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日本の漫画をハリウッドで実写化 成功する秘けつは? 『デスノート』スタッフに聞く

 2003年から06年まで『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載された、大場つぐみ氏(原作)と小畑健氏(作画)による漫画『DEATH NOTE』。テレビアニメ、実写映画、ゲーム、テレビドラマ、舞台作品など、多方面の国内メディアでの成功に続き、世界中に作品の人気を拡大させるべく、満を持してハリウッド版映画化が実現。原作者も絶賛の声を上げているNetflixオリジナル映画『Death Note/デスノート』のアダム・ウィンガード監督とプロデューサーの一人、マシ・オカ氏に、日本の漫画をハリウッドで実写化する秘けつを聞いた。

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 本作の主人公は、1冊のノートを手にした男子高校生ライト・ターナー(ナット・ウルフ)。そのノートは、顔を思い浮かべながら名前を書き込むと、たちまちその人物が死を迎えるという恐ろしい力を持っていた。神のような力を得たことに陶酔した彼は、生きる価値がないと見なした人間たちを抹殺し始める。

■ハリウッド版には「キャラクターの成長」が必要

 「原作コミックの精神に忠実でありたいと同時に、ハリウッド版としてリメイクする意味がなければなりませんでした」と、語っていた製作陣の言葉どおり、ストーリーテリングにおける独特のビジョンにラブストーリーの要素を織り交ぜながら、恐怖とサスペンスにあふれた世界観を構築し、『DEATH NOTE』の新たな1ページを刻む作品となった。

 もともと、『ラゴンボールZ』や『天地無用!』など、日本のアニメが好きだったというウィンガード監督は「人気漫画を実写映画化するということで、周りの期待も大きかったですし、プレッシャーはありました。でも、いずれアニメや漫画から着想を得た作品を手掛けてみたいと思っていたんです。原作を用いて独自の解釈で人物像を描き出し、それらに新しい命を吹き込んでいくこともオリジナリティーの一環だと思っています。アメリカ南部で生まれ育った男が、漫画の『DEATH NOTE』を読んで、こういう解釈をしたのか、と観ていただければ幸いです(笑)」と、謙虚に語った。

 ミュージックビデオのような冒頭のシーンからセンスを感じさせるウィンガード監督。最たるものは、ライトの人物像だ。原作に忠実であろうとする一方で、ライトを「人を殺せる超常現象的なノートを持った恋する青年」として描き、106分の作品を悲劇的な青春ロマンスとしても楽しめるものにしている。

 「核心部は原作に忠実に。しかし、原作はとてもボリュームがあって、いろんなところに焦点を当てて映画を作ることができる。今回、私たちが探求しようと思ったのは、行為には必ず果報が生じるということ。善と悪と、そしてグレーな部分があることを、本作の主人公が象徴しています」(ウィンガード監督)。

 原作からの変更点について、マシ・オカ氏はハリウッドならではの事情も明かす。「アメリカでは、キャラクターの成長、物語の中でどう変わったかを見せることが求められる。さらに、より多くの観客の共感を呼び込めるキャラクターにするため、本作の主人公は、宿題の代行をするくらい優秀ではあるけれど、ごく普通の高校生にしました。原作では『夜神月』と『L』の頭脳戦が面白いけれど、2時間くらいの映画で頭脳戦は描きにくい。それよりも、デスノートを手に入れた主人公の葛藤、心の変化に共感してもらって、もし自分がデスノートを手に入れたらどうするか、当事者意識をもって見てもらいたい、という意図もありました」。

■原作者にすべて納得してもらうこと サプライズはいらない

 漫画作品を原作とした映画が増える中、評価が分かれがちな実写化で成功する秘けつは何か。『HAWAII FIVE-0』『HEROS/ヒーローズ』などのシリーズでエミー賞ならびにゴールデングローブ賞にノミネートされた日本人俳優でもあり、プロデューサーとしても活躍するマシ・オカ氏は「IP(知的財産権)を預かる立場で一番大切なのは、原作者の承諾を得て、すべて納得していただくこと。サプライズがあってはならない」と持論を語る。

