都会から引っ越し、慣れない田舎暮らしに戸惑う少年・サナギ。その中で出会った、「うしのすけ」という名の一頭の牛。都会では体験することのない牛の世話を最初は嫌がるものの、いつしかサナギはうしのすけと心を通わせるように。だが、うしのすけは食育用の牛だった……。
命の尊さと、「いただきます」の本当の意味を問う感動作『明日、君を食べるよ』が11月20日(水)より開幕する。作・演出は、『ハイスクール奇面組』や『ギャグマンガ日和』、『コジコジ』など、数多くの有名人気漫画の舞台化を手がけるなるせゆうせい。出演陣には、主人公・サナギ役の濱咲友菜(AKB48)、寺本莉緒らを筆頭に爽やかな顔ぶれが揃った。そこで、今回はフレッシュなキャスト陣の中から村田寛奈、中崎絵梨奈、八重樫琴美の3人にインタビュー。舞台の見どころを聞いた。
ーーまずはみなさんの役どころを聞かせてください。
【村田】私が演じるミゾレは、すごく元気でおてんばな女の子。お父さんの再婚によって、主人公のサナギが弟になるんですが、弟ができたことを喜びつつ、無茶ブリをしたりする、天真爛漫な子ですね。
【中崎】私は、サナギの転校先の小学校で同じクラスになるソバッカスを演じます。わりとキツいことを言ったりするんですけど、それも好きだからゆえという感じで。よく好きな女の子をいじめる男の子っていますが、あの女の子パージョンという感じです(笑)。
【八重樫】私もソバッカスと同じクラスメイトの役なんですけど、私が演じるカカシは男の子なんです。イタズラ好きで、ノリがよくて。いただいたプロフィールには、エンターテイナーな男の子って書いていました。私もよく動きがエンターテイナーだと言われるので(笑)、活発な男の子を元気に演じたいです。
ーー村田さんは、ミゾレに対して自分と似ていると感じるところはありますか?
【村田】私は教室のはしっこにいるような子だったのですが、ミゾレはきっとクラスの真ん中ではしゃぐタイプ。だから全然違います。あ、でも、お節介焼きで、すぐ人の面倒を見るところは似ているかも。
ーーわりと人見知りなんですか?
【村田】そうなんです。実は中崎さんとも八重樫さんとも今日が初対面で。だから、ちょっと緊張しています(照)。
【八重樫】(手をあげて)私、人見知り全然しないので、ガツガツ話しかけにいきます!
ーー中崎さんと八重樫さんは、今年の3月までアイドルグループ・Chubbiness(チャビネス)のメンバーとして一緒に活動されていました。お互いのことをよく知るふたりには、相手の役とご本人との違いをぜひ分析してみてください。
【中崎】こっちゃん(八重樫)は、見た通りのまったりゆるい感じの女の子。なんでも褒めてくれるし、ほしい言葉をすぐ言ってくれるので、こっちゃんといるとみんなが気持ちよくなれるんですよ。
【八重樫】めっちゃ褒められてる?うれしい?!
【中崎】でもカカシみたいに自分からふざけるタイプではないと思うので、今回はこっちゃんのそういう新たな一面が見られるのかなって楽しみにしています。ただ、私の演じるソバッカスがカカシに対して当たりがキツいんですよ。こっちゃんはほんわかしているように見えて、ふれたら破ける繊細なところもあるので、そんなこっちゃんにこんなことをしていいのだろうかと、ちょっぴり不安です(笑)。
【八重樫】えなたん(中崎)は私がくじけそうになったら、いつも見捨てず寄り添って、立ち直れるように引っ張りあげてくれる人。今までえなたんにはいっぱい相談に乗ってもらいました。今回は、そんなえなたんにお芝居では突き放されるので、私もどんな気持ちになるか楽しみです。もしかしたら『これはこれでいいかも…?』って思えるのかも(笑)。
ーーおふたりは「こっちゃん」「えなたん」と呼び合っているんですね。
【八重樫】そうなんです。(村田に)普段なんて呼ばれているんですか?
【村田】ファンの方からは『ひろろ』って呼んでもらっています。
【八重樫】じゃあ、『ひろろん』で!。
【村田】『ん』がついた!(笑)。
【八重樫】私、『ん』をつけるのが好きなんです(笑)。
【村田】うれしいです。ありがとうございます!
