10月改編各局の狙いとは

 各テレビ局の10月の番組改編が発表された。この時期に各局がタイムテーブルを見直すが、民放キー局各社が発表したゴールデン、プライム帯の10月改編率は今回もほぼ動かさない王者の日本テレビを除き、各社揃って20〜30%台になった。一方、バラエティ枠は各社戦略の違いがあるものの各社揃って“ちょい攻め”の印象がある。

◆10月クールのドラマは各社の色がよりわかりやすい

 小幅改編の主軸であるドラマは、定まりつつある枠の色に応じて、TBSは好調の火曜ドラマで宮藤官九郎脚本、小泉今日子主演の『監獄のお姫さま』、日曜劇場は池井戸潤原作『陸王』を映像化し、主演に役所広司を据えるなど力が入る。日本テレビはディーン・フジオカ&武井咲がW主演となる日曜ドラマ『今からあなたを脅迫します』、櫻井翔が教師役の土曜ドラマ『先に生まれただけの僕』など話題性重視のキャスティング。テレビ朝日は『相棒』『科捜研』『ドクターX』のスリートップを手堅く並べつつ、土曜深夜にデジタルネイティブ世代狙いの新たなドラマ枠を新設して攻める。深夜ドラマに定評があるテレビ東京は金曜ドラマ24にKAT-TUN上田竜也主演『新宿セブン』、土曜ドラマに板尾創路主演『フリンジマン』など、テレビ東京らしさこだわりのラインナップ。またフジテレビは月9で篠原涼子が新米女性市議役の『民衆の敵』など硬派路線を並べ、10月クールのドラマは各社の色がよりわかりやすい。

◆バラエティ枠は各社揃って“ちょい攻め”

 一方、バラエティ枠は各社戦略の違いがあるものの各社揃って“ちょい攻め”の印象がある。今年度第一四半期でプライム帯が10年ぶりに全局2位に返り咲き、『マツコの知らない世界』や『水曜日のダウンタウン』など堅調枠が多いTBSは「ひたむき」をテーマにしながら、「月曜の改革」に集中。関ジャニ∞のグルメバラエティ『ペコジャニ∞!』と医療バラエティ『名医のTHE太鼓判!』の新番組2つを投入する。

 ここのところ大幅改編続きのフジテレビは「変える、変わるためにフジテレビをrebootする」を掲げ、週末の19時台に古館伊知郎の『モノシリーのとっておき』、『さまぁ〜ずの神ギ問』をゴールデンに昇格する改編や、23時台を40分にワイド化。また、「他局とはひと味違う独自路線」を重視するテレビ東京は看板バラエティである『主治医が見つかる診療所』と『ニッポン行きたい人応援団』の入れ替えが改編ポイントのひとつ。同社縄谷編成部長は「各社のタイムテーブルに並ぶ医療や外国×日本、グルメなどの人気定番バラエティを視聴者は毎日まんべんなく楽しみたいはず。攻めたい気持ちもあるが、各社と曜日と時間が被らないように裏環境を考える柔軟な改編も必要だと思う」と理由を話す。

 これに対して、「独走的なタイムテーブル改革」を着々と進めるテレビ朝日は不動の裏番組を相手に、日曜朝に東山紀之MCの『サンデーLIVE!!』と夜に『ビートたけしのスポーツ大将』を編成するなど、攻めの姿勢を崩さない。地上波全体の低迷感もあり、高視聴率を獲得できるバラエティ番組が出にくい状況にあるが、日本テレビの『世界の果てまでイッテQ!』のように高水準で長期的に安定するバラエティがあるのは強い。各社のバラエティ枠の改編は、視聴習慣に繋がる安心材料の種まき作業とも読み取れる。

(文/長谷川朋子)

[コンフィデンス 17年9月18日号掲載]



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