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『鋼の錬金術師』は「実写化しちゃダメ」、主演・山田涼介が感じたプレッシャー

 映画『鋼の錬金術師』が、12月2日・3日の映画動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場1位を獲得した。人気作の実写化だけに、公開前には原作ファンから様々な声が上がった本作。主演の山田涼介も原作の大ファンなだけに、当初は実写化に懐疑的だったという。そんな山田が、「この役は誰にも譲れない」と思うに至った経緯とは?彼の俳優人生にとっても大きな影響を与えたという今作について、本音で語った。

エドの弟・アルは鎧の身体に (C)2017 荒川弘/SQUARE ENIX (C)2017 映画「鋼の錬金術師」製作委員会

エドの弟・アルは鎧の身体に (C)2017 荒川弘/SQUARE ENIX (C)2017 映画「鋼の錬金術師」製作委員会

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◆「これだけは実写化しちゃダメでしょう!」と思っていた

――『鋼の錬金術師』は世界で人気のコミック。主人公・エドを演じると決まってどう感じましたか?
【山田涼介】原作が本当に大好きだったので、「これだけは実写化しちゃダメでしょう!」と思っていた部分もありました。しかもエド役で僕にオファーが来たときには、プレッシャーもすごくありましたし、自分がエドをやるなんて想像したこともなかったので…。正直、最初はやりたくない気持ちと嬉しい気持ちの両方だったんですよね。それで、あのエドワード・エルリック役がどうして僕にオファーが来たのか、考えて、咀嚼して、飲み込んでから「やらせてほしいです」と言いました。それに、監督が僕に「こういうイメージで出来上がります」という映像を作って見せてくれたんです。エド役はスタッフさんが務めていたんですけれど、弟のアルフォンスと二人で敵と戦い、錬成している映像で。CGもすごくて、その映像を見て「大丈夫じゃん!」って思ったんですよね。

――最初にエドになった自分の姿を見たときは?
【山田涼介】違うな、と思いました(笑)。僕はエドに対する思いが強すぎるから、結局何をやっても自分自身にしか見えないんですよ。でも、実際に映画の中にいる自分を見たら、「あ、エドだ」って思えたんです。つまり、ただ衣装を着ているだけの僕じゃなく、演じていないとダメってことなんですけど(笑)。

◆監督が「山田くんに断られたら、この作品は実現しなかった」と

――監督とはどんなお話を?
【山田涼介】監督は、『鋼の錬金術師』という作品をずっと撮りたかったとおっしゃっていました。何年もずっと温めてきて、CGを含めて環境は整っているんだけど、エドをやれる人がいない、と。「そんなときに山田くんが現れてくれた。山田くんに断られたら、この作品は本当に実現しなかったんだよ。本当にありがとう」と言ってくださったんです。僕も、「この作品が本当に好きだったんですけど、正直、実写化は嫌だったんです。だけど監督が作ってくれた映像を見て、この役は誰にも譲れないって思ったんです」と、クランクインして2日目くらいに話しました。

――監督はそれまでの山田さんの出演作も見ていた?
【山田涼介】はい。僕って…中性的な顔のせいか、大人しいタイプなのか、ガンガンくるタイプなのか、皆さんわかんないんですって。クールなイメージもあるようで、「どれが山田涼介なんだろう?」と思うみたいです。でも実際の僕はズバズバものを言うし、監督もそんな僕を見て「けっこう男っぽいんだな」と思われたそうで。身長はOK、ビジュアルはOK、あとは性格だっていう段階で、会ってみたら「こいつは大丈夫だ」と。中身を見ていただいて安心してくださったというのは、すごく嬉しかったですね。

◆初めて、自分の出ている映画で泣きそうになりました

――最初に完成品を見たときは?
【山田涼介】自分の芝居というより、エドとアルとのケンカシーンについてですが。それが、あんなにステキなシーンになるとは現場では思っていなかったんです。そのくらい、自分が現場でやっているものとは違う印象があった。仕上がりを見て、グッと来ました。実は初めて、自分の出ている映画で泣きそうになりました。

――どんな作品になったと思いますか?
【山田涼介】もちろん映像もすごいし、CGもすごいんです。でもそれだけじゃなくて、やっぱり内容なんですよね。ストーリーを大事にしている。そこが一番、この作品が人を魅了するポイントなんです。特に原作は、ここから物語が進むに連れて、どんどん人間の弱い部分を描いていって、読み手の心の中をぐっちゃぐちゃにしてくるんですよ。だけど、ストーリーの深さやアクション、子どもも大人も楽しめる要素がちゃんと詰まっている。そんな作品に出られたことはすごく光栄だと思います。この作品を経て、どういうふうに道ができていくのかと思うくらい、僕の今後の俳優人生にとって大切な作品になったと感じています。
(文:川上きくえ)

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