ーーでは、台本を読んだ感想をお願いします。
【八重樫】父の実家が、肉牛を飼っているんですね。だから台本を読んだとき、真っ先に父の実家で暮らしている親戚やいとこのことが浮かびました。世の中には食べる側/食べられる側があって、それってなんなんだろうって考えたり。人間って傲慢だよなと反省したり。でも、実家は肉牛を飼って売ることで生計を立てているわけで。命をもらったり消費することで、私たちは生かされているんだと改めて認識したり。すごくいろんなことが頭の中をよぎりました。
【村田】私も台本を読んで、小さい頃から何気なく使ってきた『いただきます』にこういう意味が込められていたんだと改めて気づかされて。命をいただくことの意味を、ずっと考えています。
【中崎】『いただきます』とか『ありがとう』っていう言葉の重みをすごく感じるよね。
【八重樫】だからか、私、この台本を読んでから今まで以上にお肉を食べると元気になりました。命をもらっているんだから無駄にしないぞって思うようになったし、そのパワーをもらって、もっと元気に生きたいなって。
【中崎】こっちゃんの実家の話が出たけど、私はこの台本を読むまで、そういうお仕事があることは何となく頭ではわかっていたけど、ちゃんとしっかり考えたことがなくて。本を読んで、改めて牛のお世話をしている人たちがどういう想いで仕事をしているのかも考えるようになりました。
ーーなるせさんといえば、コメディのイメージが強かったので、こういう作品を書かれるのは意外でした。
【中崎】あ、でも確かに重い題材ではあるんですけど、楽しいところもいっぱいあるんです。私たち小学生のシーンとかすごくリズムが良くて。小学生同士のわちゃわちゃとした感じが台本を読んでいるだけでも伝わってくるので、そこをお客さんに楽しんでもらえるようしっかり演じたいです。
【八重樫】ちゃんとクラスの空気感をつくりたいよね。あとはサナギとミゾレの掛け合いもテンポがよくて面白かった!
【村田】ミゾレにズバズバと言われてサナギがしゅんとするところとか、家族の温かさを感じてもらえるんじゃないかと思います。
【八重樫】あとは、ひろろんは歌もあるから。
【村田】サナギと一緒に歌うんです。舞台の歌は、歌詞が台詞。歌詞に込められた想いを歌で届けるのが難しくて。普通の歌と違って、ただメロディに乗せるだけじゃダメ。そこはこれから稽古で頑張っていかなくちゃいけないところなので、ちょっと緊張しています。
ーー主人公・サナギ役はWキャスト。相手によってまた雰囲気が変わりそうですよね。
【村田】めちゃくちゃ変わると思います。ふたりの性格も、役の捉え方も違うだろうから、一緒にお芝居をしながら、きっといろんな発見があるんじゃないかとワクワクしています。
【中崎】私たちにとっては、毎日、転校生が来る感じ。だからすごく新鮮にやれるんじゃないかな。
【八重樫】うん。相手が変わると自分の役も変わるから。2役やるような感覚です。
ーーでは、ここで少しみなさんの素顔がわかる質問を。みなさんは小学生時代はどんな子どもでしたか?
【中崎】私は給食を食べるのがすごく遅くて。よく先生に『早く食べなさい』って急かされていました。特にパンの耳が嫌いで。でも全然残させてもらえないから、いつも昼休みに残って泣きながら食べてました(笑)。
【八重樫】私はアリを踏んで泣いていました。
【中崎】え? 自分でわざと踏んで泣いてるの?
