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太宰治未完の遺作『グッドバイ』大泉洋&小池栄子W主演で映画化 来年2・14公開

 昭和の文豪・太宰治の未完の遺作『グッドバイ』が、俳優の大泉洋と女優の小池栄子をW主演に迎え『グッドバイ〜嘘からはじまる人生喜劇〜』のタイトルで映画化することが8日、わかった。共演には、水川あさみ橋本愛緒川たまき松重豊らが顔を揃える。公開は2020年2月14日。

映画『グッドバイ〜嘘からはじまる人生喜劇〜』に出演するキャスト陣 (C)2019『グッドバイ』フィルムパートナーズ

映画『グッドバイ〜嘘からはじまる人生喜劇〜』に出演するキャスト陣 (C)2019『グッドバイ』フィルムパートナーズ

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 原作は、太宰の作品を、ケラリーノ・サンドロヴィッチが独自の視点で完成させた戯曲。物語の舞台は、戦後の混乱から復興へ向かう昭和の日本。文芸雑誌の編集長・田島周二(大泉)は、何人もの愛人を抱え、別れる決心をするも彼女たちを前にすると別れを切り出すことができない。困った田島は、金にがめつい担ぎ屋・キヌ子(小池)に、女房を演じてくれと頼み込む。男は、女と別れるため、女は金のために。2人の“嘘夫婦”の企みが描かれる。

 小池は、舞台版でもキヌ子役を演じ、読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞した経歴を持つ。ほかに、嘘夫婦が別れを告げる愛人役として、水川がクールな女医・大櫛加代、橋本が挿絵画家の水原ケイ子、緒川が儚げな花屋の青木保子、離れて暮らす妻・田島静江を木村多江が演じる。

 さらに、松重が嘘夫婦の計画を提案する作家・漆山連行、田島を尊敬する編集部員・清川伸彦を濱田岳が演じ、皆川猿時田中要次池谷のぶえ犬山イヌコ水澤紳吾戸田恵子のキャスト陣が揃った。メガホンをとるのは『八日目の蝉』(11年)で日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞した成島出監督。

 同時に公開された特報映像では、「僕が狂っていたんです」と愛人たちと別れる術を相談する田島が途方に暮れた様子や、嘘夫婦を演じることでレトロモダンな洋服に身を包んだキヌ子が、すまし顔で「田島の家内でございます」とあいさつするシーンなど、コメディも期待させる場面が切り取られている。

■キャスト・監督コメント
・大泉洋(田島周二役)
脚本が面白くて読んでいる途中でマネージャーに「面白い!ドキドキする!こういう作品に出たかった!」とメールしたのを覚えています。今回、(撮影に入る前に)成島さんがご病気もなさったということもあり、撮影時に、“笑う”ということがいかに大事かと改めて感じたと話してくださいまして、そのため“笑い”というものをとても重視した映画になっていると思います。コメディもお上手なんだな、と改めて思いました。とにかく成島さんの演出が面白く、いつも笑っていました。小池さんのことは傍から見ていても「この人、すごいな」と思っていて、まさか自分がこんなにしっかりとお仕事できると思っていなかったのでうれしかったです。小池さんは、今回のキヌ子もそうですが、“いっちゃってる役”を演じているのがいいですよね。今回の作品では彼女の美しさを存分に成島さんが引き出していて、改めて綺麗な人だなーと思いました。撮影以外でも延々と漫才のようなやりとりをしていたから、共演していて楽しかったです。僕が演じた田島という男が、どんどん愛人を作ってしまい、彼女たちとお別れしていくというお話で、どうやって女性と“グッドバイ”していくのか、その度に田島がどうなってしまうのか、というところを楽しんでもらえたらと思います。

