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オードリーの『ANN』に密着 番組を貫く“部室感”とラジオならではの魅力

 お笑いコンビ・オードリーが2時間しゃべり倒すラジオ番組『オードリーのオールナイトニッポン』(ニッポン放送 毎週土曜 深1:00〜)。同コンビのファンはもちろん、お笑い好きの心をグッとつかんで離さない抜群の面白さで、日本テレビの水卜麻美アナウンサー、小島瑠璃子、森脇健児、つるの剛士など芸能界にも多くのリトルトゥース(リスナーの愛称)が存在する。先月8日の放送で400回を迎えたが、未だに新鮮な魅力に迫るべく、ニッポン放送を訪れ19日放送回に密着した。

『オードリーのオールナイトニッポン』生放送中のオードリー・若林正恭(左)と春日俊彰(右)、構成作家の奥田泰氏(中央)

『オードリーのオールナイトニッポン』生放送中のオードリー・若林正恭(左)と春日俊彰(右)、構成作家の奥田泰氏(中央)

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 いつもは放送が始まる3時間前の午後10時頃にニッポン放送入りするという2人だが、やや広めの楽屋でスタッフと談笑する若林正恭に対して、春日俊彰は一言あいさつを済ませると自分の楽屋へと直行。それぞれがコーナーへのメールを選ぶほか、フリートークを仕上げていく。同番組の立ち上げにも関わり、たびたび放送でも話題に上がる放送作家の藤井青銅氏が「春日くんは、お菓子だけ取りに来るよね」とこっそり教えてくれた。

 スタジオに潜入し、キューシート(番組の進行表)を眺めてみると、3分の2近くが「トーク」のコーナー。この番組の魅力にして「超ストロングスタイル」と評される所以(ゆえん)でもあるが、改めてシートで見るとそのインパクトは強い。そんな思いに浸っていると、あっという間に本番5分前。ところが、スタジオ内に2人の姿はなく、それにスタッフも特に動じていない。

 スタッフと軽く打ち合わせを済ませてから、ほどなくして若林がブースの中に入って待機。一方の春日は、恒例行事となっているADからの“ケツバット”で気合を注入してから、ブースに入る。2人がそろってすぐに、午前1時を告げる時報。2人がマイクに向かって語りだし、2時間の生放送が始まった。

 この日のオープニングは、26日放送のスペシャルウィークに出演するタレントの松本明子や、2人のマネージャーの岡田氏の話で大盛り上がり。気付けば、あっという間に45分が経過していた。毎回ここまで笑いっ放しの45分間は、ラジオだけではなく全ての放送コンテンツでも、なかなか無いだろう。春日が常々、この番組のことを「部室」と評しているが、まさにブースの中に入ると、青春時代のように生き生きとした表情でバカ話を続ける様子が、マイク越しに伝わってきていたのだと感じた。偶然にもこの日の放送で、こんなやりとりがあった。

若林「お前は、いつまで忘れた青春を取り戻そうとするんだよ?」
春日「それはさ…取り戻させてくれよー」

 若林がボケに回り春日がツッコミを入れるという構図も、テレビではほとんど見られない光景だ。若林が繰り出す“誘いボケ”に対して、春日が瞬時に反応して様々なワードを駆使してツッコミ倒す。かと思えば「生意気だなー」「うるせーぶっ飛ばすぞ!」などの荒い言葉の応酬を繰り返して笑い合うくだりなど、いろんな引き出しでリトルトゥースたちの耳をくすぐっていく。

 個人ごとのフリートークも大爆発。若林のテーマは、仲の良い芸人・ビックスモールンのアメリカでのエピソード。一方の春日は、よく遊ぶ番組スタッフの男性と「としまえん」のプールに行った時のてん末を紹介。顔バレしなかったのかという話題になり「益若つばさちゃんにもらったサングラスをかけていた」という春日の発言に、若林が食いついた。「イメージしたいから、サングラスをして上の服も脱いでトークしてよ」と要求すると、すぐさま春日が応えて上半身裸になりサングラスを装着。若林やスタジオ中が大笑いするなか、春日も身振り手振りを交えて熱弁する。「目の前の人を笑わせる」という思いが笑いを大きくして、リスナーにまで届いているのだ。

 ただでさえトーク中心の構成ながら、2人のフリートークの盛り上がりで番組の予定を若干修正するという事態も発生する。同番組は、ラジオによくある「リスナーから生メールを受け付ける」パートや曲紹介が一切ない。何かの番組と似ていると思ったら、ラジオの帝王・伊集院光がパーソナリティーを務める深夜番組『月曜JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力』(TBSラジオ 毎週月曜 深1:00〜)だった。そんなことに思いをはせていると、あっという間にエンディングに。しかし、まだ終わりではない。この番組の真骨頂である、放送中の2人の名言をまとめた急造ジングルが約1分にわたって放映。2人も口元を緩めて聴き終えると、安心したようにスタジオを後にした。

 この日の番組前に行ったインタビューで、若林はこの番組について「漫才のような作品じゃないので、自分で放送を聴き直すことはないです。中身のある話をしていないので」と語っていた。しかし、この2時間のフリートーク&ネタコーナーは、立派な「トークライブ」というコンテンツとして成立している。こんなに笑えるラジオ番組が、毎週無料で楽しめるなんて、何ともぜいたくなことだ。400回を超える歴史はあるが、今週から聴いても間違いなく楽しめるこのラジオ、お笑いが好きならば聴かないのは非常にもったいない。

◆『オードリーのオールナイトニッポン』スペシャルウィークの26日には、ゲストに松本明子が登場。アイドル歌手としてデビュー後、バラエティータレントとして『進め!電波少年』などで活躍。最近は『ヒルナンデス!』の「ドケチ隊」でオードリーと共演している。普段は春日ともメールをやり取りするという松本から、どのようなトークが飛び出すか。

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  • 『オードリーのオールナイトニッポン』生放送中のオードリー・若林正恭(左)と春日俊彰(右)、構成作家の奥田泰氏(中央)
  • 『オードリーのオールナイトニッポン』生放送中のオードリー・若林正恭(左)と春日俊彰(右)、構成作家の奥田泰氏(中央)
  • 『オードリーのオールナイトニッポン』生放送中のオードリー・若林正恭(左)と春日俊彰(右)、構成作家の奥田泰氏(中央)
  • 『オードリーのオールナイトニッポン』生放送中のオードリー・若林正恭(左)と春日俊彰(右)、構成作家の奥田泰氏(中央)
  • 間もなく丸8年となる『オールナイトニッポン』への思いを語ったオードリー・若林正恭(左)と春日俊彰

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