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スキマ大橋卓弥、“声優”内村光良に感嘆 大ヒット『SING/シング』地上波初登場

 2017年3月に公開され、興行収入50億円を突破する大ヒットとなったアニメーション映画『SING/シング』が、16日放送のフジテレビ系『土曜プレミアム』(後9:00〜11:10)で地上波初登場する。4月18日からはユニバーサル・スタジオ・ジャパンで同映画のキャラクターが大ヒットナンバーを“本当に”歌い上げる新アトラクション『シング・オン・ツアー』がオープンし、アメリカでは続編の公開予定日も発表されるなど話題が再燃するなか、日本語版でゴリラのジョニー役声優を務めたスキマスイッチ大橋卓弥を直撃。初挑戦となった吹き替えや、エルトン・ジョンサム・スミスの名曲カバーの裏話などを聞く。

大ヒットアニメーション映画『SING/シング』で声優に初挑戦したスキマスイッチ大橋卓弥

大ヒットアニメーション映画『SING/シング』で声優に初挑戦したスキマスイッチ大橋卓弥

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――劇場公開からちょうど2年経ちました。改めて歌や吹き替え作業を振り返った時、まず一番に思い出すのは?

【大橋】やはり台詞の収録ですね。それまでお芝居はしたことがなかったので、一体どんなふうに臨めばいいのか、まったくわからなくて。演出を担当された三間(雅文)さんからは「あまり練習しないで来てほしい」と言われていたんです。吹き替えに関して僕は素人なので、その初々しい感じが収録できればいいってことだったのかなと、いまにして思います。最初のうちはホントに全然ダメでしたね。

――次第にコツをつかんでいったんですか?

【大橋】吹き替えは映画のストーリーに沿って順番にやっていったので、ストーリーがおもしろくて自然と中に入っていけました。やっている間にだんだんジョニーになっていく感じで。ただ、ある時“ジョニーになった”と確信した瞬間があったんですよ。牢屋の中でジョニーがお父さんに「僕は歌を歌いたい」と告白するシーンがあるんですが、ジョニーとしてものすごく重要なシーンだったと思うんですよね。そこで突然、僕にスイッチが入り“ジョニーになれた!”という気がしたんです。そのシーンはけっこう好きで、あとから自分で何度も巻き戻して観たりしてるんですよ(笑)。その後は“こんな感じでいいのかな?”と自分なりに理解して、後半になると、最初のほうにやった吹き替えを“もう一度やり直させて”とか言ってましたね(笑)。

――現場で他のキャストの方から何かアドバイスは?

【大橋】現場では、他の方とは一切顔を合わせることがなかったんですよ。歌の収録も含めて、すべて1人きりだったんです。それこそ完成披露の時まで誰ともお会いしなくて。でも、もし他の方との絡みがあったとしたら、相当緊張していたでしょうね(笑)。みなさん、ものすごくお上手な方ばかりなので、僕だけこれでいいのかなというのを、すごく感じていたのを覚えています。いまだに少しそう思ったりもするんですが…。役者さんもすごかったですけれど、内村(光良)さん(コアラのバスター・ムーン役)がすばらしかったですよね。芸人さんはコントをされているので、やはりお芝居が上手なんでしょうね。内村さんは早口のせりふが多くて大変だったとおっしゃっていたんですが、全然そんな感じがなくて、みなさん”マイク乗り”がいいなと感心させられました。せりふを録るのは歌とはまた違うマイクの使い方があるのも知りました。

――吹き替え版の音楽プロデューサーの蔦屋好位置さんは「大橋さんのジョニー役はいろんなタイプの曲を歌うので大変だったはず」とおっしゃっていましたが、ご本人としては?

【大橋】サム・スミスの「ステイ・ウィズ・ミー」だったかな。あれが特に難しくて、けっこう何度も録り直したのを覚えています。なぜか自分の中でなかなかしっくり来なくて…ちょうどコブシの♪タラララ〜という部分が僕の音域とハマってないキーだったので、そこで苦労したのを覚えています。サム・スミスのオリジナルではなく、基本的に映画のバージョンをカバーするわけですが、日本語で歌われた仮バージョンのボーカルが、すごくキレイにできていたんです。それを僕はなかなかできなくて、ちょっとショックでしたね(苦笑)。

――大橋さんが歌唱したエルトン・ジョンの「アイム・スティル・スタンディング」の日本語バージョンは、日本版のサントラにも収録されましたが、さらに、レディー・ガガコールドプレイエド・シーランらによるエルトン・ジョンの名曲カバーアルバム『ユア・ソング〜エルトン・ジョンベスト・ヒッツ・カヴァー』にも収録されました。

【大橋】うれしいですよね。なんだか不思議な気持ちになりました。曲自体は僕が普段から歌っている感じに近いので歌いやすかったんですが、いしわたり(淳治)さんの訳詞が、これまた本当にすばらしかったんですよ。英語の曲を日本語に訳すと違和感が出るものなんですが、すごくすんなり入ってきました。

――ジョン・レジェンドの「オール・オブ・ミー」も歌われましたが、他に歌ってみたかった曲などはありましたか?

【大橋】河口恭吾くんが「ベンのテーマ」(オリジナルはマイケル・ジャクソン)を歌っているんですよ。僕は彼と面識もあるし友達なんですけど、あの恭吾くんの「ベンのテーマ」がメチャクチャいいなと思って。ほんの一瞬のシーンなんですけれど、ちゃんと河口恭吾らしさを残してくるなっていう(笑)。確かキリンの役(ダニエル)でしたよね。彼を個人的に知っているのもあって、ちょっと自分の中でライバル意識が芽生えました(笑)。もちろんMISIAさん(ゾウのミーナ役)は、もうそりゃすばらしいですし、長澤まさみさん(ヤマアラシのアッシュ役)もやっぱりすごいなと思いました。あとテーマ曲の「フェイス」をスティーヴィー・ワンダーアリアナ・グランデが歌っていますよね。あの曲は僕も歌ってみたいですね。デュエットできればいいなと。いや、アリアナと一緒にとは言ってないですよ。誰か日本のシンガーの方と一緒に歌えたらと思います。

――最後に、この映画の見どころを。

【大橋】僕が最初にこの映画を観て思ったのが、すごく観やすい映画だなということでした。スピーディーな展開の中に、笑いも、涙も、感動もあって、すごくいろんな感情がギュッと詰まっているんですよ。しかも、そのストーリーを音楽が上手くつないでいるんですよね。音楽もホントにすばらしくて、サントラで何度も繰り返し聴きたくなります。100分余りがあっと言う間に過ぎて、飽きることなくツルッと最後まで観れてしまう映画だと思います。

(取材・文/村上ひさし)

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