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アヴリル・ラヴィーン、ライム病との闘い告白 問題提起も「たった1回の虫刺されが…」

 カナダ出身の人気シンガー・ソングライター、アヴリル・ラヴィーン(33)が日本時間7日、自身のサイトでファンに宛てた長文の手紙を公開した。死を意識したライム病との闘い、判明しにくいライム病への認識・理解を広めることへの使命感、そして壮絶な闘病を経て、5年ぶりの新作が完成した喜びが率直につづられている。

闘病を経て5年ぶりの新作を完成させたアヴリル・ラヴィーン

闘病を経て5年ぶりの新作を完成させたアヴリル・ラヴィーン

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 アヴリルは2002年、17歳で発表したデビューアルバム『レット・ゴー』が全世界で約2000万枚(日本では累積89.8万枚)を売り上げ、一躍大スターに。続けて、『アンダー・マイ・スキン』(04年、同97.7万枚)、『ベスト・ダム・シング』(07年、同93.7万枚)と日本でも3作連続でメガヒットを飛ばした。親日家でも知られ、14年には「ハローキティ」のミュージックビデオを原宿や渋谷で撮影。昨年2月には、妹のミシェルさんがONE OK ROCKのベーシスト・Ryotaと結婚したことを自身のインスタグラムで祝福したことでも話題を呼んだ。

 一方で、ここ数年はライム病との闘病の日々だった。ライム病とは、マダニによって媒介される細菌感染症。病状が進行すると髄膜炎や心疾患など重篤な症状を引き起こす。アヴリルは14年にライム病を患っていることを公表し、15年6月には5ヶ月もの間寝たきり生活を強いられた壮絶な闘病生活をテレビ番組で告白した。

 アヴリルは今回公開したファンへの手紙の中で、ここ数年の闘病生活を「肉体的にも精神的にも今までの人生で一番辛い日々でした」と回顧する。「私は死を受け入れ、体の機能が停止していくのを感じていました。まるで水の中にいるような息苦しさを感じて、とにかく空気を求めて這い上がりたい気持ちでした。神に助けを求め、この苦しみを乗り越え、この嵐の中で何か希望が見えるようにと祈りました」とも明かし、それを体現したような写真を添えている。

 「正直に言うと、どこか自分には病気のことは一切に触れたくないという部分もありました」と率直な気持ちを告白しつつも「でも向き合う必要があったのです。それはもはやこの病が自分の人生の一部になっているという理由だけではなく、ライム病という非常に深刻な病に対する認識を高めていく必要を感じたのです」との使命感から腹をくくった。

 その理由として、ライム病は判明しにくい病だといい、アヴリルも病名がわかるまで相当な時間を要した。「たった1回の虫刺されが、深刻な事態を引き起こします。ライム病が早急に処置されなければならないことを人々は知らないのです。ライム病と診断されず、何も処置が施されないケースが多々あります。そしてライム病と診断されたとしても、治療費が高額で払えないことも多いのです」と問題を提起する。

 アヴリルの財団ではこうした事態を防ぐため、ウェブサイトでライム病の予防や情報を提供。ライム病に対する正確な処置を熟知する医者を紹介してもいる。また、ライム病研究をさらに促進するため、「一流の科学チームと提携を結ぶことを近々発表する予定です。そしてあなたも力になれるような新たな取り組みが間もなくスタートします。みんなで力を合わせ、ライム病で苦しんでいる人々に必要な治療を施し、このたちの悪い病魔から救い出していきましょう。私は自分の経験を通し、ライム病の認識を世に広めていきます」と宣言し、「ぜひこの闘いに参加してください」と呼びかける。

 アヴリルは闘病生活の中でも音楽制作を続けることでなんとか元気を取り戻したといい、ニューアルバムからの1stシングルとして、病床で最初に書いたという「ヘッド・アバーヴ・ウォーター」を9月19日(アメリカ現地時間)にリリースすることを発表した。症状に関しては「常に自分の体の声を聞き、健康バランスに気を遣わなければなりません。だからゆっくりと進むことになる」としているが、「私はこのアルバムを自分で完成させた。本当に勝利の瞬間なのです。大きな達成感があります。ここに至るまで、私を愛と辛抱強さをもって待ち望んでくれたファンのみなさんには大きな感謝をしています」とメッセージを送っている。

 ソニーミュージックのアヴリル・ラヴィーンのホームページでは、日本語訳を全文公開中。

■アヴリル・ラヴィーン「Letter to Fans」
http://www.sonymusic.co.jp/artist/avrillavigne/info/498806

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