 「ひとつの会議で、作品の方向性がガラッと変わってしまうことがよくあるんです。少年と子犬の友情物語で進んでいた企画が、突然、宇宙からの侵略者と戦う話になっちゃったり(笑)。あるんですよ、本当に。それがハリウッドの恐いところ。

 『DEATH NOTE』は日本でメディアミックスされ尽くしている作品だったので、原作の先生方からも『思い切って違うことをやってください』と、比較的自由度は高かったのですが、それでもストーリーや人物設定の方向性について確認しながら進めていきました。『ちょっと違うんじゃないか』と指摘されたところは再考し、監督のビジョンを丁寧に説明して納得していただき、一つひとつクリアにしていきました。ウィンガード監督にも作品へのリスペクトと愛情があったので良い信頼関係が築けたことも幸いでした。

 生みの親の意見を聞かないというのは、ファンに対する侮辱でもあると思うし、先生が納得してくれれば、ファンも納得してくれる。プロデューサーとして、日本の作品をもっと世界に飛躍させたい、その役に立ちたいと思っています」。

 原作者との連携がきちんと取れていたことで「制作現場も、原作から逸脱していないと自信をもって作品に挑むことができました」と、ウィンガード監督も感謝する。「ポストプロダクションの段階で、先生方から『リュークが小さく見える』と指摘をいただき、VFXで調整したところもあるんですよ。もともとリューク役の俳優(声は俳優のウィレム・デフォーが担当)は、7フィート(約2メートル10センチ)の長身だったのですが、アングルによっては小さく見えてしまうということが実際に起きる。我々が見過ごしていた細かいところに気がつく、原作者ならではの視点に助けられたところも多々あります。良いコラボレーションができたと思っています」。

 ちなみにマシ・オカ氏は、日本のダンスクラブに登場する探偵役として出演も果たしている。「実は名前があって、ササキと言います。『バクマン。』(『デスノート』と同じ大場・小畑コンビの作品)にも登場する『週刊少年ジャンプ』の元編集長の佐々木尚さんに由来しています。『デスノート』連載時の編集長です」と、明かしていた。

 映画『Death Note/デスノート』はNetflixで配信中。



関連写真

  • Netflixオリジナル映画『Death Note/デスノート』(左から)プロデューサーのマシ・オカ氏、アダム・ウィンガード監督 (C)ORICON NewS inc.
  • 1999年に一世を風靡したファウンド・フッテージ式ホラーの続編『ブレア・ウィッチ』で脚光を浴び、ホラー・サスペンス界でカルト的人気を誇るアダム・ウィンガード監督 (C)ORICON NewS inc.
  • 日本のダンスクラブに登場する探偵役として映画にも出演しているプロデューサーのマシ・オカ氏 (C)ORICON NewS inc.
  • Netflixオリジナル映画『Death Note/デスノート』8月25日よりNetflixで配信中。ライト・ターナー役のナット・ウルフ
  • Netflixオリジナル映画『Death Note/デスノート』8月25日よりNetflixで配信中。死神リュークの声を担当するのは、アカデミー賞に2度ノミネートされたウィレム・デフォー
  • Netflixオリジナル映画『Death Note/デスノート』8月25日よりNetflixで配信中。ミア・サットン役のマーガレット・クォーリー
  • Netflixオリジナル映画『Death Note/デスノート』8月25日よりNetflixで配信中。L役のラキース・スタンフィールド
  • Netflixオリジナル映画『Death Note/デスノート』8月25日よりNetflixで配信中。ワタリ役のポール・ナカウチ
  • Netflixオリジナル映画『Death Note/デスノート』場面写真
  • Netflixオリジナル映画『Death Note/デスノート』アダム・ウィンガード監督

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