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酒井藍、吉本新喜劇座長としての思い「女性が輝く新喜劇を…」

 「土曜のお昼、小さい頃から見ていました。すごく面白くて、でも突然悲しいシリアスなシーンになるんですけど、最後はみんなめっちゃ笑っていて、スゲーって思いました。この中に入りたいと思ったんですよ。保育園の頃から入りたいと思っていました」。吉本新喜劇で史上初の女性座長に就任した酒井藍(30)は、当時の光景をきのうのことのように覚えている。幼い頃からの夢を見事に叶えた酒井のこれまでの歩みと、座長としての思いなどに迫った。

吉本新喜劇座長としての思いを語った酒井藍 (C)ORICON NewS inc.

吉本新喜劇座長としての思いを語った酒井藍 (C)ORICON NewS inc.

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■常にあった新喜劇への思い 運命変えた『金の卵オーディション』

 将来の夢が何度か変わることはあったが、吉本新喜劇への思いはずっと胸の内にあった。「保育園の卒業アルバムは『スチュワーデス』で、小学校の頃は柔道を頑張っていたので『オリンピック出る』って書いていました(笑)。中1の頃にはモーニング娘。のオーディションを受けようと思ったこともあったんですけど、結局『新喜劇に入る』っていう夢に戻っていましたね」。高校を卒業して新喜劇に入る決意を固めていたが、両親から猛反対に遭った。

 「新喜劇にどうやって入ったらいいかわからなかったので、親に『とりあえずNSCに入りたい』って言ったら『絶対アカン』って反対されました。でも、やりたいことがほかにないのに大学に4年間行けば、学費払って遠回りすることになりますよね。それやったら、公務員としてひとまず働こうと思って、1年間勉強して奈良県警に事務職で入ったんです」。

 仕事の意義を十分に理解しながらも、頭の中は「新喜劇」でいっぱい。そんな酒井にチャンスが訪れる。2007年9月に吉本新喜劇の『第3回金の卵オーディション』だ。そこで見事に合格すると、すぐさま上司に相談した。「課長に事情を話したら『どういうことや。とりあえず、受かった書面を出せ』という話になりました。確かに前例のないことですよね(笑)。でもマイナスな辞め方じゃなかったので、辞める日はたくさんの方にお見送りをしてもらいました。今でも応援してくれているので、とてもありがたいです」。

 念願かなって新喜劇の一員となったが、そこからが本番。「入れたことがうれしくて『うわー』ってなっていたんですけど、そうしている場合じゃなくて、新喜劇に出られないと意味がない」。まずは、各座長から“笑いのイロハ”を学ぶことにした。「川畑(泰史)座長は『藍ちゃんは、自分からグイグイボケる“攻めるデブ”になりなさい』と言ってくれました。ボケ方は、小籔(千豊)座長に教わりました。三段オチで最後のところを私に任せてくれていたんですけど『そこは好きなように考え』っていうことで『〇〇』になっていた。そういう部分を小籔兄さんから鍛えてもらったので、新喜劇の先生って感じですね」。

■先輩に習った新喜劇に必要な“所作” 座長として「女性の魅力を引き出したい」

 持ち前の愛嬌(あいきょう)で、同性の先輩芸人たちからもいろんなことを習った。「浅香あき恵姉さんや未知やすえ姉さんからは所作を勉強させてもらいました。新喜劇は、靴を脱いで家の中に上がっていくシーンとかもあるんですが、そこで靴をほっ散らかしてしたら、その後のボケが入ってこないから、その辺の振る舞いはみっちりと教わりました。中山美保さんは、私が最初に新喜劇に出るっていう時に『アンタは声がキレイやから、とりあえず大きい声を出しなさい』ってやさしくアドバイスをしていただきましたね」。先輩たちの愛を受けながら、メキメキ頭角を現していき、ついに座長に抜てきされた。

 歴史ある吉本新喜劇の中で史上初の女性座長。さぞかし重圧も大きいかと思いきや、いつも通り目尻を下げて満面の笑みをこちらに向ける。「テレビで見ていた頃には、自分が座長になるなんて想像できなかったことですから、本当にうれしいです」。もちろん、自分が座長に選ばれた“意味”も十分に理解している。「ほかの座長の皆さんよりも女性座員のことは知っていると思います。男性の方が見えない女性の魅力を上手く引き出して、女性が輝くような新喜劇を作っていきたいです」。

 7月26日に大阪・なんばグランド花月で行われた新座長就任公演『恋する乙女はちょっぴり太め』の初日では、内場勝則辻本茂雄、川畑、すっちーの4座長とともに舞台上で口上を行った酒井。「私は皆さんに助けられまくっていたので、100点満点で言ったら…98点くらい(足元を指して)ここが座長の線だとしたら、その線の上に足を乗せたくらいの気持ちです」と気持ちを引き締めていたが、今月末には座長としては東京初披露となる『東京グランド花月』が行われる。

 「大阪のコテコテの新喜劇を持っていきますので、リフレッシュするような気持ちで来てくれたらと思います。東京グランド花月にはこれまで何回か出演しているのですが、大阪よりも盛り上がりがスゴい(笑)。楽しくなって時間が長くなってしまうことがあるので、楽しみにしているところと、私が出てきてシーンとなってしまったらどうしようっていう心配な気持ちもあります(笑)。皆さん、温かく見守ってください」。

■『東京グランド花月』
日時:9月30日、10月1日
場所:東京国際フォーラム ホールC

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