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“専業グラドル”が明かす苦悩、四面楚歌時代における巻き返し策は?

 先ごろ年間本ランキングが発表され、その中でも今年大きな話題となったのが写真集のヒットだ。乃木坂46を中心に上位を有名アイドルが席巻し、白石麻衣の写真集『パスポート』は講談社の写真集史上過去最高部数を記録した。近年の週刊誌ではアイドルが表紙を飾ることが定着し、モデルとグラビア両方で活躍する“モグラ女子”もメディアを席巻。さらには、グラドルの高年齢化もあり、横を見ても上を見てもライバルだらけという“四面楚歌”の時代に、“専業”グラビアアイドルはどのような巻き返しを図るのか? “尻職人”の愛称で「グラドル自画撮り部」の部長を名乗り、グラドルシーンを盛り上げる牽引役として注目を集めている倉持由香(26)に話を聞いた。

「グラドルは露出だけでは勝負にならない時代」と明かす倉持由香 撮影/TAKU KATAYAMA (C)oricon ME inc.

「グラドルは露出だけでは勝負にならない時代」と明かす倉持由香 撮影/TAKU KATAYAMA (C)oricon ME inc.

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■グラビアの仕事は全体の3割程度 雑誌のグラビアはノーギャラの場合も

――まずは、最近の活動のフィールドを教えてください。グラビアの仕事の比率はどれくらいでしょうか。
【倉持由香】 グラビアの仕事は、全体の3割くらいですね。最近はabemaTVさんの番組出演のお仕事が多くなっていて、毎週1〜2本収録しています。JRAさんの競馬のお仕事や、スマホゲームアプリのお仕事もやっています。雑誌のグラビアはギャラが出ないこともありますから、それだけでは食べていけない。DVDと写真集は毎月出せるわけではないですし。暮らしていくためには幅広い仕事をしなければならないんです。

――グラビアの比率は少ないそうですが、必ず「グラビアアイドルの倉持由香です」と名乗っていますね。グラドルであることにこだわりがあるのでしょうか。
【倉持由香】 私はこの仕事を、女優になるためのステップとしてやっているわけではないんです。グラビアアイドルになりたくてこの業界に入りました。このお仕事を始めた13歳のデビュー当時は、イエローキャブ所属のグラビアアイドルさんや、熊田曜子さん、ほしのあきさんらが活躍する“グラドル黄金時代”。私もこうなりたいと思ってこの世界に入りました。

――どういう点に惹かれてグラビアアイドルを志したのですか?
【倉持由香】 実は私、自分のことがすごく好きなわけでもないですし、自分が被写体として優れているとも思っていません。グラビアが大好きで、理想のグラビアを表現したかったんです。それなら、自分がやるのが手っ取り早いという理由ですね。

――倉持さんが考える理想のグラビアとは?
【倉持由香】 カッコよさ・可愛いさがあるグラビアが理想ですね。女性の肉体はカッコいいんですよ。思い切って露出をするのはカッコよさに繋がると思っています。私、“女体”がすごく好きなのですが、私の周りやファンの方も女体が好きという女性は本当に多いです。今の時代は、女子に受けないタレントの寿命は短いと思っています。女性にも支持されるグラビアを狙って活動しています。


■単なるセクシー写真だけでは拡散しない “ネタにされやすさ”が大事

――“尻職人”として活動するに至った経緯を教えてください。
【倉持由香】 6年前くらい、当時はAKBさんはじめグループアイドルのグラビア全盛期でした。週刊誌はほぼアイドルで埋まってしまって、グラドルは表に出られなくて、本当に悔しかったです。男性ファンをアイドルに持っていかれてしまって、グラドルに興味のある層がどんどん少なくなっていることを感じていました。その少なくなっているパイをグラドル同士で取り合っても無駄だと思ったんです。グラドルに興味のある層を拡げていかないといけない。とにかく知名度を上げないといけない!と考えた結果、Twitterにお尻の自撮り画像をアップし始めたんです。

