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米津玄師の新作アルバムと全楽曲配信開始のインパクト

 8月5日に発売された米津玄師の2年9ヶ月ぶりのアルバム『STRAY SHEEP』。本作には、YouTubeにアップしたミュージックビデオの再生回数が6億回を超えるなど、日本の音楽史に残る楽曲となった「Lemon」をはじめ「Flamingo」「TEENAGE RIOT」「馬と鹿」といったシングル曲、Foorinの「パプリカ」のセルフカバーやRADWIMPS野田洋次郎とのコラボ楽曲「PLACEBO + 野田洋次郎」、そして現在放送中のTBS系ドラマ『MIU404』の主題歌「感電」など全15曲が収録されている。

ストリーミングTOP100週間総再生数の推移

ストリーミングTOP100週間総再生数の推移

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 そして、同日には新アルバムはじめ、ボカロP「ハチ」名義の楽曲も含む全楽曲が、各サブスクリプション型のストリーミングサービスでも聴けるようになった。

■最新作『STRAY SHEEP』初週で今年度もっとも売り上げたアルバムに

 昨年より星野源サザンオールスターズ、そして、ジャニーズ所属アーティストとしては初の試みとなったなど、多くの人気アーティストがストリーミング配信を開始して、注目を集めてきた。今年に入っても、2月にaiko、4月にはHi-STANDARD、5月にはRADWIMPSとその流れは続き、ストリーミング市場は右肩上がりに伸長するなか、満を持して米津玄師の全楽曲がマーケットに投入された。そのインパクトは、予期した通り計り知れない大きなものとなった。

 まずは最新作『STRAY SHEEP』の動きを見ていく。同作のパッケージは8/17付「オリコンアルバムランキング」で初週売上88.0万枚を記録し、今年度の最高初週売上にして、わずか1週で今年度もっとも売り上げたアルバムとなった。男性ソロ作品の初週80万枚超えは、約15年前の平井堅『Ken Hirai 10th Anniversary Complete Single Collection '95-'05 歌バカ』以来、史上5人目となる。また、「デジタルアルバムランキング」では、初週売上10.9万DLを売り上げた。初週10万DL超えは、同ランキング史上初の記録となっている。

 「ストリーミングランキング」では、週間再生数583.3万回(5,833,022回)を記録した「感電」の2位を筆頭に、5位「Lemon」、6位「馬と鹿」、8位「Flamingo」、9位「PLACEBO + 野田洋次郎」、10位「まちがいさがし」とTOP10内に計6作、TOP100内にはアルバム収録曲を含む21曲(※米津玄師名義のみ)がランクインしている。そのうち18曲が100万回以上という高い再生回数となっている。

 因みに、本作『STRAY SHEEP』は、パッケージ・デジタルの売上を合わせた「週間合算アルバムランキング」では、初週101.5万ポイントをたたき出して1位を獲得。ソロ・アーティストとしては同ランキング初の初週ミリオン達成という快挙も成し遂げている。

■米津楽曲がけん引しストリーミング週間総再生数は過去最高を記録

 これら楽曲がけん引するかたちで、TOP100内のストリーミング週間総再生数は1.7億回となり過去最高を記録した。今年のストリーミング市場を振り返ると、昨年大ブレイクしたOfficial髭男dismの楽曲が依然として好調に推移するなか、そこにKing Gnuのアルバム『CEREMONY』(1月15日配信開始)の収録曲も加わり、ストリーミングの週間総再生数は9000万台に伸長した。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、新作のリリースが減少したことで徐々に落ち込みを見せていった。回復基調となったのは5月後半になってからで、「緊急事態宣言解除」以降は、人の移動が始まったことや、新作のリリースが増加したこともあって右肩上がりに伸長していき、わずか2ヶ月で1.5倍に膨らんだ(図:ストリーミングTOP100週間総再生数の推移)。

 また、今年に入ってからのストリーミング1位曲と100位曲の週間再生数の動き(図:ストリーミング1位・100位曲 週間再生数の推移)を見ると、今年前半の1位曲の再生数は週間あたり400万台を推移していたが、6/1付(YOASOBI「夜に駆ける」676.0万回)以降は600万台に上昇。7/13付ではガールズグループNiziU「Make you happy」が過去最高となる975.8万回を記録している。
 
 また、100位曲の週間再生数の推移を見ると、長らく40万回を下回る実績であったが、1位曲同様に6/1付以降は毎週40万回を超えるようになり、7/27付以降には50万回を突破。このことから、ストリーミングの利用者が増加している様子もうかがえる。そういう好況のなかでの米津玄師の全楽曲配信開始により、国内のストリーミング市場はさらなる弾みがつくものと、期待は高まるばかりだ。

※ストリーミング集計対象:Apple Music、AWA、HMVmusic powered by KKBOX、Google Play Music、KKBOX、dミュージック月額コース、LINE MUSIC、Rakuten Music、RecMusic

※ダウンロード集計対象:iTunes Store/オリコンミュージックストア/Google Play Music/mu-mo/music.jp/mora/LINE MUSIC/レコチョク

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