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『M-1』大穴・ランジャタイの魅力を分析 大スベりすら怖くない“勝ち確定”の強み

 奇妙奇天烈摩訶不思議、次の一手を誰も予想できないお笑いコンビ・ランジャタイが、“漫才日本一”を決める『M-1グランプリ2021』決勝戦へと進出した。その瞬間、2人を知るファンは皆「一体どうなっちゃうの」と頭の中がぐちゃぐちゃになっただろう。筆者もそのうちのひとりだ。

ランジャタイ (C)ORICON NewS inc.

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 同じくファイナリストになったのは、インディアンス真空ジェシカモグライダーゆにばーすロングコートダディオズワルド錦鯉もも。2日の発表記者会見で、ロングコートダディ・堂前透が「週4ぐらいでお笑いライブに通っているファンが、高熱のときに見る夢みたいなメンバー」と表現したが、熱狂的なお笑いファンであればあるほど、その言葉に激しく同意しただろう。

 ランジャタイがテレビ朝日系バラエティー『ロンドンハーツ』に出演した際、「地下芸人から地上に飛び出したモンスター」とのキャッチフレーズが付いていた。さまざまなメディアのインタビューでは「僕らは地下芸人で〜」と語っているが、ファンは全員「ランジャタイはもう地下芸人ではない」という真実に気づいている。「売れたらさみしい」というファン特有の気持ちもどこかにあるかもしれないが、心の底からそう思っている人はいないだろう。

 記者会見後、『M-1』よりも『ランジャタイ』がツイッターのトレンド上位となっていた。たくさんの人が思わずつぶやきたくなってしまう、今大会のダークホースとも言える2人の魅力をひもといてみたい。

■0か100、どちらに転んでも怖くない絶対的安心感

 お笑い好きはもちろん、多くの視聴者が注目している、いわば“国民的笑いの祭典”である『M-1』の決勝で大スベりするということは、今後の芸人人生に致命的なダメージを与えると言っても過言ではない。ただ、ランジャタイの場合はちょっと違う。以前、2人への取材で目標を聞いた際、ツッコミの伊藤幸司が「M-1優勝」と話したことに対して、ボケの国崎和也は「M-1の決勝で信じられないぐらいスベること」と答えた。

 これを言われてしまったら、もうかなわない。本来なら、芸人として一番避けて通りたい「スベること」すらも目標にしているのだから、恐れることは何もない。国崎の回答後に、伊藤は「絶対にイヤだよ」とすかさずツッコんだが、国崎が楽しんでいる様子を伊藤もまた楽しむだろう。ランジャタイは決勝に進出した時点で、もう“勝ち確定”なのだ。マリオカートでいうスター状態。無敵だ。

 大ウケの100、大スベりの0、どちらに転んでもランジャタイは大丈夫だと思わせてくれる安心感のおかげで、ファンは寿命を縮ませることなく出番を心から楽しむことができる。

ランジャタイ (C)ORICON NewS inc.

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■喜怒哀楽の「喜」と「楽」だけを見せてくれる

 ランジャタイから負の感情を感じることは一切ない。インタビューでは、スベった話も、お金がなさすぎた時代の話も、それがまるで悲しい出来事ではなかったかのように、ケラケラ笑いながら話してくれる。自分たちの不幸だけでなく、周りの芸人仲間がスベった時だって、愛情のこもった笑顔でケラケラ笑い飛ばす。「お笑い界って明るいんだなぁ、楽しそうだなぁ」と心の底から感じさせてくれる。

 これは、とにかく笑いたくてお笑いを見ている人たちにとって、ありがたいことだ。ランジャタイを見ている瞬間だけは、その笑顔に釣られて負の感情をまるっと忘れることできる。「芸人」として100点満点の姿だと思う。国崎の弾けるような笑顔と、ミステリアスな風貌の伊藤が時折見せるかわいい笑顔は、ファンから「国ちゃん」「伊藤ちゃん」の愛称で親しまれる理由のひとつではないだろうか。

 たとえ決勝で思うような順位でなかったとしても、2人は悲しみを見せずに笑っているだろうし、ファンもその姿を見て釣られ笑いしてしまうだろう。昨年の『M-1』敗者復活戦で望ましくない国民採点をくらい、国崎がインディアンス・田渕章裕のフレーズ「国民最高〜!」にかぶせる形で「国民最低〜!」と放った日から約1年。この一言が、今年どういった伏線回収を見せるのだろうか。

 大ウケ? 大スベリ? 大絶賛? (エミちゃんからの)大叱責? どんな結果になろうとも、ファンの受け入れ態勢は万全だろう。当日“頑張ってほしい”よりも、思う存分“楽しんでほしい”。こういう心持ちではないだろうか。どういう展開が待ち受けているかわからないが、決勝の舞台で笑っている2人の姿だけは容易に想像できる。ただただ笑っている2人を見ることができれば、それで充分だが、できれば「国民最高〜!」と喜ぶ姿が見たい。

(文・佐々木笑)

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