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藤井フミヤ、十音楽団とともに「フミヤ劇場」開幕

 歌手の藤井フミヤの全国ツアー『35周年記念公演“十音楽団”(読み:とおんがくだん)』が6日、さいたま・大宮ソニックシティを皮切りに始まった。今回のツアーは、フミヤとバンド編成に室内楽アンサンブルを加えた10人の演奏家が、“ひとつの物語”を語るような曲目と演出で構成される、演劇のようなスタイルのコンサート。フミヤにとっても初めての試みで、ファンも新鮮な体験ができたのではないだろうか。

藤井フミヤ『35周年記念公演“十音楽団”』初日の模様

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 会場に入るときに手渡される各種チラシ類と一緒に、今回はプログラムが入っている。「第1章 命の物語」「第2章 赤い糸の物語」「第3章 初恋の物語」「第4章 叶わぬ恋の物語」「第5章 恋とリズムの物語」と記されており、開演時間が近づくにつれ、客席では予想がつかないものへの期待が高まっていくのが感じられた。

 いつものコンサートであれば、1曲目から観客は総立ちになるのだが、暗転した会場に響いたのは鼓動音。そして、フミヤが朗読をはじめ、演奏が始まっていく。それを着席したまま「こういうことがしたかったのか」と、受け止める観客たち。

 アンコールを含め、全25曲の楽曲の中で、今月10日にリリースされる3年ぶりのニューアルバム『フジイロック』に初収録される新曲「ラブレター」、「フラワー」も披露。チェッカーズ時代を含め、デビューから35年にわたってさまざまな“愛”にまつわる楽曲たちを歌い続けて来た積み重ねを、個性的な演出で見せてくれた。

 コンサートで久しぶりに聴く曲もあれば、フミヤが朗読する物語に続いて聴くといままでない情景が浮かぶ曲も、人それぞれあっただろう。こんなにかわいいラブソングがあったのか、と発見した人もいたに違いない。十音楽団による一味違うアンサンブルも新鮮で、特に、パーカッションが効いていた。ストリングスはバンドマスターの有賀啓雄が全曲アレンジを書き下ろした。

 フミヤもファンも初めてのことに、最初は様子見な雰囲気も感じられたが、「第2章」の終わりに演奏された「TRUE LOVE」で観客の心を掴み、その後、10曲目の歌詞が一部飛んでしまったトラブルが逆に功を奏して、会場に一体感が生まれた。実は、今回、アンコールまでMCがなく、ようやく客席に向かって「イェーイ」と語りけた際に、思わず「疲れた」と漏らしたフミヤも「あそこで間違えて楽になった」と話していた。

 最初は見ているだけだった観客が、すべての章が終わる頃には物語の一部になっているような感覚になる「フミヤ劇場」。これから全国各地を巡る(国内16都市26公演)。

■十音楽団メンバー
藤井フミヤ(Vocal)
有賀啓雄(Bass)
田口慎二(Guitar)
岸田勇気(Keyboards)
藤井珠緒(Percussion)
吉田翔平(Violin)
藤家泉子(Violin)
清田桂子(Viola)
林田順平(Cello)
かわ島崇文(Sax,flute)

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