・小池栄子(永井キヌ子役)
成島さんが私が出演した舞台「グッドバイ」をとても気に入ってくれていたのですが、“本当に映画化してくれるんだ”と驚き、そんな監督の熱意がうれしく、ホントに頭が下がる思いでした。また、成島さんがコメディを撮るというのも新鮮だなとワクワクしました。(5作目となる成島組は)とても穏やかで明るい現場でした。本読み・リハーサルといつものように丁寧に作ってくださり、初日からスムーズで、とにかく信頼している監督ですので、いつも通り行くぞ!という気持ちでした。(大泉との共演は)毎日楽しかったです。母性本能をくすぐられる魅力的なダメーな田島でしたが、役者さんとしては何でも受け止めてくださるので、安心しきってました。チャーミングな人が沢山出てくる、チャーミングな作品を大いに楽しんでください。

・水川あさみ(大櫛加代役)
ケラさんの書いた「グッドバイ」の脚本を元に作ったという事で、人物像のユニークな部分がより浮き立っていて思わず吹き出してしまうようなやりとりとフィクションで描かれている部分のバランスが何とも心地よく、心奪われました。人物像の面白さや、掛け合いの面白さ、沢山の女が翻ろうされた姿を面白おかしく観ていただければうれしいです。

・橋本愛(水原ケイ子役)
戦後の混沌とした時代が背景にありながらも、愉快で軽妙な物語に惹かれました。読み進めていくうちに希望に溢れたテーマを発見し、心が震えたのを覚えています。キヌ子さんの存在に、私は大きな人生賛歌を感じました。生きるだけの魅力がこの世界にはあるはずだと、一人でも思ってもらえたらうれしいです。

・緒川たまき(青木保子役)
「おとなしく控えめな性格の戦争未亡人が、やがて楽天的に人生を謳歌する明るい女性へと変わっていく」というのが舞台版の保子でしたが、映画版ではそこに「アンバランスな情熱を内に秘めた官能的な要素」が加味されています。男性からすれば「現実にはちょっと危険すぎて関わらないほうがいい」タイプの女性かもしれません。『グッドバイ』は、保子も含めて登場人物全員が溢れんばかりのエネルギーを内に秘めて織りなすラブ・コメディ、そして、逞しくもまぶしい人間賛歌に満ちあふれた映画だと思います。

・木村多江(田島静江役)
舞台を拝見していたので内容は知っていましたが、舞台とはまた違って可愛らしい脚本でした。どう妻を演じられるか、台本からは想像できず心配になりましたが、(成島監督は)ご一緒したい監督でしたので、とてもうれしかったです。リハーサルや撮影中、私も好きな監督の視点に、何とか近づきたいと久々に悩みました。おとぼけな登場人物たちと、日本映画を回顧するようなひとときを、楽しんでいただきたいです。

・濱田岳(清川伸彦役)
この、太宰の世界観。この脚本ならではのコミカルな空気。そして、これをあの成島出監督がお撮りになるのかと思って読むだけで、楽しく、可笑しく、ワクワクしたのを覚えています。さらに、このキャストの中に参加できると再確認した時、不安と緊張が湧き上がりました。今ではこんな素敵な映画に参加できた事を幸せに思っております。そんな作品をお客様にも楽しんでいただけたら幸いです。

・松重豊(漆山連行役)
太宰作品もKERAさんが料理することで、こんなにも生き生きとした現代喜劇に仕上がるのだと感心しました。大泉君と小池さんの関係は、過去の文豪の作品にありがちな、今に置き換えると極めてブッ飛んだ関係性です。そこをどう演じられたか、僕が観客として最も楽しみにしているところです。

・成島出監督
「ラブコメがやりたかったのだ」というケラさんの言葉が真っすぐに響きました。大人が楽しめる洒脱なコメディを観たい。その欲望に忠実に映画を作りました。私も「『ロマンチックな恋愛狂騒劇』=スクリューボールコメディ」ってやつを昔からやりたかったのです。主役はこの2人しかない、と最初から思っていました。今は『喜劇役者』という言葉が死語になってしまいましたが、この二人はまさに『喜劇役者』ですから。シチュエーションコメディではなくヒューマンコメディを撮りたいと思いました。やっぱり人間が一番面白いから。登場人物の過ちと欲望によってすべてのドタバタが起きていきます。だからみんなが憎めなく、どこか愛おしい。そこを楽しんでいただければ、と思います。

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