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“地方アナの憧れ”鬼頭里枝、東京進出しない訳 地元・静岡とラジオへの熱い思い

 先日発表された『第56回ギャラクシー賞』(主催:放送批評懇談会)で「DJパーソナリティ賞」を受賞したフリーアナウンサー鬼頭里枝(37)。地元・静岡に根を下ろし、ラジオだけでなくテレビ番組、CM出演にイベント司会とマルチに活躍中の鬼頭アナは、5月31日に都内で開かれた授賞式で「地元アナウンサーの憧れの存在」と紹介された。パーソナリティでありながら、現在でもラジオファンだという鬼頭アナに、ギャラクシー賞受賞の手応えやラジオへの熱い思いを聞いた。

『第56回ギャラクシー賞』(主催:放送批評懇談会)で「DJパーソナリティ賞」を受賞したフリーアナウンサー鬼頭里枝

『第56回ギャラクシー賞』(主催:放送批評懇談会)で「DJパーソナリティ賞」を受賞したフリーアナウンサー鬼頭里枝

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■ギャラクシー賞の受賞は「まさか自分が」 ラジオ業界初の試みを企画した行動力

 2009年4月スタートの静岡放送『テキトーナイト!!』(毎週土曜 後8:00〜10:00)での活躍がラジオ界の発展に貢献したとして、同賞を受賞した鬼頭アナ。テレビ出演時は巫女から制服、かぶりものまでさまざまな衣装で視聴者を驚かせる“コスプレアナ”の異名を取るが、県内では「最も成功しているフリーアナ」とも称される存在なのだという。それでもギャラクシー賞受賞の一報を受けた時には、「まさか自分が」と驚くしかなかった。

 「完全にドッキリだと思いました。私自身、学生時代からずっとラジオが好きで、『ナインティナインのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)や『赤坂泰彦のMillion Nights』(TOKYO FM)など、多くの番組に夢中になっていた『“いちリスナー”だったはずの自分が』って。赤坂さんは『DJパーソナリティ賞』の初代受賞者だけに、すてきなご縁になりました。でも、今回ギャラクシー賞を受賞できたのは、リスナーやスタッフをはじとした本当に多くの方々に支えてもらった結果です。歴代受賞者の中で、私は最も出演料が安いパーソナリティだと思いますが(笑)、受賞を機にギャラもアップするはずなので、歴代スタッフたちにごちそうしてあげないといけませんね」

 『テキトーナイト』は2017年、ラジオ業界初の試みとなる企画『ラジオナイトサミット』を開催。放送局や地域の垣根を飛び越えて、全国の人気ラジオパーソナリティが一同に介する放送となった。

 「きっかけはリスナーさんの『同じ“ナイト”つながりの番組パーソナリティ同士が、共演できたら面白いよね』というコメントでした。前例がないことだけに、クリアしなければならない壁はいくつもあったものの、『面白そうなこと』をすぐに形にできるのはラジオならではのよさだと思います。ラジオリスナーの絶対数は年々減っているだけに、私の目標は『10代のラジオリスナーをひとりでも多く増やす』こと。そして仕事やプライベートでも、初対面の方に『リスナーです』と言ってもらうことが、何よりの喜びです」

■持ち前の突撃精神に木村拓哉も絶賛 「地元に根ざした活動」をポリシーにする理由

 持ち前のコミュニケーション能力とフットワークの軽さ、そして“突撃精神”は、ラジオパーソナリティとしての天性の素質だった。映画『無限の住人』のPRで静岡を訪れた木村拓哉には、インタビュー後に「静岡に鬼頭あり」と言わしめたそうだ。

 「大スターを目の当たりにしたことで、つい張り切りすぎてしまいました(笑)。私が心がけていることは、子どもでも大人でも誰でも、同じ目線に立って話すということ。『テキトーナイト』では、10代のリスナーと恋バナで盛り上がることもあるし、私よりひと回り以上も上の方から、仕事の悩み相談を受けるなんてことも。図々しいかもしれませんが、『一度話したらみんな友達』は私の座右の銘ですね」

 近年、アナウンサーの独立や大手芸能プロダクションへの移籍がニュースを賑わせているが、鬼頭アナは事務所にも所属せず、「地元に根ざした活動」をポリシーとし続けている。

 「過去には『いつか舞台を東京に移して、大手プロに所属して有名アナウンサーに……』と考えたこともありました。でも、その時に家族から『せっかく冠番組を持っているんだし、自分が育った静岡が必要としてくれるなら、それを大事にした方がいい』と言われて、思いとどまったんです。その結果、夢だった箱根駅伝でリポートをすることができたし、こんな素晴らしい賞を受賞することにもなって。地道に頑張ってきてよかったと心の底から思います」

 2010年には、エリア外視聴やタイムシフト再生機能を搭載したサービス「radiko」が登場し、ラジオの在り方も変わってきた。その状況を迎合しつつも、鬼頭アナのラジオに対する根本的なスタンスは変わらない。

 「私の立場で言うと怒られてしまうかも知れませんが、ほかのメディアと比べて“地味”なところも、ラジオの大きな魅力だと思っていて。『私だけが知っている深夜番組』って、なんだかワクワクしませんか? 学生の頃は毎晩夜ふかしをして、大好きな深夜番組をラジカセで録音して、学校のリスナー仲間と『昨日、聞いた?』なんてヒソヒソ話をしたりして。今はSNSで放送中にリスナーの声がすぐさま届いたり、アプリを使って聞き逃した番組を簡単に再生できたり、放送終了後にSNSを使って“延長戦”を生配信できたり――こうした発展は、ラジオの未来を明るくしてくれたと思いますが、それでも私が感じているラジオの本質的な魅力は、放課後にこっそり遊んでいた『秘密基地』みたいなところなんです」

 鬼頭アナは今後も静岡で、『ラジオパーソナリティ』として活動を続けていく。

 「機会がある限りはずっとラジオの生放送に携わっていきたいので、ぜひラジオを通じて、私に会いにきてください。ラジオファンの方々と、同じ時間を共有したいです」。

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