アイドルグループ・ももいろクローバーZが23日、結成10周年で初となる東京ドーム公演『ももいろクローバーZ 10th Anniversary The Diamond Four 〜in 桃響導夢〜』の2日目を開催。10周年を迎える直前の1月に有安杏果が脱退し、4人で初の東京ドーム2daysのステージを終えたメンバーは号泣しながら抱き合った。

【写真】その他の写真を見る

　10年前の2008年5月17日、神奈川・川崎アゼリアでお披露目ライブを行い、2年間にわたって東京・代々木公園の路上や全国の家電量販店で地道な活動を続けてきたももクロ。13年8月に神奈川・日産スタジアム（6万人動員）、14年3月に史上最年少（平均年齢18.6歳）、女性グループ初の東京・国立競技場（2日間計11万人動員）公演を経て、結成10周年で東京ドームにたどり着いた。

　追加公演の初日は「10年丸わかりday〜120曲を1日で聴かせます〜！」と題し、メドレーやBGMを含めて全ての持ち歌120曲を聴かせたが、2日目のこの日は「TD4の覚悟」と題し、リーダーの百田夏菜子（23）が「これぞ“ザ・ももクロ”のライブ。自信を持ってお届けできる」と胸を張ったセットリストが組まれた。

　セットに設けられた階段を下りてステージに立った百田、玉井詩織（22）、佐々木彩夏（21）、高城れに（24）の4人は、バンドの生演奏をバックに「Z伝説〜ファンファーレは止まらない」「マホロバケーション」「BIONIC CHERRY」「ゴールデンヒストリー」の4曲をハツラツとパフォーマンス。モノノフと呼ばれるファンもおのずとペンライトを振る手に力が入り、メンバーカラーの光の海が激しく揺れた。

　百田は「きょうは『TD4の覚悟』ということで私たちの想いがしっかりと届くように頑張ります。私たちの想いを真正面から受け取る準備はできてますか？　もっともっと盛り上がっていきましょう」と気合を入れ直すと、メジャーデビュー曲にして代表曲を新たにアレンジした「行くぜっ！怪盗少女 -ZZ ver.-」では十八番のえび反りジャンプを高々と決めた。ムービングステージやトロッコなども使い、ステージから遠いファンにも目一杯サービスした。

　アンコールのラストで2008年5月17日に初歌唱した「あの空へ向かって」を披露し、最後のあいさつを迎えると、それまで笑顔を届けてきたメンバーが涙で顔を歪めた。最年長の高城は泣きじゃくりながら「みんなにありがとうを言っても伝えきれない、言い足りない。みんながいるから前に前に進めた。誰もが無理だろうと思う夢もかなえてこられた。これからはもっともっとみんなのことを大切にしていきたい。守ってもらってばかりだったから。強くなって恩返しできるような立派なアイドルになります。みんなこれからもついてきてください」と呼びかける。

　続けて佐々木は、早見あかり（2011年4月10日脱退）や有安杏果（今年1月21日脱退）らももクロを離脱したメンバーの名前をあげ、「今のももクロ、いいだろって言ってやりたいくらい、続けてきてよかったと思います」と涙ぐみ、「これからもここにいるみんなが、胸を張って誇れるような私たちでいたい。みんなにはここにいるときに夢見心地で楽しんでもらいたい。私たちといるときは楽しいと思ってもらえるようなアイドルでいられるように頑張る」と宣言。「15周年、20周年を笑顔で迎えられたらなと思います。みんなの笑顔が見られるように頑張りますので、たくさん会いに来てください」とこらえきれずに涙をぬぐった。

　玉井は「まずは本当にこの2日間夢のような時間を過ごさせていただいて、たくさんのおめでとうを言っていただいて10年やってきたんだなと実感しました」としみじみ。「さっき歌った『あの空へ向かって』を歌ったところからスタートしました。あの頃はアイドルという自覚もなかった。ただ楽しいねという感じで進んできて、メンバーが代わったりいろんなことがあったけど、何かが欠けてたら今のももクロはなかったと思うんです。このメンバーが残るのは必然だったんじゃないかなと思います。私たちこの4人になりましたけど、私はこの4人のメンバーでよかったなって胸を張って言えます」と涙ながらに語り、「ついてきて後悔はさせません！」と言い切った。

　リーダーの百田は、有安の脱退を振り返り「4人になるってわかったとき、本当に目の前が真っ暗になっちゃって、正直、どうやって進んで行ったらいいのかわからなくなってしまった自分がいて…どうしようって本気で思いました」と赤裸々に告白。「みんなにたくさん笑顔を届けたいって言いながら、すごく悲しい思いもたくさんさせてしまって申し訳ないなと思って、少し道に迷いそうになりました」とファンに詫びた。

　時折涙で声を詰まらせつつ「こうして東京ドームのライブをやった今なら自信を持って言える気がします。まだ4人でできることはたくさんある。やりたいこともいっぱいある。アイドルが最強だって、ももクロって本当に楽しいって、もっともっとたくさんの人に思ってもらえるように頑張りたいと思います」と涙ながらに決意表明。最後には、言えずにいたという言葉「お前ら全員ついてこーい！」と叫び、ファンも大声援で呼応した。

　モノノフはペンライトを激しく振りながら「世界のももクロ、ナンバーワン！　世界のももクロ、ナンバーワン！」と連呼。メンバー4人はたまらずに抱き合いながら号泣した。最後はマイクを通さず、4人で声をそろえて「ありがとうございましたー！」と絶叫すると、高城が「世界のモノノフ、ナンバーワン！」と笑顔で叫び、大舞台に幕を下ろした。