将棋界を代表する2人、ひふみんこと加藤一二三九段と、「永世七冠」を達成して「国民栄誉賞」を受賞した羽生善治九段がを組んだ将棋バラエティー『一・二・三！羽生善治の大逆転将棋』が3日（後9：00〜10：30）、NHK・BSプレミアムで放送される。先日、史上最年少で「新人王」を獲得した藤井聡太七段も「詰将棋」の出題で出演する。

【写真】その他の写真を見る

　番組では、芸能人がプロ棋士ととんでもないハンディルールで対局。最強のAIロボットも参戦する。番組タイトルの「大逆転将棋」とは、決着がついた局面から、プロ棋士が負けた側を、ゲストが勝った側を引き継いで、対局を再開するというもの。絶体絶命のピンチから大逆転するというプロの妙技を堪能する。また、将棋界を舞台にしたドラマ『盤上のアルファ〜約束の将棋〜』に出演する玉木宏とのスペシャル対談も見どころ。ゲストとして石田純一、上地雄輔、ザブングル加藤歩、鈴木奈々、松浦真也、最上もがほかが出演。司会はタレントの千原ジュニアが務める。

　番組オリジナルの対決企画は、次の5つ。（1）混合ダブルス対決 ＝羽生チームからは高見叡王と最上、ひふみんチームからは阿久津八段と鈴木が登場し、男女混合ダブルスで対局。全く将棋経験のない最上と鈴木がそれぞれプロと組み、予測不能の展開を見せる。

　（2） 持駒まんぷく！裸の王様将棋＝羽生チーム・竹俣女流初段と、ひふみんチーム・大阪芸人界将棋最強と呼ばれる男、吉本新喜劇の松浦が対局。対局初形の陣形が、松浦はなんと「玉」１枚、まさに「裸の王様」状態から対局がスタート。

　（3） 最強AIに挑戦＝AI将棋ソフト「ポナンザ」を「電王手一二さん」に接続して対局。羽生チーム・ザブングル加藤歩がひふみんチームの「ポナンザ」に挑戦。前回放送時も圧倒的な強さを見せつけたAIロボットに芸能界の刺客は勝てるのか…。

　（4)）いだてん将棋＝ひふみんと石田純一が対決。初形のひふみんに対し、石田は五段目まで好きなように配置可能というハンディルールがひふみんに課される。タテ列の先頭は必ず「歩」というルールで、攻め足が早いことから2019年の大河ドラマ「いだてん」にちなんで「いだてん将棋」と命名された新企画。苦しいスタートからひふみんはどう戦うのか。

(5) 大逆転投了図対決 ＝番組のタイトルでもある「大逆転将棋」の集大成 。一方が負けを認め、勝負がついた局面「投了図」から、負けた側をプロ、勝った側をゲストが引き継いで戦う番組の看板企画に、羽生九段が満を持して登場する。ひふみんチームは、『盤上のアルファ〜約束の将棋〜』に出演する上地が挑戦する。

　収録後、羽生九段は「いろいろなルールの将棋の対局があって、私も見ているほうとして非常に楽しく過ごすことができました。『大逆転将棋』の対局は、どんな局面が出てくるのか分からず、パッとみて10秒で対応しないといけないので、始まるまで特に大きな緊張がありますね。普段とは異なり、まったく予想できないところから始まるのがこの企画ならではだと思っています。加藤先生もお元気そうでいろいろなお話を聞くことができ、ありがたい経験になりました」とコメント。

　ひふみんも「最初に羽生さんと対談したんですが、やはり大変魅力的な話の展開ぶりに、あらためて素晴らしいなと思いました。そのあとのいろいろなコーナーも大変良かったと思います。全ての企画が非常に良いアイディアでした。私の周りでも将棋を覚え始めた女性やお子さんが増えてきているし、番組を見ている方は初心者の方も多いので、盛りだくさんの今回の企画は、多くの方々に楽しんでいただけると思っています」と話していた。

　玉木は「羽生先生、加藤先生、タイプの違う素晴らしいお二方に、本当に貴重なお話を伺えました。形は違うかもしれないけれど、将棋が本当に好きという、熱い思いが存分に伝わってきました。好きだからこそ伝えられるものがあると思いますし、お二方の貴重なお話を聴けて本当によかったと思いました」。

　ドラマ『盤上のアルファ〜約束の将棋〜』でプロ棋士（四段以上を指す）を目指す役を演じた上地も「真剣に将棋を指す機会がほぼ初めてという機会に、その相手が羽生先生なんて、もちろんすごく光栄なことと感じる一方、本当に短い時間でしたが冷静沈着な判断をずーっと下し続けなければならないという、プロ棋士のすごさを感じることができました」と、感動しきりだった。