【八重樫】そうじゃないよ?(笑)。すごく命の重さに敏感な子どもで、虫の殺生とかも苦手だったから。アリを踏んで大泣きして先生に慰められた記憶があります。
【村田】可愛い。
【中崎】そういうことか。よかった。もしわざと踏んで泣いてたら、ヤバい子どもだと思った(笑)。
【村田】私は、一時期、めちゃくちゃ忘れ物が多くて。1回、先生に激怒されて。それがすごく怖くて、以来、今もそうなんですけど、まったく忘れ物をしなくなりました。
【八重樫】私のクラスも忘れ物が多い時期があって。先生が誰も忘れ物をしなかった日をカウントダウンして、それがゼロになったらご褒美でおやつをくれるっていう約束をしたことがあったの。で、めでたくゼロになって、次の日、先生がおやつを用意してくれたんだけど、その日に限って私が忘れ物をして。先生もご褒美を用意した手前怒れないし、クラス全体に気まずい空気が漂ったのを覚えています(笑)。
【一同】(笑)。
ーーでは、最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。
【村田】命がテーマのお話なんですけど、しんみりした感じではなくて。明日からの活力になるような作品です。悲しくて涙が出るシーンもありますが、最後はきっと明日から頑張ってみようかなという気持ちになれる。私は明るくておてんばな女の子の役なので、ぜひそんな楽しく明るいところを見てもらえるとうれしいです。
【中崎】今回、私が台本を読んで初めて知ったように、こういう世界があるんだということを知るきっかけになったらいいなと思います。私がお芝居をしていてうれしいのは、お客さまがお芝居を観た次の日から何か心のあり方や生活の仕方が変わることなんです。ちょっとしたことでいいんです。足を運んでくださった方々にとって、この作品が何かが変わるきっかけになるよう頑張りたいと思います。
【八重樫】なるせさんの書く言葉って、まるで絵本みたいなんです。ひとつひとつの言葉がキラキラしていて、まるでオーロラを見ているみたいでした。だから、お客さんにもそんな気持ちになってもらえたらうれしいなって。東京にいると心が疲れちゃうこともあると思いますが、このお話は田舎が舞台。ぜひみなさんには東京を離れて田舎に来た気持ちになってリフレッシュしてもらえたら。劇場までおいしい空気を吸いにきてください(笑)。
インタビュー・文/横川良明
村田 寛奈(むらた・ひろな)
1996年12月29日生まれ。兵庫県出身。パフォーマンスガールズユニット9nineのメンバー。現在は、女優業にも意欲的に取り組んでおり、近作に舞台『『ギア-GEAR-』East Version』、舞台『キンギンヒシャカク!?乙女の一手?』など。
中崎 絵梨奈(なかざき・えりな)
1993年6月8日生まれ。福岡県出身。2016年、ミスヤングチャンピオン2016でグランプリを獲得。2019年3月までChubbinessのメンバーとして活動。現在は女優・グラビアアイドルとして活躍中。近作に舞台『道雪』など。
八重樫 琴美(やえがし・ことみ)
1994年9月26日生まれ。岩手県出身。2013年、約3500人のオーディションの中からChubbinessのメンバーに選ばれ、活動開始。2019年3月、卒業。以降は女優・タレントとして活動。近作にミュージカル『スタントウーマン』など。
命の尊さと、「いただきます」の本当の意味を問う感動作『明日、君を食べるよ』が11月20日(水)より開幕する。作・演出は、『ハイスクール奇面組』や『ギャグマンガ日和』、『コジコジ』など、数多くの有名人気漫画の舞台化を手がけるなるせゆうせい。出演陣には、主人公・サナギ役の濱咲友菜(AKB48)、寺本莉緒らを筆頭に爽やかな顔ぶれが揃った。そこで、今回はフレッシュなキャスト陣の中から村田寛奈、中崎絵梨奈、八重樫琴美の3人にインタビュー。舞台の見どころを聞いた。
ーーまずはみなさんの役どころを聞かせてください。
【村田】私が演じるミゾレは、すごく元気でおてんばな女の子。お父さんの再婚によって、主人公のサナギが弟になるんですが、弟ができたことを喜びつつ、無茶ブリをしたりする、天真爛漫な子ですね。
【中崎】私は、サナギの転校先の小学校で同じクラスになるソバッカスを演じます。わりとキツいことを言ったりするんですけど、それも好きだからゆえという感じで。よく好きな女の子をいじめる男の子っていますが、あの女の子パージョンという感じです(笑)。
【八重樫】私もソバッカスと同じクラスメイトの役なんですけど、私が演じるカカシは男の子なんです。イタズラ好きで、ノリがよくて。いただいたプロフィールには、エンターテイナーな男の子って書いていました。私もよく動きがエンターテイナーだと言われるので(笑)、活発な男の子を元気に演じたいです。
ーー村田さんは、ミゾレに対して自分と似ていると感じるところはありますか?
【村田】私は教室のはしっこにいるような子だったのですが、ミゾレはきっとクラスの真ん中ではしゃぐタイプ。だから全然違います。あ、でも、お節介焼きで、すぐ人の面倒を見るところは似ているかも。
ーーわりと人見知りなんですか?
【村田】そうなんです。実は中崎さんとも八重樫さんとも今日が初対面で。だから、ちょっと緊張しています(照)。
【八重樫】(手をあげて)私、人見知り全然しないので、ガツガツ話しかけにいきます!
