宝塚歌劇団元月組トップ娘役の愛希れいか（27）がきょう18日より、今年10月に創立40周年を迎えた大手芸能プロダクション・アミューズに所属し、女優として活動することが発表された。

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■アミューズ所属は不思議な縁　大里会長と「誕生日が1日違い」

　宝塚歌劇団では2012年よりトップ娘役として数々の作品に出演。退団公演となった『エリザベート−愛と死の輪舞（ロンド）−』ではタイトルロールのエリザベート役を務めた。退団公演から約1ヶ月が経過し、宝塚での10年を振り返ってもらうと「本当に濃くて、夢の世界だったな」としみじみ。一時は男役も経験するなど、宝塚でのさまざまな経験を積んだ。「まだ卒業という実感はないですね。本当に小さいことから憧れていた場所なので、幸せでしたね」ときらびやかな笑顔を見せた。卒業後はゆっくりと過ごしたという。

　アミューズ所属となったのは不思議な縁があった。同社の大里洋吉会長と、愛希はなんと誕生日が1日違い。「大里会長が私を知ってくださっていて、お声がけをいただいた。誕生日が1日違いという話をしてくださったり、会長の第一印象で親しみやすい会社だな、と（笑）」。

　さらに「自分も卒業するとなって何がしたいかとなったら、ミュージカル。小さいときから好きでしたし、これからもやっていきたいという部分だった。それもお話の中でありました。それと、いろんなことに挑戦したいという思いが自分の中にあった。それを会長にお話ししたら『挑戦してほしいんだ。それは嫌だとかじゃなく、なんでも挑戦してほしい』と。それでアミューズさんとなら自分の可能性が広がると思った」と大里会長の人柄が決め手になったという。同社には宝塚OGの柚希礼音が所属している。「まさか、こんなご縁があるとは。ございさつさせていただいて、柚希さんも驚いていらっしゃいました」と驚きの表情だった。

　アミューズ所属の中で会いたい先輩は「サザンオールスターズのみなさまに憧れがあります。普通に見ていた方々でライブにも行ってみたいです。映像からもエネルギーが伝わるので近くでお会いしてみたいです」とにっこり。さらに「みなさん、すごい方ばかり。みなさんと一緒にできるんだと思ったら気合が入ります」と気を引き締め直していた。

　今後はミュージカルだけでなく、ストレートの舞台、映像作品の出演への願望もある。「宝塚に入る前は全く思ってもいなかったんですけど、辞めるとなって考えたときに、挑戦したいという気持ちが沸いたことに自分でも驚きました。ファッションにも興味もあるので、そういった部分も勉強していきたいですね」と夢を語った。

■東宝版『エリザベート』で井上芳雄と共演「場を和ませていただきました」

　縁は巡るもので、アミューズに所属して初の舞台は卒業公演と同じ『エリザベート』（19年6月／帝国劇場）のエリザベート役。「月組でも、ご縁がないかなと思っていた。ずっと『エリザベート』という作品のファンでしたけど自分が出演することはないと思っていた」。それが、退団公演に、そして退団後初の公演が東宝版『エリザベート』に。「すごくご縁を感じます。愛されている作品で、帝国劇場でやらせてもらう責任もある。でも、その分、エリザベートという人が持っているパワーは素晴らしいと演じていて感じるので、それを味方につけられるように準備をしていきたい」と意欲を見せた。

　また、男女混合での舞台も初めて。「未知の世界です…」と話しつつもトート役を務める井上芳雄のエスコートに感謝した。ビジュアル撮影の際には「緊張して挙動不審だったんですけど『私はエリザベートだ、私はエリザベートだ…』と平然を装っていたんです。でも、素晴らしい方でリードしてくださって、撮影に入ってからはあまり緊張せずにできました。私が掴まるのを躊躇（ちゅうちょ）していたら『もっと掴まって大丈夫だから』と。場を和ませていただきました」。ミュージカル界のプリンスによって、愛希の新たな1歩はステキなものになりそうだ。

　ファンに向けて「宝塚歌劇団を経て、新しくスタートする。たくさん挑戦したいと前向きな気持ち。また新たな私を知ってもらいたいなと思います。面白い、あきないなと思ってもらえるとうれしいですね」と呼びかけた。第2の出発を迎えた愛希の未来は希望に満ちている。