――グループアイドルに負けないために、グラドルの武器であるセクシーさを打ち出すためにパーツを強調したのでしょうか?どうしてお尻だったのでしょうか。
【倉持由香】 大きなヒップ(100cm超え)を武器に“尻職人”を名乗りはじめました。でも、セクシーさを狙ったわけじゃないんです。キャッチーさを重視しました。不思議なのですが、セクシーな写真をアップしてもWEBで拡散はされないんです。逆に、「そんなの見ているのか」と周りの人から引かれてしまったり、フォロワーへの影響を気にしてアクションされないようです。例えば、以前「童貞を殺すセーター」って言葉がWEBでバズりましたが、あれが「エロいニット」だったら拡散されなかったと思います。私は、「尻職人がもうすぐ6時をお知らせします。#尻時計」みたいな感じで、面白さ・WEBでの“ネタにされやすさ”を狙っています。


■「グラドル自画撮り部」をきっかけに雑誌とのコラボ企画も

――身体的個性を明確に“武器”にしたわけですね。当時の反応はどうでしたか?
【倉持由香】 SNSで写真が見られる=雑誌や写真集が売れなくなると、昔のマネージャーには反対されましたね。でも、Twitterのフォロワーは最初3000人くらいだったのが、半年で3万人に増えたんです。手応えを感じて、業界全体を巻き込んでやろうと。最初はグラドルの自撮り画像が集まるWEBメディアを作りたかったのですが、専門家じゃないから分からなくて…。だから、Twitterで「#グラドル自画撮り部」というハッシュタグで代用したんです。たしかそのハッシュタグは、2日間で200回くらいグラドルの方たちが利用してくれたと思います。驚きました。

――グラドル自撮り部はどういうシステムなのですか?活動に問題点などはありませんでしたか?
【倉持由香】 私が部長を名乗っていますが、やりたい人がいればなんの許可もいりません。自分のスマホで自分を撮っているものなので、クレジットも不要です。誰も損をしないどころか、すべてがいいことだらけで。衣裳を着ていたとしてもお仕事のPRになります。発売前のDVDや雑誌の衣装(水着)は見せられないのですが、水着部分を塗りつぶしてSNSにアップしたら裸みたいに見えるようで、それが面白くていいね!がたくさん付くようになりました(笑)。

――具体的に自画撮り部の活動での成功例は?
【倉持由香】 「#グラドル自画撮り部」のフォトブックがヤングアニマルさんで付録になったり、自画撮り部のメンバー7人の写真集も発売しました。私個人はSNS上で投稿に合計100万いいねが付いたら表紙を飾れるという企画をいただいて、11月27日発売の週刊プレイボーイ50号で初めての表紙を飾ることができました(最終的には約278万いいねを獲得)。フォロワー数も増えていて、SNSでの活動は確実にお仕事に繋がっていますね。私が雑誌の表紙を飾ったことがネットのニュースになったりしたので、注目度が高くなっている実感はあります。それはすごく嬉しいです。

――すごいですね。発案者はもっと大きな顔をしていいのでは…?
【倉持由香】 自画撮り部の写真集も印税なんてもちろんもらっていません(笑)。独り占めしたいわけじゃなくて、これはみんなでやることで業界が盛り上がるなと思ったんですね。1人で育つのではなくて、グラビア業界という“畑”を耕した方が自分という作物も育つという考えです。

■グラビアアイドルの在り方も時代に合わせて変化が必要。SNSを通してもっと“身近な存在”に

――考え抜いた末のSNSでの“尻職人”活動だったんですね。ほかにも倉持さんなりのグラドル市場の分析はありますか?
【倉持由香】 モグラ女子やアイドルに勝つためには、その良さをうまく吸収していかないといけない。アイドルが盛り上がったのは、所属事務所の垣根を超えて劇場から東京ドームを目指すという“努力の過程”を見せたのが大きいと思うんです。頑張っている姿を見て応援したくなる。そして、握手会というシステムで、気軽に会いに行けるようになって…。一方、グラドルは気軽に会いに行ける場がなかった。撮影会は1枚4000円のDVDを買わないといけない。

