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2019新語・流行語「ラグビー、さまさまの一年」 選考委員7人の選評

その年話題となった新語・流行語を決定する年末恒例の『2019 ユーキャン新語・流行語大賞』(現代用語の基礎知識選)が2日に発表され、“年間大賞”に日本が初の8強入りを遂げ、列島が沸いたラグビーW杯日本大会のチームのスローガン「ONE TEAM(ワンチーム)」が輝いた。トップ10には「計画運休」「軽減税率」「スマイリングシンデレラ/しぶこ」「タピる」「#KuToo」「◯◯ペイ」「免許返納」「闇営業」「令和」が選出された。

『2019 ユーキャン新語・流行語大賞』表彰式の模様 (C)ORICON NewS inc.

『2019 ユーキャン新語・流行語大賞』表彰式の模様 (C)ORICON NewS inc.

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 『2019 ユーキャン新語・流行語大賞』の選考委員は、姜尚中氏(東京大学名誉教授)、金田一秀穂氏(杏林大学教授)、辛酸なめ子氏(漫画家・コラムニスト )、俵万智氏(歌人)、室井滋氏(女優・エッセイスト)、やくみつる氏(漫画家)(50音順)、大塚陽子氏(『現代用語の基礎知識』編集長)。以下、選考委員選評を紹介する。

【姜尚中】
明暗がくっきりと際立った一年だった。
想定外の自然災害の連続や閉塞感、イジメや政治の淀みなど、たとえて言えば、「白々しい闇」が広がり、弾けるような流行語・新語が見出し難い一年だったように思う。
その闇を払ってくれたのは、なんと言ってもラグビーの、思ってもみなかった(選手には失礼!)大活躍と国民的な熱狂だった。 この明がなかったら、 今年は不作の年だったに違いない。ラグビー、さまさまの一年だった。

【金田一秀穂】
流行語大賞の流行語は、その年に話題になったイベントや出来事にまつわる言葉を取り出すもので、いわゆる流行語ではないのだが、本当の流行語をその使われ始めの段階で捕捉することは極めて難しい。今年その困難にあえて挑戦すると「肉肉しい」が挙げられるかもしれない。肉の実質的な味覚、いかにも肉らしさを表すもので、しかも、芋芋しいなどの類型語がすでに作られている。エビ好きにはたまらないほどエビエビしているなどを考えることができる。どうだろうか。

【辛酸なめ子】
芸能界に様々な激震が走った今年。ブラックホールの写真も話題になりましたが、闇営業の吸引力は強かったです。タピオカの黒い粒にも闇を感じました。消費税増税や台風など試練もありました。#Kutooのように、辛い思いはシェアし合うことで少し癒されます。ONE TEAMとなって乗り越えていかなければと思わされました。昨今、スポーツ選手関連の言葉に励まされる傾向が続いていて、今回お笑い関係のワードがなかったのが残念ですが、誰かに笑わされるのではなく自発的に笑えば幸運が訪れると、スマイリングシンデレラが教えてくれたようです。

【俵万智】
全世代共通の新語・流行語が、年々難しくなっているなか、今年は久しぶりに世代を越えた共感を得るできごとがありました。新しい風とともに、新しい言葉が広がる感動を、多くの人が体感したのではないでしょうか。一時期の新語は、あれもネット発これもネット発という感じでしたが、そういう現象は一段落したようです。つまりそれだけ、ネットというものが日常に根づいたことの裏返しではないかと思います。お笑いからの言葉に、元気がなかったのが残念です。

【室井滋】
「令和」という漢字やそのアクセントにすっかり慣れ親しんだ頃には、「令和」以上の新語・流行語がたくさん誕生しているだろうと期待していた。が、残念ながら、全体的に不作な年になってしまった印象がある。
気候変動や高齢者の運転トラブル、消費税アップに付随する言葉が選評会ではズラリ並んだ。毎年流行る連続ドラマやお笑いのフレーズはなく、 ”闇営業”ばかりが目立ってしまったのも寂しい限りだ。日本中の人が心躍らせたラグビーワールドカップ関連用語や全英女子オープンを制した「しぶこ」などがせめてもの救い。「ONE TEAM」が今後も前向きなウキウキする現場で口にされることを願うばかりだ。

【やくみつる】
今年、 主宰の「現代用語の基礎知識」 が大幅リニューアルを実施されたのを機に、新語・流行語の選び方も個人的に勝手に変えてみた。それが30項の候補語に選ばれたうちの「おむすびころりんクレーター」であった。この認知度2%(やく調べ)の新語を敢えて候補語に捩じ込むことにより、案の定、世間の反応は「???」であった。けれどこのことにより認知度を高めることが出来たかも。そんな「新語」があってもいいと、個人的には思う。

【大塚陽子】
昨年の「#Me Too」に続く流れで「#KuToo」という言葉が生まれたことは男性女性関係なく、誰にとっても生きやすい社会への一歩として力強く感じる。閉塞感や諦めムードを感じるような社会の空気をガラリと変えてくれたのは笑顔とラグビーワールドカップだった。今年もつい使ってみたくなるような言葉が生まれた。来年、どんな時代の言葉が生まれるのか、皆さんと言葉を集めたい。

関連写真

  • 『2019 ユーキャン新語・流行語大賞』表彰式の模様 (C)ORICON NewS inc.
  • ラグビー日本代表(左から)ラファエレ ティモシー選手、堀江翔太選手、リーチ マイケル選手、福岡堅樹選手、ヴァンピー・ファンデルヴァルト選手 (C)ORICON NewS inc.
  • 『2019 ユーキャン新語・流行語大賞』が発表に(C)ORICON NewS inc.

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