ーー中崎さんと八重樫さんは、今年の3月までアイドルグループ・Chubbiness(チャビネス)のメンバーとして一緒に活動されていました。お互いのことをよく知るふたりには、相手の役とご本人との違いをぜひ分析してみてください。
【中崎】こっちゃん(八重樫)は、見た通りのまったりゆるい感じの女の子。なんでも褒めてくれるし、ほしい言葉をすぐ言ってくれるので、こっちゃんといるとみんなが気持ちよくなれるんですよ。
【八重樫】めっちゃ褒められてる?うれしい?!
【中崎】でもカカシみたいに自分からふざけるタイプではないと思うので、今回はこっちゃんのそういう新たな一面が見られるのかなって楽しみにしています。ただ、私の演じるソバッカスがカカシに対して当たりがキツいんですよ。こっちゃんはほんわかしているように見えて、ふれたら破ける繊細なところもあるので、そんなこっちゃんにこんなことをしていいのだろうかと、ちょっぴり不安です(笑)。
【八重樫】えなたん(中崎)は私がくじけそうになったら、いつも見捨てず寄り添って、立ち直れるように引っ張りあげてくれる人。今までえなたんにはいっぱい相談に乗ってもらいました。今回は、そんなえなたんにお芝居では突き放されるので、私もどんな気持ちになるか楽しみです。もしかしたら『これはこれでいいかも…?』って思えるのかも(笑)。
ーーおふたりは「こっちゃん」「えなたん」と呼び合っているんですね。
【八重樫】そうなんです。(村田に)普段なんて呼ばれているんですか?
【村田】ファンの方からは『ひろろ』って呼んでもらっています。
【八重樫】じゃあ、『ひろろん』で!。
【村田】『ん』がついた!(笑)。
【八重樫】私、『ん』をつけるのが好きなんです(笑)。
【村田】うれしいです。ありがとうございます!
ーーでは、台本を読んだ感想をお願いします。
【八重樫】父の実家が、肉牛を飼っているんですね。だから台本を読んだとき、真っ先に父の実家で暮らしている親戚やいとこのことが浮かびました。世の中には食べる側/食べられる側があって、それってなんなんだろうって考えたり。人間って傲慢だよなと反省したり。でも、実家は肉牛を飼って売ることで生計を立てているわけで。命をもらったり消費することで、私たちは生かされているんだと改めて認識したり。すごくいろんなことが頭の中をよぎりました。
【村田】私も台本を読んで、小さい頃から何気なく使ってきた『いただきます』にこういう意味が込められていたんだと改めて気づかされて。命をいただくことの意味を、ずっと考えています。
【中崎】『いただきます』とか『ありがとう』っていう言葉の重みをすごく感じるよね。
【八重樫】だからか、私、この台本を読んでから今まで以上にお肉を食べると元気になりました。命をもらっているんだから無駄にしないぞって思うようになったし、そのパワーをもらって、もっと元気に生きたいなって。
【中崎】こっちゃんの実家の話が出たけど、私はこの台本を読むまで、そういうお仕事があることは何となく頭ではわかっていたけど、ちゃんとしっかり考えたことがなくて。本を読んで、改めて牛のお世話をしている人たちがどういう想いで仕事をしているのかも考えるようになりました。
ーーなるせさんといえば、コメディのイメージが強かったので、こういう作品を書かれるのは意外でした。
【中崎】あ、でも確かに重い題材ではあるんですけど、楽しいところもいっぱいあるんです。私たち小学生のシーンとかすごくリズムが良くて。小学生同士のわちゃわちゃとした感じが台本を読んでいるだけでも伝わってくるので、そこをお客さんに楽しんでもらえるようしっかり演じたいです。
【八重樫】ちゃんとクラスの空気感をつくりたいよね。あとはサナギとミゾレの掛け合いもテンポがよくて面白かった!