――SNSがグラドルを身近に感じさせてくれるということですね。
【倉持由香】 そうです。グラドル自画撮り部という名前にしたのは、目標に向かって頑張っていく姿を見せるため。みんなで力を合わせてグラビアを盛り上げていく“部活感”を出したかったんです。例えば…雑誌の表紙撮りおろしが目標だとして、それに向けて練習しているんです。何十枚何百枚と自撮りをして、厳選した1枚を載せていますから、かなり訓練になっていると思います。

――グラビアアイドルに夢と憧れを持ち、誇りをもって活動されている倉持さんはアイドル、モデル、女優が席巻する“グラドル四面楚歌”の状況をどう捉えていますか?
【倉持由香】 グラビア業界が活性化している喜ばしさと、グラドルが追いやられる焦りが両方あります。ですが、悲観的な話ばかりではないです。以前は、25歳を超えたら青年誌のグラビアに出られないという時代もありましたが、ほしのあきさんがそれを変えてくれました。今でも磯山さやかさんたちはアラサーになってもグラビアの第一線にいますし、壇蜜さん、橋本マナミさんもグラビアをやられている。私もこの先、需要がある限りグラビアをやり続けたいですね。


――ある意味グラドルの仕事の幅は広がっているわけですね。モグラ女子、グループアイドルにどう対抗していくのでしょうか。
【倉持由香】 モグラ女子はnon-noやCanCamなどのファッション誌で専属モデルとしてやられている方ばかり。馬場ふみかちゃんは神の造形という言葉がぴったりの圧倒的な美しさがありますよね。内田理央ちゃん、逢沢りなちゃんはMOREと週刊プレイボーイ両方から特別編集で写真集が出たり、女性ファンもいて、こりゃ勝てないわと思います(笑)。グラビアアイドルは、露出だけでは勝負にならない時代です。でも、モデルさんにできない露出やポージング、“個性”を出してグラドルらしく生き抜いていきたいと思います。


■グラビアに生きてグラビアに死にたい

――四面楚歌のこの時代、グラドルに求められる“個性”とは何でしょう
【倉持由香】 やはり、“キャッチーさ”だと思います。例えば、“くびれスト”川崎あやちゃん、“なにわのブラックダイヤモンド”橋本梨菜ちゃんのように「あ、ブラックダイヤモンドの子ね、尻職人の倉持由香ね」というのがタレントとして分かりやすいのかなと思います。また、SNSをみんなやっている時代ですから、ネットを上手く使った“発信力”、そのベースになる“自己プロデュース力”が長けた人が売れていくと思います。

――倉持さんはご自身をどのようにプロデュースしていきますか?
【倉持由香】 私は、“勝手に売れていく”ポテンシャルのグラドルではないと自分で思っています。芸能界が富士山なら、ヘリで山頂に行ける人や車で登る人もいますが、私は樹海で9年くらい彷徨ってからようやく4合目まで歩いてきたという感じですね(笑)。その歩みをしっかりSNSなどで見せて、共感してくれる方たちと一緒に歩いて山頂を目指したいと思っています。

――最後に、これから先の目標やなっていきたい姿は?
【倉持由香】 2017年は長年の目標のひとつだった週刊誌の表紙を達成できましたが、次はオファーをいただけるようになりたい。本当にグラビアが大好きなので、これからもグラドルの地位を確立できるような活動をしていきたいと思います。プロデュースやデザインなど、グラビアコンテンツを作る側にも回って、自分の理想の“カッコいいグラビア”も求めていきたい。もちろん現役もまだまだ続けます。キャッチーにいうと、“グラビアに生きてグラビアに死にたい”ですね。

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  • 「グラドルは露出だけでは勝負にならない時代」と明かす倉持由香 撮影/TAKU KATAYAMA (C)oricon ME inc.
  • 「グラドル自画撮り部」の部長を名乗り、グラドルを盛り上げるけん引役としても知られる
  • 私服姿でも得意のポージングを決める倉持由香

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