密接になった時代であった。なかでもウォークマンの登場は「移動しながら、音楽を楽しめる」という点で若年のニーズとぴたりと合致、その後の音楽のあり方、楽しみ方を大きく変えた。それにより、70年代に生まれたフォーク、ニューミュージックというトレンドが一気に市民権を獲得、音楽市場に一気に大きな花を咲かせたのだ。

 81年に発売された大滝詠一の名作『ロング・バケイション』と83年に発売された山下達郎『Melodies』はその象徴(シングル1位の「クリスマス・イブ」も同作からのカット)。当時シティ・ポップスと呼ばれたアーティストたちはウォークマンと、いわゆる“ポパイ文化”を追い風としてブレイクしていき、ヤングカルチャー全般にファッション性が重要視される流れのなかで、音楽が必要不可欠なアイテムとして定着していった。

 一方で、エポックメイキングな存在であったのがYMOである。当時“視聴率100%男”と呼ばれた萩本欽一の番組から飛び出したイモ欽トリオとYMOサウンドのコラボレートによる「ハイスクールララバイ」はお茶の間も巻き込んだかたちでのミリオンヒットとなり、時代の変化を感じさせる1曲となった。

 また、この時代はシングルとアルバムの市場がまだ別物として認知されていたことは無視できない。アルバム市場に関しては、下記のチャートを見ればわかるように、松任谷由実、サザンオールスターズといった、現在も精力的に活動を続けているアーティストや新興ロックレーベルとして発足したエピック・ソニーのアーティストが名を連ねており、ヤングカルチャーの一翼を担うソフトとして認識されていたことが分かる。

 一方、シングル売り上げで上位に挙がっているのは竜鉄也「奥飛騨慕情」や大川栄策「さざんかの宿」、近藤真彦「スニーカーぶる〜す」など、アイドルや演歌が占めており、歌番組を中心に情報を得ることが重要な手段だったことが読み取れる。

90年代以降のヒット条件となるドラマ主題歌は少数派で、『ザ・ベストテン』など歌番組への出演が大きな影響力をもった。松田聖子や中森明菜、チェッカーズなどのアイドル全盛期に残されたヒット曲のほとんどはこうした番組の存在なくしてはあり得なかった。

 80年代中盤より始まったレコードからCDへの移行は、ウォークマン以上の衝撃をもたらせることになり、音楽ソフトのカジュアル化を促進した。88年に久方ぶりのミリオンヒットとなった長渕剛「とんぼ」、翌年のプリンセス・プリンセス「Diamonds」など、この年を境に、90年代の音楽バブル時代の助走が始まることになる。
(文・スズキダイスケ)

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