【村田】ミゾレにズバズバと言われてサナギがしゅんとするところとか、家族の温かさを感じてもらえるんじゃないかと思います。
【八重樫】あとは、ひろろんは歌もあるから。
【村田】サナギと一緒に歌うんです。舞台の歌は、歌詞が台詞。歌詞に込められた想いを歌で届けるのが難しくて。普通の歌と違って、ただメロディに乗せるだけじゃダメ。そこはこれから稽古で頑張っていかなくちゃいけないところなので、ちょっと緊張しています。
ーー主人公・サナギ役はWキャスト。相手によってまた雰囲気が変わりそうですよね。
【村田】めちゃくちゃ変わると思います。ふたりの性格も、役の捉え方も違うだろうから、一緒にお芝居をしながら、きっといろんな発見があるんじゃないかとワクワクしています。
【中崎】私たちにとっては、毎日、転校生が来る感じ。だからすごく新鮮にやれるんじゃないかな。
【八重樫】うん。相手が変わると自分の役も変わるから。2役やるような感覚です。
ーーでは、ここで少しみなさんの素顔がわかる質問を。みなさんは小学生時代はどんな子どもでしたか?
【中崎】私は給食を食べるのがすごく遅くて。よく先生に『早く食べなさい』って急かされていました。特にパンの耳が嫌いで。でも全然残させてもらえないから、いつも昼休みに残って泣きながら食べてました(笑)。
【八重樫】私はアリを踏んで泣いていました。
【中崎】え? 自分でわざと踏んで泣いてるの?
【八重樫】そうじゃないよ?(笑)。すごく命の重さに敏感な子どもで、虫の殺生とかも苦手だったから。アリを踏んで大泣きして先生に慰められた記憶があります。
【村田】可愛い。
【中崎】そういうことか。よかった。もしわざと踏んで泣いてたら、ヤバい子どもだと思った(笑)。
【村田】私は、一時期、めちゃくちゃ忘れ物が多くて。1回、先生に激怒されて。それがすごく怖くて、以来、今もそうなんですけど、まったく忘れ物をしなくなりました。
【八重樫】私のクラスも忘れ物が多い時期があって。先生が誰も忘れ物をしなかった日をカウントダウンして、それがゼロになったらご褒美でおやつをくれるっていう約束をしたことがあったの。で、めでたくゼロになって、次の日、先生がおやつを用意してくれたんだけど、その日に限って私が忘れ物をして。先生もご褒美を用意した手前怒れないし、クラス全体に気まずい空気が漂ったのを覚えています(笑)。
【一同】(笑)。
ーーでは、最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。
【村田】命がテーマのお話なんですけど、しんみりした感じではなくて。明日からの活力になるような作品です。悲しくて涙が出るシーンもありますが、最後はきっと明日から頑張ってみようかなという気持ちになれる。私は明るくておてんばな女の子の役なので、ぜひそんな楽しく明るいところを見てもらえるとうれしいです。
【中崎】今回、私が台本を読んで初めて知ったように、こういう世界があるんだということを知るきっかけになったらいいなと思います。私がお芝居をしていてうれしいのは、お客さまがお芝居を観た次の日から何か心のあり方や生活の仕方が変わることなんです。ちょっとしたことでいいんです。足を運んでくださった方々にとって、この作品が何かが変わるきっかけになるよう頑張りたいと思います。
【八重樫】なるせさんの書く言葉って、まるで絵本みたいなんです。ひとつひとつの言葉がキラキラしていて、まるでオーロラを見ているみたいでした。だから、お客さんにもそんな気持ちになってもらえたらうれしいなって。東京にいると心が疲れちゃうこともあると思いますが、このお話は田舎が舞台。ぜひみなさんには東京を離れて田舎に来た気持ちになってリフレッシュしてもらえたら。劇場までおいしい空気を吸いにきてください(笑)。
インタビュー・文/横川良明
村田 寛奈(むらた・ひろな)
1996年12月29日生まれ。兵庫県出身。パフォーマンスガールズユニット9nineのメンバー。現在は、女優業にも意欲的に取り組んでおり、近作に舞台『『ギア-GEAR-』East Version』、舞台『キンギンヒシャカク!?乙女の一手?』など。
中崎 絵梨奈(なかざき・えりな)
1993年6月8日生まれ。福岡県出身。2016年、ミスヤングチャンピオン2016でグランプリを獲得。2019年3月までChubbinessのメンバーとして活動。現在は女優・グラビアアイドルとして活躍中。近作に舞台『道雪』など。
八重樫 琴美(やえがし・ことみ)
1994年9月26日生まれ。岩手県出身。2013年、約3500人のオーディションの中からChubbinessのメンバーに選ばれ、活動開始。2019年3月、卒業。以降は女優・タレントとして活動。近作にミュージカル『スタントウーマン』など。
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2019/11/07